岩と食欲と私達 DAY 7 & 8: 九重連山編

私も残しておこう
胸ときめいたこの瞬間を
私はここにいたんだよって

この台詞は愛読している漫画『山と食欲と私』の113話の台詞を引用したものです。写真を撮ることやこうしてブログに書き綴っているのは、ある日ある場所に自分は確かにいたんだということを記録として残すことがひとつの目的だと思っています。写真を見ることやブログを読むことで、胸ときめいたその瞬間を思い出し、共に過ごした仲間と思い出を共有することができ、もしかしたら見ず知らずの人にも小さな影響を与えているかもしれない。自分はここにいたんだよと、これからもブログに綴っていきたいと思う。

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この旅が始まる直前の4月26日(金)に公開された『山と食欲と私』111話がまさかのくじゅう編。旅の直前にこれを読んだ俺とI氏は、この旅で九重連山に登ることをひとつの目標としていたのでした。大好きな漫画がちょうど描いている山に入る。二次元と三次元を融合させた楽しみ方の一つかもしれません。日々野鮎美に会えると信じて山に入ったなんてことはもちろんありません。

さて、そんな理由もありすごく楽しみにしていた九重連山。この旅最後のイベントということで旅のクライマックスでもあります。もはや書く必要すらないかもしれませんが、この日ももちろん道の駅で目覚めるところから始まります。

旅七日目、5月4日(土)

道の駅から牧ノ戸峠までは車で30分程度あります。この旅ではどの登山口も毎回混んでいたので、早めに着くべく5時台に起きてすぐに出発したと記憶しています。6時か6時前に到着した牧ノ戸峠は既にほとんど満車でなんとか一台空いているような状況。本当にゴールデンウィーク恐るべしです。支度をして、登山口に立ったのは6時20分でした。他にも出発する人がたくさんいました。

二度目の牧ノ戸峠。
牧ノ戸峠登山口。6:19撮影。

一度来たことがあるので気が楽です。まずは舗装された道や階段を登り展望スポットに出ます。

二度目の撮影スポット。

ここまでの所要時間わずか6分。たぶんかなり速いです。そしてみんな眠そう。ここにいる方々は妙に厚着ですがこの日は朝から結構暑かった記憶があります。九重連山は連山というだけあり山が連なっており、一日でいくつものピークを踏むプチ縦走が楽しめます。まず向かう山は『星生山(ほっしょうざん)』です。

左に見えますのは

左側に見えているのが星生山。この道の先に巻き道と星生山に登るルートの分岐があります。星生山に登る道中、親子連れなのかなんなのか男の子の発する

やっほー!

が非常にやかましい。何回叫べば気が済むのかというくらい叫び倒しており「親何とかしろ!」とこっちが叫びたくなりました。そんなこともあったせいか最後の登山をゆっくり楽しもうみたいな雰囲気とはならず、いつもどおりのハイスピードとなりジャスト1時間で星生山の山頂に到着。たぶん、いや間違いなくペース速いです。

星生山にて

日々野鮎美の山頂での定番おにぎりポーズですが、漫画によると残念ながら日々野鮎美は星生山に来なかったようです。

山日和!

星生山からの眺め。旅最後の山の日は最高の山日和となりました。

巻き道と

左右に走っている道が巻き道で、右のほうで分岐しているのが星生山への登り口です。右遠方には阿蘇山も見えています。

ゴジラの背びれ

ゴジラの背びれのような道を伝って少し先に進むと、久住山がその姿を現します。

右に見えますのは

右手にそびえるのが久住山。下方の小屋は『久住分れ』の非難小屋です。思ったよりも人が少ない印象です。ここから一気に下り、特に休憩もせずにそのまま久住山に突っ込みます。山頂が混みだす前に早くたどり着きたいという心理です。8時過ぎに久住山の山頂に立ちました。山と食欲と私で描かれている山に始めて同時期に登りました!

満面の笑み

満面の笑みです。ここには間違いなく同時期に日々野鮎美が立っている!

MINAMIASO

奥に見えるのは阿蘇山、TシャツはMINAMIASO(南阿蘇)です。

久住山、2019

二度目の久住山。3年前に同じ場所に立った写真はこちらです↓

11月半ばだったので空気が澄んでおりより阿蘇山がくっきり見えます。この男は3年間で進歩したのだろうか。

久住山で写真を撮ってくださった女性の方におにぎりポーズを「ハートのポーズ」と言われましたが、山頂で男がハートのマーク作って写真撮るのは怪しすぎます。プチ縦走している間に同じ女性の方にもう一度ばったり会ったりもしました。

久住山から下り次に向かうのは稲星山です。とは言え稲星山はこの日の経路上にあるわけではないので行くのは必須ではありません。稲星山への分岐に至った時点で大いに悩んだI氏でしたが、せっかくなので行こうということになりました。そんな稲星山の山頂は風が吹き荒れ長居できない状況。写真を撮ってすぐに撤退しました。

