夕食を終えた中編から引き続き、後編です。
11月9日(土)(承前)
夕食を終え、寝床に戻ってひと段落したら夜景の撮影に向かいます。時刻は19時前。夜景はばっちり見えていました。iPhoneとコンデジではまったくきれいに撮れませんでしたが、さすが一眼レフです。
夜景に対して空に月と星は見えず、午後にかけて曇りそうという予報は残念ながら的中していたようです。夜景を見る前後にみんなで売店に立ち寄り、各自お土産など購入。このとき買った手ぬぐいは、早速後日浅間山で使用することになりますがこのときはもちろんそんなことは知りません。以降は消灯の21時までそれぞれの時間を過ごしました。俺は館内をぶらぶらして、置いてあった『孤高の人(上)』を読んだり。そして消灯直前に寝床に戻り、就寝。空は曇天です。
星空と御来光:11月10日(日)
午前0時…あまり深い眠りにはついておらず、トイレに行くべく寝床から出たついでに外の様子を見てみると、相変わらずの曇天。登りは快晴だったし夜景も楽しめたからまあよしとするか…と、この時点では星空は完全に諦めてまた眠りにつきました。
午前3時…相変わらず深い眠りにはついておらず、2度目のトイレに行くべく目が覚めました。期待せずに外を見てみると
これは!と、身支度を整えて外に出てみると雲ひとつない見事な、という言葉では言い表せないくらいすごい星空です。外は極寒。真夜中に外に出ることを想定し、ウールの靴下を2足持ってきておいて正解でした。しばし一人で堪能し、少し迷いましたがI氏を起こすことにしました。
俺(おい、I氏、起きろ。)
I氏(ん…?)
俺(外はすごい星空だぞ。)
I氏(!)
とんでもなく寒い夜でしたが、その分(なのかどうなのか)空気が澄んでおりとにかく星空がすごすぎる(語彙力)。暖かい飲み物飲もうぜ!と、ガスコンロも外に持ち出しましたが風が強すぎて全然お湯が沸騰しない。持参していたテルモスに消灯前にお湯を入れておけばよかったと思いつつ、満天の星空の下においてそんなことはたいしたことではありません。ぬるいコーヒーと抹茶ラテで乾杯。これもまたいい(?)思い出です。
さて、夜中の星空大会にはもちろん三脚付の一眼レフも登場します。撮影した一眼レフの画面には撮影した本人も驚くほど鮮明な星空が映し出されていました。※山が明るく見えている写真はカメラの設定で山を浮き上がらせています。
真夜中だったから寝静まっているのか、はたまた寝る前曇天だったからか、この星空でもほとんど人はいません。物音を聞いて起き出したという女性二人組がデッキにきていたのみです。※ちゃんMは少し声をかけたものの起きだす気配がなかったのでそっとしておきました。
星空を思う存分堪能していたら結構時間が過ぎており、徐々にほかの宿泊客たちも起き始めました。
この日は朝食の時間が5時台と6時台に一回ずつあり、もともとは6時台のほうで食べようと考えていました。が、日の出が6時15分予定となっていたので急遽予定を変更して5時台のほうで朝食を済ませることにし、ちゃんMを起こして準備開始です。
既に長蛇の列だった食堂に驚きながら列に参加し、あまり待つことなく食堂内へ。朝食もご飯おかわり自由だったと記憶していますが、むしろ早く外に出て御来光を拝めるいい場所をとりたかったので即行で済ませてすぐに外に飛び出します。片手には、暖かいチャイティーを入れたテルモス。以前の同僚Tのどこぞの国からのお土産です。ありがとう、T。
※※※
時刻は5時45分。みんなが集まっているのは山荘脇のヘリポートです。かなりの人の数でしたが槍ヶ岳が真正面の場所を確保できました。I氏はというと、御来光撮影のため日が昇る側を押さえています。御来光あるあるでなかなか昇ってこない太陽さんですが、6時10分くらいにようやく地平線が明るく染まり始めました。
目の前には富士山と南アルプス、下には雲海。iPhoneでもこのクオリティの写真が撮れてしまうほどの場所です。5時45分から待つこと40分、6時25分ごろ…
ようやく太陽のお目見えです。上の写真は昔懐かしい金曜ロードショーのオープニングっぽいですが、一緒に行った二人はおそらく知らない。というよりあのオープニングは雲海ではなく海だったような…。
そんなことはさておき、大天井岳や槍ヶ岳、燕岳もほのかに赤く染まっていました。
ほのかなモルゲンロート。御来光直後のこの時間帯の明るさは実に独特です。よくよく写真を比較してみると、前日と比べて立山の雪が増えていることに気づきました。
前日に比べて明らかに白さが増しています。真っ白になった立山も見てみたい気がしますが…いつか真冬の燕岳に来ることがあるのだろうか。日が昇った後は山小屋周りをうろうろして朝焼けの時間帯を満喫しました。
朝山ヨガ女子ちゃんMと完全防備のカメラマン。
このおにぎりポーズは日々野鮎美…ではなくI氏です。おにぎりポーズがだんだん洗練されてきました。このブログのエントリーを書きながら『山と食欲と私』を流し読みしていたところ、7巻収録の79話「決断のコンビーフポテト」で瀧さんが登っている山もテント場や山の形状から察するに燕岳だと気づきました。漫画の中の山座同定までするとはよほど物好きだと自分でも思いますが、良い話なんですよねこの回。「その答えをくれたのは 山でした」。う~ん、山に行きたくなってきたぞ!
