東北放浪記: W百名山


八幡平にて撮影、この日のハイライトです。

9/10、この日は前回のブログで書いた通りまずは八甲田山に登るため登山基地になる酸ヶ湯温泉の駐車場へ。朝3時台に起きて出発、5時半くらいに駐車場に着いたものの、外は割と激しい雨!天気予報は曇りのち晴れだったんですが・・・。とりあえず着いてすぐに登山口に行ってみたところ、「日本山脈縦走起点」と銘打たれた木柱が立っていました。


登山口、雨に加えて霧も。


日本山脈縦走起点と銘打たれた木柱。

前に一度調べたことがあったので微かに覚えていたのですが、1960年に読売新聞社が社を挙げて日本の北から南までつなぐ縦走に挑んだそうで、二組に分かれて北と南から攻めて富士山で合流したとのことでした。山脈のないところは車を使ったり、富士山で合流するためにややいびつなルートになったみたいですが・・・。でも、このような事に挑んだ先達がいたというのは胸が熱くなります。この話をまとめた本があり、以前はAmazonで高値がついていたようですが今では2,000円程度で手に入るようです。

さて、天気が全然好転しないので、とりあえず少し仮眠する事に。ルートを頂上ピストンに変更すれば往復4時間くらいなので、8時くらいまでは粘れるかな・・・と、寝ながら7:45くらいまで粘ってみたところ天気がやや小康状態に。それでもまだ全然登山向きの天候ではなかったのですが、ここまで来て登らずに去るのは忍びなさ過ぎるのでこの際突っ込む事に。ちょうど別の女性登山者も入山するところだったので、自分もあとから入山しました。

今回登るのは八甲田山の中でも一番標高の高い大岳。そんな大岳への道は、なかなかにワイルドな道でした。笹は生い茂っているわ、雨のせいか登山道がちょっとした沢になっているわ、普段はおそらくチョロチョロ流れている沢が濁流になっているわ、さらに笹を抜けて遮るものがなくなると強風で吹き飛ばされそうになるわ、と、「八甲田山死の彷徨」というタイトルが何度も頭を過ぎりました。前々日入手したザックカバーが早速役に立ちました。


ワイルドな道が続きました。

そんな道をひたすら突き進むこと2時間弱。コースタイムよりかなり早く山頂に到着しましたが、山頂は写真を撮る余裕が殆どないくらいの強風。かろうじて標識含む何枚かの写真を撮って登山口へUターン。


雨でびしょ濡れで何て書いてあるのか読みづらい。

これでは登った事実を作るためだけに来たようなものではないか!と、若干虚しくなりつつ下山。荒天の中で行動する練習、という点では良いのかもしれませんが、せっかく山に登るのならやっぱり天気の良い日に展望を楽しみたい。 

下山後は温泉。酸ヶ湯温泉には千人風呂という大浴場の風呂があり、温泉自体は乳白色で肌がツヤツヤになりそうな感じの気持ちの良い湯だったのですが、身体を洗うエリアがない!が、この日はさらに別の温泉にも行く予定だったのでまあよいか、ということで、この日の次の目的地・八幡平へ。

八甲田山から八幡平へは、偶然というか必然というか奥入瀬の渓流沿いを進んでいく道をナビが示しており、渓流の流れとは逆行する方向に進んでいましたがつい横をチラチラ見てしまうくらい轟々と渓流が流れておりました。下流から上流に移動するにつれて徐々に水がクリアになっていき、せっかくなので道の脇に車を停めて少し眺めることにしました。


轟々と流れる奥入瀬の渓流。

奥入瀬沿いの道をずいずい進んでいくと、これまた必然かと思いますが十和田湖に突き当たります。「あれ、内陸に進んでいるのに海?」と一瞬錯覚するくらいバカでかく、ここもまたせっかくなので車を停めて少し眺めることにしました。


