岩木山下山後の物語。
嶽温泉でのんびりした後、車で30分くらいのところにある弘前城へ。ここは桜の名所として有名だそうで、桜が咲き乱れている時期にはものすごい人が来ているそうです。今回行ったのは9月初旬と桜も紅葉もない時期なので花的には残念な感じですが、人があまりおらず静かに観光できました。
車は最寄りの弘前市観光館に停めるのがよい、という情報があったので、観光館の地下駐車場に車を停めまずは観光館を見学。二階の「津軽漆」見学コーナーはかなり興味深かったです。漆というと今年に入ってから読んだ新田次郎の「銀嶺の人」を思い出します。津軽漆は日本最北端の漆器産地である弘前を中心とする津軽地方の伝統的漆器ということで、その始まりは17世紀頃初めまでさかのぼるそうです。唐塗、ななこ塗、錦塗、紋紗塗、の4技法が特にその特色を表しているという事で、このコーナーには様々な漆器が展示されていました。
観光館の一階にはねぶた(弘前なので「ねぷた」と書くほうが正確か)も展示してあり、直接見たのはおそらく幼少期以来。すごい!と、感動しましたが、翌日青森市「ワ・ラッセ」、翌々日五所川原市「立佞武多の館」で見ることになる青森ねぶた、立佞武多の勇壮さはこの観光館で見たねぶたの印象をかき消すくらい凄まじいものでした。
観光館に飾られていたねぶた。弘前なので「ねぷた」と書いたほうが正確だろうか。
観光館を堪能したあとは弘前城へ。観光館を出てすぐのところに「追手門」という入り口があり、ここもまた重要文化財に指定されているのでした。
ここの真横を自動車がバンバン走っているのですが、こう撮るとものすごい静かな場所に見えます。
門をくぐって少し歩くと、もともと「城があった場所」に着きます。と言うのも、この弘前城。天守真下から石垣の一部を修理することになったということで、天守閣を丸ごと石垣から移動(曳屋工事)したそうなんです。詳しくはこちらに書かれており、公園内でもいたるところに説明書きがありましたが、石垣と城が離れた場所にある光景は実にシュールでした。
本当はこの写真の手前の石垣の上に載っているわけですが・・・現在は移動され奥のほうにちょこんと見えています。実際の光景は写真よりもかなりシュール。
こうして見るとミニチュアの城を目の前にしているみたいでした。本来ここから岩木山がくっきり見えるはずだったのですが、この日は残念ながら岩木山の殆どが雲に覆われておりその姿を拝むことが出来ませんでした。登った感想としては、(ガスっていたというのもありますが)富士山と同じく岩木山も登ることより「岩木山を含めた風景」を見た方が観光としては良いように感じます。
このあとは観光館に戻り、周辺にある西洋風な旧弘前市立図書館や山車展示館を見学したりしました。
城を見た後だったからか、西洋っぽさが際立っていた旧市立図書館。
山車展示館に飾られていた大太鼓、直径は俺の背丈(180cm弱)くらいあります。
山車といえば敦賀祭りで見たばかり。社寺、城、太鼓、山車、などなど、自分は和風なものが好きなんだなと今回の旅を通じて実感しています。小学校高学年~高校卒業まで海外で過ごした自分は日本史というものを学校で勉強したことが一度もなく、司馬遼太郎や吉川英治の小説や他の本で学んだ知識しかありません。今更感もありますが、日本史を徹底的に勉強したいとここ最近毎日思っています。
この後、例の如くスーパーで食材を買い出し、道の駅・いなかだてへ。この道の駅には前々から見たかったものがあり、それは翌朝叶えられることになります。
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