山梨放浪記其の二: 瑞垣山を登って思うことは。

旅の前半が終了し、次の目的地は奈良の八経ヶ岳。八経ヶ岳を登るだけなら日帰りで済みますが、今回は世界遺産にも登録されている大峯奥駈道という修験道を踏破しようと考えており、まだ具体的なプランは練っていませんが5~6日間はかかるだろうと考えており、それにはなるべく晴れが続きそうなところを狙いたい。最近は毎日八経ヶ岳周辺の天気予報を睨んでいますが、10/10からの数日間は晴れが続きそうで、行くならそこで行ってしまうのが良さそう。奈良へは車を名古屋の祖父宅において電車で行く予定で、前回のブログに書いたように向かう先は名古屋。10/10まではこの時点(10/5)でまだ数日あり、名古屋までの道中には百名山がいくつもあるので登りながら行くことにしました。

そんな数日間の百名山巡り第一弾は瑞牆山/金峰山。甲武信ヶ岳/三宝山に登った翌日の10/5は5時過ぎに起きてまずは天気を確認。車中泊したビジターセンターの上空には雲が出ており微妙な感じでしたが、とりあえず瑞牆山荘に向かうことにしました。6時前に瑞牆山荘に着き、道中だんだん雲が晴れて来て太陽が覗き始める。これなら少なくとも瑞牆山までなら登れる、ということでまずは瑞牆山を目指すことにしました。

太陽が出てはいるものの、風が比較的強く、この日はどうも気分が乗らない。山をやる知人から「明日(この日)は急激に天候が変化するみたいなので気を付けて」という連絡も来ており、普段なら強気で前に進む俺もこの日は虫の知らせというか経験則というか、「早く登頂して下山した方がいい」と直感的に思っていたのでした。枯葉舞い散る秋の山に、いつもは感じない物哀しさすら感じていました。瑞牆山といえばクライミングで以前来ており、登山道にも登高意欲が湧く岩場がゴロゴロありました。山荘から山頂まではあっという間で、2時間もかからないうちに登頂しました。


終了点もあるこの岩場はなんという岩場だろうか?


山頂にて。

そんな山頂からの景色は、やや曇ってはおり風がけっこう強かったのですが、南アルプスや中央アルプスの山々が見える素晴らしい眺めでした。最近毎度利用させてもらっているこちらのサイトで下山後に見えていた山々を確認しました。


手前に金峰山、奥に富士山。


南アルプスの聖岳、赤石岳、悪沢岳、塩見岳、間ノ岳、観音岳、北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、
さらに中央アルプスの空木岳、木曽駒ケ岳、が見えているそう。写真下部に見える岩は上の写真で終了点があった岩。


手前に八ヶ岳連峰、奥に翌日登ることになる蓼科山。

少し滞在してから、下山。下山しながら、ふと、通過した富士見平小屋で過去にあった凄惨な事件を思い出したのでした。こんな事件、下界で起きてはいけないことはもちろんのこと、山の中では殊更に起きてはいけない。事件のあらましは何度読んでも胸くそ悪くなる内容で、色んなサイトに書かれておりますがこちらでもまとめられています:
http://matome.naver.jp/m/odai/2140332489887638401


件の富士見平小屋。

数多くの犯罪の中で、どの犯罪が一番許せないか?と聞かれてパッと思い浮かぶのは性犯罪。昔住んでいた都市の働いていた場所の真横でも事件が起きたことがあり、事件から数年を経て被害にあった女性と関わり合いになったことがあります。働いていた場所の真横だったにも関わらず事件当時その場におらず何もできなかったということは、本当に悔やんでも悔やみきれず、やりきれない思いが残りました。

瑞牆山の前日に登った甲武信ヶ岳で、一緒に下山した男性が「山では本当に良い人にしか出会わない」と言っていました。が、俺はそうではないと思う。山の中でも醜い本性を現す人間というのは必ずいます。山ガールと騒がれて久しいですが、特に単独で山に入る女性には天候や熊と同じくらい、周囲の”人間”にも警戒して山を楽しんでもらいたい。

そんなことを思いながらの下山だった上に雲が分厚く、冴えない気分で駐車場まで戻りました。金峰山に登らなかったので駐車場に辿り着いた時点でまだ9時台。翌日巡る予定だった蓼科山・霧ヶ峰・美ヶ原方面に移動するだけというのにはあまりにも早い時間で、さらに天気がまだギリギリ持ちそうだったので、やや強行軍ですがこのまま移動して美ヶ原に登り、その後可能であれば霧ヶ峰まで登ることにしました。

10/5後編に続く→

このときのログ。往復分なので赤線が濃くなっています。今回のブログで触れた富士見平小屋も地図に載っています。

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