暴風!
左奥に見えるのが久住山。マジで風で吹っ飛ばされそうでした。

稲星山から下りて向かうのはこの日の最終目的地・中岳です。九重連山に来てどの山を登ったことをもって『九重連山を登った』とするかは微妙なところで、久住山という人も多いかと思いますが(日々野鮎美も久住山を百名山としていた)、九重連山の最高峰は『中岳』です。中岳は九州本土最高峰ということもあり、個人的には中岳のピークに立つことをもって九重連山に登ったとするという見解で、おそらくI氏も同じ見解で中岳に向かいます。

中岳へ、俺

まずは稲星山を下ります。目の前にそびえる山が中岳です。

目の前には中岳

下りきったらあとは登るのみです。岩に「坊がつる→」と書かれていましたがこの分岐から坊ガツル方面は3年前から通行禁止でした。これくらいの登りはなんのその!あっという間に山頂到着です。

山頂!中岳
時刻は8:56。

2016年に登ったときの写真と見比べてみたところ、山頂の標柱が新しくなっている…!?英文とか増えたのに加えてMが小文字のmに変わっているようです。


前回の写真。標柱が変わっている気がします。

そんな中岳からは360度の展望でした。

遠方には由布岳

遥か遠くには由布岳、手前の平地は日々野鮎美も泊まった坊ガツルテント場です。

坊ガツル

ズームして撮影。結構な数のテントが張ってありました。あの中に日々野鮎美が…?

阿蘇山と久住山

右の山が久住山、左遠方は阿蘇山です。

阿蘇山、ズームイン

阿蘇山はかなりくっきりと見えていました。噴煙も見えます。

目標の中岳に登ったのであとは牧ノ戸峠に戻るのみです。経路上にはもうひとつのピーク、天狗ヶ城があり若干のアップダウンがあります。

天狗ヶ城へ
まっすぐ進み右のピークが天狗ヶ城。

この日最後のピーク
天狗ヶ城到着、時刻は9:13。

霧島はあまり若い人がおらず、開聞岳はむしろ子供が多かった印象でしたが、九重連山は20~30代の人も多かった印象です。天狗ヶ城で何故か自撮りしていたキャップかぶった若い女の子二人組みが印象に残っています…が、話しかけるなんてもってのほか。すぐに下山開始です。ルート上の久住分れ非難小屋周りは遠方からも分かるくらい人が増えていました。

ミニチュア?
いろんな人がいろんな方向に向いて歩いています。

そんな久住分れ非難小屋に着いた時点でお昼ご飯です。非難小屋にトイレがあるせいなのか、はたまた時間帯的な問題だったのか虫が結構多く鬱陶しかったので、あまり長居せずに離脱です。星生山にはもちろん登らず巻き道で通過し、あとは来た道をガシガシ進んでいきます。道中I氏から「分岐を間違えたのでは…!?」という疑問が伝えられ一瞬冷や汗でしたがGPSにて間違っていないことを確認。さらに進み、11時少し前に登山口に帰還。これでついに旅最後の山行も終了しました。

帰還!
お疲れ様でした。

駐車場はとんでもない車の数で、路上駐車上等の車もかなりたくさんいました。警察の車両が巡回していましたが、あれで路駐アウトならとんでもない台数が摘発されてます。そんな光景を横目で見ながら、まずはエネルギー補給です。甘酸っぱいものを欲していたので買ったのは『のむヨーグルト』と熊本名物『いきなり団子』です。

団子と飲むヨーグルト
袋に入っているのがいきなり団子。

いきなり団子はサツマイモとあんこを団子生地で蒸しあげたお菓子。これはあとから得た知識で、何も知らずに食べたこのときはサツマイモが出てきて驚きました。サツマイモの甘さとあんこの甘さが相まって美味しいじゃないですか!

外はかなり暑く、まるで夏のような陽気で日差しもハンパない。立っているだけで汗だくになるので荷解きしたらすぐに温泉に向けて出発です。このエリアで温泉といえば黒川温泉で間違いありません。混んでいることが懸念でしたがとりあえず無料駐車場はまだ空きスペースがありました。温泉街から少し離れた駐車場だったので巡回バスに乗る必要がありましたがほとんど待たずに登場。相変わらず駐車場運があります。

今回まず向かったのは『新明館』。2012年に訪れた際に入ったことのある温泉で、2016年に訪れた際は写真だけ撮って中には入りませんでした。2012年に共に旅した友人は故あって疎遠になってしまいましたが、まあきっと元気にやっていることと思います。新明館は露天風呂の岩戸風呂と洞窟風呂で有名な温泉で、特に洞窟風呂がすごい!なんでもここの主人が自ら掘ったのだとか…とんでもない主人です。2016年と2019年では橋が塗り替えられているようです。2012年に来たときは黒かったので、元に戻ったような印象です。


2016

2019

新明館、2019

新明館はすごく良かったのですが、我々が甘かったのはシャンプー・石鹸禁止という事実を見逃していたこと。登山後にこれは厳しく、頭を洗える温泉にはしごすることにしました。向かったのは徒歩圏内で雰囲気もよさそうな『湯本荘』。湯船が少し狭いなと感じましたが、ちょうど3人組の客があがり誰もいなくなったので貸しきりとなり狭さは気になりませんでした。目の前が川でボーっと眺めながら延々と入っていられる温泉です。