あらためてチャイティーをありがとう、T!このテルモスにチャイティーが入っています。渡した本人はまさかこんな状況で飲むとは思っていなかったでしょうが、おかげで寒い朝に身体が芯から温まりました。
御来光を思いっきり堪能した後、まずは寝床に戻ります。御来光を待ったり山小屋周りではしゃいだりで朝から疲労困憊。まずは休憩が必要でした。30、40分くらい休憩したらパッキングです。あれがない、これがないと騒ぎながらなんとか荷物をまとめ、出発…の前にまずは甘いもの。
燕山荘はデザートが美味しいことでも有名?らしく、チーズケーキなどいただきました。下山前の活力になります。そしてついに下山開始。一泊二日お世話になった燕山荘ともついにお別れです。
さようなら燕山荘、また会う日まで。
突き抜けるような紺碧の空!この日も大快晴、前日以上にまったく雲がありません。ちなみにこの時点での外気温は-2.7度。空が澄み渡っているときは得てしてめちゃくちゃ寒いです。
※※※
さて、下山開始。合戦沢ノ頭まではすごい景気を眺めながら下っていきます。
この日は右膝を考慮してストックを一本持ってきていました。写真映えする場所にきたので、ストックを使ってそれらしい写真を各々撮ることに。いやストックの使い方間違ってるぞ。
合戦小屋まで下り、そこから先は樹林帯の中を進みます。道中、足元に突き出ている微妙な長さの木の根に何度かつまずきそうになる(つまずいた?)ちゃんM。あまりに足に引っかかるので途中から無言で慎重に歩いていました。その頃、俺の右膝も限界を迎え始める。ストックがあったおかげである程度負担は解消できましたが、右膝が全快するまであまり無茶はできなさそうです。
だいぶ降りてきてから撮影。雲海の下に入ったのか途中でガスりましたが、下まで来ると再び晴れるという不思議な天気。ガスが晴れた後の下のほうはかなり気持ちの良い気候でした。
※※※
そして下山!正確な時刻は記録していませんが、中房温泉の登山口に10時台には戻ってきていたと思います。ここから先は車道を駐車場まで戻りますが、舗装された道は膝に悪い!振動が右膝に響きます。
車に戻ったら荷解きして温泉へ。前回は下山してすぐに中房温泉に入りましたが、今回は駐車場からすぐ近くの有明荘に向かいました。有明荘は燕山荘と同じグループが運営しており、目ざとく燕山荘でクーポン券を入手していたのです。
この辺はちょうど紅葉しており実にきれいでした。
この駐車場では猿に遭遇したのが強烈なインパクトとして残っています。まったく油断も隙もありません。
有明荘の広い館内には思ったほど人がおらず、特に女子風呂はほぼ貸切だったそうな。男子風呂はというとそこまで混んではいませんでしたが、話好きなおっちゃんにI氏が捕まりそしてI氏が俺にパスを投げてくるので結果俺が捕まる。話し込みすぎてのぼせそうになりました。
温泉から上がったら、有明荘を出る前に3人で食の作戦会議です。色々と調べた結果、この日はちょうど戻る道の途中にある『手打ち蕎麦 くるまや』へ向かうことにしました。
手打ち蕎麦 くるまや(食べログ)
https://tabelog.com/nagano/A2005/A200501/20007662/
有明荘を出発してくるまやへ向かう道中、スマホの画面を見ていたI氏が酔い始める。山ではあんなに強いI氏の思わぬ弱点です。この林道(?)もまた実に紅葉が見事で、ちゃんMが写真を撮りたいと申し出たので停めやすい場所を見つけて停車。他にも何組か車を停めて写真を撮っている人たちがいるなど、とにかく紅葉どんぴしゃでした。
満足したちゃんMを車に乗せ、改めて出発。車酔いのI氏は心配でしたが蕎麦屋はすぐ近くです。
到着したくるまやは満席でしたが、あまり待たずに順番が回ってきました。かなりの人気店のようです。量がすごい『気狂いざる』が有名だそうですが食べ切れる自信が誰にもなかったので、全員気狂いざるは回避です。
蕎麦を堪能し、どうやらI氏も車酔いから復活したらしい。いつの間にやら店に長蛇の列ができていたので、席を空けるべく食後はすぐに撤収です。店の外まで並ぶほどの行列だったので、入ったタイミングはかなり良かったようです。
