この旅は毎朝基本的に同じ展開で始まりますが、『岩と食欲と私達』旅の六日目も例に漏れず道の駅で目覚めるところから始まります。
旅六日目、5月3日(金)
前日、隣でテント泊していた方からもたらされた情報に沿って6時までに撤収するべく5時過ぎに起床。すぐに撤収を開始しました。連日の使用にもかかわらずここまで乾かす時間のなかったテントがぐっしょり濡れていたので少しだけ乾かしてみるも、あまり乾かず。完全に乾燥させるのは黒川温泉まで持ち越しとなります。
上の写真は朝一の道の駅の様子ですが、写真のとおり少し曇っていました。とはいえここまで来て登らないという選択肢はなく、6時前には開聞岳に向けて出発。走り始めるとすぐに開聞岳が視界に入り、どんどん近づいていきました。
麓の駐車場に到着したのは7時前。既に結構な数の車が停まっていましたが、まだ多少の余裕はありました。車内で朝食を済ませて支度したらすぐに出発です。駐車場は牛舎?の隣に設けられており、結構虫が多かった記憶があります。牛舎隣の駐車場から少し歩くと、大きなキャンプ場がありゴーカートやら遊戯施設やらいろいろと設けられていました。登山前のトイレを済ませたらキャンプ場を横切り、登山口へ。
既に二合目の登山口です。山容のとおり、ここからはひたすら登りです。この時間でも結構下ってくる人がいたことを覚えていますが、それ以上に登っていく人も多くさすがゴールデンウィークといったところです。前日の霧島同様、子供たちも多かった印象です。
地図にも書かれていましたが五合目まではあまり展望がなく、五合目を過ぎるとようやく視界が開けてきます。旅も六日目。少し疲れが溜まってきていたのか普段ほどのスピードが出ません。I氏にも「普段より遅い」と言われる始末でした。…が、今コースタイムの二合目から五合目までを見てみると1時間とあり、実際に歩いた時間を見てみると34分。なんだかんだ2倍くらいのスピードで歩けていたようです。
七合目を過ぎたあたりから足元が岩場に変わり、八合目を過ぎたあたりから結構な急坂になりロープやはしごも現れます。とはいえ妙義山(ブログ未アップ)で鍛えられた我々にとってもはや一般登山道に怖いと思える場所はなく、さくさく進んでいきます。妙義山についてはこの旅の記録を書き終えたらアップする予定です。さて、二合目から1時間半弱で山頂に到着です。
上の写真、遠方には前日登った韓国岳や高千穂峰も見えています。詳細はこちらでご確認ください。多少雲はありますが快晴で最高の登山日和でした。旅前半の雨模様はなんだったのか…。
山頂で昼食を摂るべく荷解きをしていると、おばちゃんが話しかけてくる。
おばちゃん「九州の山なのに熊鈴つけてるの?」
俺「いつもつけているのでペースを保てますから」
I氏「前に人がいると察知してもらえて道を譲っていただけるので」
おばちゃん「トレランの人じゃあるまいし」
トレラン云々と呟いたあと去っていくおばちゃん。残された我々二人はただひたすら気分が悪い。言葉を返すと「ではトレランの人なら問答無用で鈴を鳴らしてもよいのか」という話になり、あのおばちゃんの中では一体どのような基準が設けられているのだろうか。我々は二人とも他人の鈴も含めまったく気にならないのですが、世の中にはこういうおばちゃんのように鈴の音が気になる人も存在するのだということを初めて認識し、開聞岳の下山と翌日の九重連山では鈴を外すこととしました。結果、ぜんぜん道を譲ってもらえなくなりましたが…。この際トレランはじめるか。
そんなおばちゃんの来襲を受けた後、昼食。そして昼食後は、ケーキです。そう、『ケーキ』です。なぜならこの日は
I氏の誕生日
だったのです。誕生日に開聞岳の山頂にいるというのは今後もなかなかない体験。おばちゃん来襲で精神的ダメージが大きかった二人でしたが気を取り直してプチ誕生日会です。
山頂をひとしきり楽しんだら下山です。どんどん下っていく中で、登りの際は気づかなかった展望スポットに立ち寄る。屋久島が見えているではないですか!登った山や旅した島など、旅した場所が見えるというのはいつでも良いものです。
はるか遠くに見える島のうち、左側が屋久島です。つい最近、登山者が孤立するほどの大雨があったばかりの場所です。自分が宮之浦岳に登った際は奇跡的な快晴が続いていました。
噴煙のこの島は硫黄島とのこと。かの有名な硫黄島ではなく、こちらは薩摩硫黄島とも呼ばれているらしいです。温泉が凄い(?)らしくこちらの記事にまとめられていました。
展望を楽しんだ後はどんどん下っていき、2合目の登山口に到着したのは11時前でした。
あとは車に戻るだけ。せっかくなので遊びながら戻りました。
このまま芝生で寝たい。
と思ったら本当に寝てる人がいました(我々ではない)。
車に戻り荷解きをしたら、早速出発です。このエリアに実は一度来たことがあるというI氏曰く「指宿は砂蒸し風呂が有名です」とのことだったので、まずは指宿の温泉に向かいます。この日選んだ温泉は『たまて箱温泉』。名前がなんとも可愛らしい温泉です。
たまて箱温泉(公式ページ)
https://www.seika-spc.co.jp/healthy/tamatebako/
たまて箱温泉では、砂蒸し風呂と露天風呂の二種類があり両方入るかいずれかのみ入るか選べます。受付で話を聞いてみたところ、砂蒸し風呂は
4時間待ち
とのこと。そんなに待てるはずもなく、待ち時間ゼロの露天風呂のみ入ることにしました。D温泉の90分待ちにも驚きましたがその比ではありません。露天風呂は今まで入った中でおそらく最大ではないかというかなりの大きさ。目の前が海で気分爽快。開聞岳登山の疲れが癒されていきます。人がたくさんいましたがそれ以上に温泉が巨大なのであまり気になりませんでした。温泉近くには過去に温泉熱を利用した製塩事業が行なわれていた跡地があり、見学できるようになっていました。
山川製塩工場跡(いぶすき観光ネット)
http://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/fushime/
時刻は12時半くらい。翌日は九重連山に登る予定でおり指宿からは結構な移動距離です。お互いそこまでお腹も空いていなかったので、食事は特に摂らずに早速北上することにしました。たまて箱温泉に到着した際は一切待つことなく駐車場に入れたのですが、我々が去る時刻には駐車スペース待ちの車が長蛇の列。この旅は本当に駐車場運があります。
九重連山方面へは熊本市街地を通過するルートだったので、まずセットしたのは熊本城です。続きは後編、熊本城再訪編でお伝えします。
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