本気で一瞬海かと見紛うでかさ。

そんな十和田湖を眺めるために停めた駐車場のすぐ近くにこんな標識が。

ちょうどこの前の日に十和田湖周辺の観光スポットを検索した際出てきた「キリストの墓」。バチカンに怒られるだろこれは・・・と思っていたのですが標識にでかでかと載せてしまうあたり青森はすごい。こちらにさらにカオスな新郷村の「キリスト祭」の模様が書かれております・・・。

十和田湖に差し掛かったあたりから天候が快復し始め、というよりそもそも岩手方面はこの日晴れ予報だったわけですが、快晴のまま八幡平頂上へのアプローチが最も容易な八幡平頂上レストハウスに到着。かなりの強風で、隣に車を停めていたおじさんの帽子が吹き飛ばされたりしていましたが(その帽子は一緒に居た奥さんにもらったものだったらしいですが・・・)、とにかく快晴で絶景!冒頭の写真は駐車場から撮った写真ですが八甲田山での死の彷徨の辛さを吹き飛ばしてくれる癒しの光景でした。


これが駐車場からの景色です!

駐車場のすぐ近くに岩手と秋田の県境があり、頂上がどちらの県側にあるのかこの時点では分かりませんでしたが今調べてみたところどうやら岩手県側にあるようです。頂上へは駐車場からわずか1.9kmなので、もちろん踏みに行くことに。


こんな整備された道が頂上まで続きます。

道中周辺の山々を示す標識があったのでじっくり見てみると、上の写真の中央の富士山のような山塊は翌日登る予定の岩手山と判明!実に登るのが楽しみになりました。他にも、残念ながら雲で見えませんでしたが雲がなければ翌々日登る予定だった秋田駒ヶ岳や先の行程で登る予定の鳥海山も見えたようです。


周辺の山々。


奥にうっすらと見える、雲に隠れた山塊がおそらく鳥海山。

絶景の中気分良く歩を進めていくと、すぐに頂上に到達。頂上には木柱と一緒に「日本百名山」内の「八幡平」の文章が抜粋された石碑がありました。

たしかに、ここに書かれているように林もあれば沼もあり、変化に富んだ非常に面白い高原だと感じました。


林もあれば・・・


沼もあります。

八幡平で絶景を堪能した後は、この日二箇所目になる温泉へ。道中、雲が晴れ岩手山の全貌が車の窓からどーん!と見えており、あまりにも絶景だったので車を降りて写真を撮ることに。


八幡平方面から見る岩手山は「裏岩手」と呼ばれているそうです。

前回のブログには玉川温泉に行く予定、と書きましたが朝のタイムロスがあり経路上にない玉川温泉に行くのは時間的に厳しくなったので、翌日登る予定だった岩手山の登山口から近い「焼走り温泉」に行くことにしました。焼走り温泉は「いこいの村岩手」というホテルや散策コースが一体になったエリアの中にあり、この日は週末という事も関係しているのか地元民が多く訪れておりました。駐車場には自衛隊の車両も停まっており、車両の39普-2、という文字から第39普通科連隊所属の車両だろうな、と思い調べてみると弘前駐屯地所属!

何故弘前駐屯地の車両が焼走り温泉にいたのかこの時点ではさっぱりでしたが、翌日岩手山から下山する際遠方から砲撃?の演習っぽい音が響いてきており、今調べてみたところ9月11日は10~16時まで岩手山演習場において追撃砲(実弾)、携帯対戦車弾(実弾)、小銃(実弾)の訓練が行われていたようです。これに参加していたのだろうか・・・。

岩手山にはいくつも登山ルートがありますが、今回は最もメジャーな「馬返しコース」(「柳沢コース」とも)を登る予定だったので、二回目の温泉のあとはそのまま馬返し登山口へ。駐車場に至るまでは真っ暗闇をひたすら進んでいたので白山登山口の駐車場に向かうときのように今回も怯み上がっていましたが、駐車場に着いてみるとかなりの車が既に来ておりホッと一安心。翌日に備えてすぐに寝ました。

岩手山登山に続く→

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