食後はまずはガソリンを補給し、次にコンビニを探し目を覚ますべくメガシャキを買って飲んだら安曇野ICから高速に乗ります。時刻は13時半。週末だったからか高速は結構混んでおり、ナビは中央道ではなく上信越・関越経由を指していました。素直に従い、そのまま埼玉まで前進。まずはちゃんMを某駅で降ろします。ちゃんM今回もお疲れ様!!おかげさまで実に楽しい珍道中となりました。また近々山に行きましょう。
※※※
ちゃんMを降ろしたあとはI氏を実家まで送ります。が、I氏は荷物のみ実家に降ろし、車に再搭乗。山旅は終わりましたが、この日の予定はまだ終わっていません。
近所のスーパーに到着したのが18時半。まだ予定まで時間があったので、お酒を買ってうちで一杯飲むことにしました。この日の朝録画したゼロワンを見ながら飲んでいたらいつの間にか家を出る時間になっていたので急いで出発です。
この日は、前職の仲間たちと御茶ノ水で焼肉+カラオケオールというそもそもの前提からして過酷な予定を入れていました。I氏は焼肉にのみ参戦予定です。仲間のうちの一人、以前那須岳登山時にも登場した『先生』が11月末(結果的には12月末になりましたが)で脱出ゲームを完了させる予定だったのでその前祝いと、同じく先生が11月に誕生日を迎えるのでそのお祝いを兼ねての宴会です。
家を出てから少しして、I氏が「先生に地図をプレゼントしたい」と突然言い出す。地図が売っている可能性にかけて駅構内の本屋に立ち寄ってみると見事に目当ての地図が売っている!簡単なメッセージを添えて、I氏からのプレゼントゲットです。これで集合時間には間に合わなくなりましたが、どうやら行こうとしていた店が満席というトラブルが発生していたようなのでタイミングよく合流できそうでした。
既に集合していた残りのメンバーが別の焼肉屋に入ったという情報が届いたのでそこに向かい、サプライズゲストのI氏と共に合流。焼肉会の開始です。
22時から飲み放題付のカラオケに行く予定だったので、飲みはそこそこにとにかく肉を食べる。同じ日の朝に星空を堪能していたと思えば、夜には焼肉を堪能している。実に密度の濃い一日です。焼肉後はI氏のみ帰途に就きます。I氏お疲れ様!今回もすばらしい写真をたくさんありがとう!次の山は先生と行く高尾山~陣馬山ですかね。毎度楽しい山旅になり感謝しています。
I氏が駅に向かう一方、残りのメンバーはカラオケ店に吸い込まれ…
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旅の終わり:11月11日(月)
朝までのカラオケが終わり、そこで解散…しない。そのまま水道橋に移動し、ラクーアで朝から温泉に入る予定でいました。6時までに入ると深夜割増料金が加算されてしまうので、微妙に余った時間を東京ドーム近くのファミレスでお茶しながら時間をつぶす。
- 登山
- 温泉
- 蕎麦
- 焼肉
- カラオケ
- ファミレス イマココ
ノリが大学生と変わらない気がしますが、とっくに30歳超えてます。6時になりラクーアに入館。気絶するように温泉に浸かりました。ラクーアは9時まで開いているので、温泉後は休憩スペースで1時間ほどの睡眠、というより仮眠。この29時間でとった睡眠はこの1時間のみです。集合場所での俺はこの状態でした。
そのまま解散し、家に帰り着いたのは10時20分。朝食なのか昼食なのか、お腹が空いていたので食事を摂ろうとしましたが限界がきてベッドで気絶したように眠る。気がついたら午後5時でした。
充電の旅第三弾は山、星空、御来光、温泉、蕎麦、焼肉、カラオケ、と盛りだくさんの内容。充電されているのかエネルギーを大量消費しているのか分かりませんが、とにかく密度の濃い3泊4日(2泊4日説も)となりました。
そして同じ週の週末、充電の旅第四弾となる謎解きと筑波山の旅へと続いていきます。
※以下、週末までの備忘録※
11月12日(火)…疲れていたので回復に充て、夜はターミネーター新作を見に行く。ターミネーター好きな人と語りたい。
11月13日(水)…ちゃんMと早朝ボルダリング第一弾。右肘をやや痛める。同日、昔トロントで仲良かったSさん(男性、巨漢)と11月17日に山登りに行く計画を始動。
11月14日(木)…午後に役所的な用事。諸事情でスマホやPCの画面を録画する方法を徹底的に調べる。
11月15日(金)…秋パン。
そして謎解きと筑波山へ───
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