湯本荘、入口

とはいえそんなずっと入っているわけにもいきません。十分に登山の疲れが癒えたら風呂からあがって長旅の準備です。そう、大分から関東という超長距離運転が待ち受けている上に、行きは四人だったドライバーが二人に半減しているのです。上の写真を撮ったのが13:17。何故か警察が来ていたバス停ですぐに来たシャトルバスに乗り駐車場に戻ったのが13:25くらい。そこからすぐに出発…ではなく、まずはテントを乾かします。ずっと乾かすタイミングを待っていたテントでしたが、スペースもあり日が燦々と照っているこの駐車場がまさしく乾燥させる最後にして最高のタイミングでした。本来テントは陰干しが基本だと知ってはいるものの、時短とスペース的な問題ゆえご容赦くださいませOさん…。

怪しいでかい布
周りの人に怪しまれたことは間違いありません。

テントがある程度乾いたらついにナビを関東にセット。超長距離移動の開始です。セットした直後の内容は

距離1,000km以上
時間15時間以上

とんでもない内容です。国外旅行ですか。目的地を関東にセットしてはいたものの、関東を目標にすると気が遠くなるのでまずは広島、岡山あたりを目標に出発しようという考えでいました。渋滞に巻き込まれるのか、それともスムーズに行くのか。まったく予想できませんでしたが、とにかく千里の道も一歩から。黒川温泉から出発します。

ここからの行程は正直長すぎてあまり記憶にありません。黒川温泉から少し下道を走り、九重のICで高速に乗ります。レシートを見返すとどうやら一回目の休憩を福岡県に入ったあとの今川PAでとったようで、この時点で時刻は15:45くらいだったようです。ここから先はあまり給油できるPAがないので、給油してすぐに出発。もはやどこを誰が運転したかはまったく覚えていませんがこの辺は自分が運転した記憶があります。関門橋を抜けるまでが大渋滞していた記憶があり高速を降りるか悩みましたが、そのまま突っ込みなんとか突破。その後トイレ休憩やドライバー交代を繰り返し、次に大休憩をとったのはレシートの記録では広島に入ったあとの山陽道八幡PA。時刻は21時半。当初目標にしていた広島に到着し、夕食やら寝床やら検討しましたが「とりあえず突っ込めるところまで突っ込もう」という話になりエネルギーをチャージしたらドライブ続行です。

ここから頑張って進み、給油する必要があったので寄ったのは龍野西SA。岡山を越えて兵庫県入りしています。これは神戸を目指せるのでは…?という話になり、最後にI氏にバトンタッチして到着したのは神戸市の淡河PA。高速を降りてどこかの道の駅に入る話も出ましたがそんな体力はもはやなく、500円のミニネギトロ丼を食べたらシートを倒して真の意味での車中泊です。深夜1時近いかもしくは1時を過ぎていた記憶がありますが、人が結構いた記憶もあります。というより、どのSA、PAも何時に到着しても人がたくさんいました。10連休ゴールデンウィーク恐るべしです。そしてついに旅の最終日に突入します。

旅最終日、5月5日(日)

5時台起床、レシートの記録では6時にPAのセブンイレブンでエネルギーを補給しています。このあとの記憶もまた断片的にしかありませんが、仲間に送ったテキストによると9:50に浜松のSAにいたようです。ここから出発し、10:30の時点でついに東京まで170kmの看板が見えてほっとしたというテキストを送っているこの日の俺。170kmでほっとするくらいだから壮絶です。そしてこの辺のトンネルで5、6台くらいの玉突き事故が発生しており青ざめた記憶があります。

隠れ富士山
10:46撮影、新清水出口直前。目の前には富士山です。

行きもそうでしたが静岡が長い!そしてこの辺に来て秦野あたりで3時間の渋滞というニュースが。降りるかどうか悩みながら突っ込んでみると意外とたいした渋滞ではなく、そのまま高速に乗り続けました。そしてついに東京到着、一度もETCが途切れることなく九重から東京まで戻ってきたこの帰り。ゲートで表示された金額は

16,520円。

今後たたきだせる自信のない(たたき出さなくてもいい)とんでもない数字です。ETCがいったん途切れたとはいえそのまま首都高を乗り続け、埼玉県某所で高速を降り給油。時刻は13:30です。そのままI氏を実家に届け、お母様にご挨拶をしI氏とも解散。ついに一人旅になってしまいました。最後まで気を緩めることなく運転し、15時過ぎにOさん宅到着。車を無傷でお戻しし旅はついに終了です。

運転のみの旅前夜と最終日も合わせると合計9日間という、社会生活を維持しながらとしては2019年GWだからこそできる超長旅となりました。クライミングに、美食に、社寺仏閣に、登山に───。毎日がとても密度が濃く忘れられない旅です。

これからも残していこう
胸ときめいたあの瞬間
俺はたしかにあの場所にいたんだよって

岩と食欲と私達 完

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