長野放浪記其の一: 美ヶ原、そして台風直撃。

前編から引き続き、10/5の山行後編。

瑞牆山から移動すること約2時間半。美ヶ原のアプローチ地点となる美ヶ原高原美術館に到着しました。標高1,900mを超えているとは思えない場所でしたが、美ヶ原の山頂にはさらに驚かされることになります。百名山にカウントされてはおりますが、高低差わずか100m程度でさらに歩いて1時間半くらいで最高地点・王ヶ頭に到着するこの内容は登山ではなくさらにハイキングかどうかすら怪しい。到着した時点での天候は強風で今にも雨が降り出しそうだったので、やや早歩きで王ヶ頭に向かいました。


中央の宇宙基地ばかり見ていましたが、改めて写真を見てみると右奥に北アルプスの稜線が見えていました!
宇宙基地の右の薄い稜線は、霞沢岳から明神岳、奥穂高岳、南岳、中岳、槍ヶ岳、と、北アルプスの山々のようです。

上のような道を歩くのですが、完全に異質なのが写真中央の遠方に見える、電波塔が多く建つ宇宙基地のような怪しすぎる施設。なんだあれは?と思いながら地図を眺めているとどうやらあそこが山頂らしい。どんな場所なんだここは、と、天候を気にしながら歩いているとまず通過するのが”美ヶ原のシンボルの塔”という「美しの塔」ですが、やはり宇宙基地が気になります。


左奥に宇宙基地。

いつ雨が降り出してもおかしくないような天候の中、びくびくしながら進んでいくとなにやら牧場のような匂いが。そして匂いのみではなく本当に牧場が現れたのでした。


俺は一体どこに迷い込んでしまったのだろうか?相変わらず奥の宇宙基地が怪しすぎる。


ポニーもいました。

牧場を通過すると分岐点があり、せっかくなので「アルプス展望コース」を選びましたが上の数枚の写真の通り雲が分厚すぎてさらに下からガスも上がってきており展望は1mmもありませんでした。そのまま歩を進め、宇宙基地にしか思えない電波塔施設に到着。

遠くから見ても近くで見ても怪しさ満点なんですが、この日はさらに曇っておりもはやショッカーの秘密基地かなにかにしか見えない。そんな電波塔施設を通り過ぎたところに山頂地点があります。

天気も悪く、この日の見所といえば牧場の動物達くらいで、さらに到着したところはショッカーの秘密基地。登山らしさのかけらも無く「俺はいったいどこに迷い込んだんだ」という気分でいっぱいになりましたが、それでも瑞牆山から引き続きこの日2座目の百名山。一日W百名山はこれで3回目になります。電波塔施設がある山頂にはさらに王ヶ頭ホテルという立派過ぎるホテルがあり、標高2,000mを超える場所にいるとは本当に思えない。


大菩薩嶺でも驚きましたが、ここはそれを遥かに超越しています。

ホテルから引き返し、下山(というか駐車場に向かって歩くだけですが)を始めると、少ししてポツポツと雨が。合羽もありますがあとから乾かすのが煩わしいので、本降りになる前に車に戻るぞ!と大急ぎで移動して本降りになる前になんとか車内へ。天候的に厳しそうでしたがとりあえず霧ヶ峰方面に移動し、霧ヶ峰の最高峰・車山のアプローチ地点になる車山肩までも行ってみましたが風があまりにも強すぎてとてもじゃないけど突っ込める天候ではない。この日はすぐ近くの霧ヶ峰高原ドライブイン・霧の駅(約標高1,600m)で車中泊することにしました。

・・・が、これが完全に判断ミス。この日は台風18号が接近しており夜の始めから未明にかけて長野県付近を通過するという予報で、予報どおり18時前には凄まじい風と雨。それでも21時半までねばりましたが、ドライブインにあった細い木の束?のようなものが飛んできて車に当たるわ、ガーデンチェアが風で吹き飛ばされているわ、車も風で揺れまくるわでとてもじゃないけど安心して寝られるような状況ではない。台風を甘く見ていた!ということで、麓に車中泊できるようなところがないか検索したところ、諏訪湖の湖畔公園が車中泊できるポイントっぽい。そこまでなら30分弱で行けるので、迷わずそこに向かいました。ガスで視界が悪い中、道に鹿も現れるわと精神をすり減らしながら諏訪湖に向かい、到着したのは22時過ぎ。雨も風も強かったのですが標高1,600m地点よりはましで(当たり前ですが)、ようやく落ち着いて寝られる、と心底安心しました。

台風一過を祈り就寝。そして翌日は台風一過という言葉を身をもって体験することになります。

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