眺望絶佳の燕岳(前編)

充電の旅第一弾の早池峰山、第二弾の新潟の山々に引き続き、第三弾は燕岳です。燕岳は常念岳を経由して上高地まで繋がっており、以前一度中房温泉から上高地までの縦走を試みたことがあります。そのときは途中の大天井岳でテント泊中に天候が悪化し、二日目に大天井岳までの道を引き返し中房温泉に下山することとなりました。大天荘でのテント泊中、テントがぷかぷか浮いたのはいい思い出(?)です。このとき一人で山歩きをしたのがあまりにも楽しく、以降単独行にひた走ることになり、結果的に全国の山を車中泊で巡る旅に結びつくことになります。燕岳は、自分にとってはそんな記念碑的な山でもあります。

そんな燕岳に登る今回のメンバーは、共に山に入るのも三回目となるI氏、ちゃんM、俺の三人。夏頃から燕岳の名前は出ていたものの天気などさまざまな理由(俺が南アルプスに行きたい、など)で行けておらず、今回ようやく実現しました。

チーム紹介

筆者「俺」。4年ぶり二度目の燕岳。まさかこんなメンバーで再訪することになるとは、未来は予想できません。
山仲間「I」。燕岳では一眼レフの本領を発揮させることとなります。スマホやコンデジとは次元の異なる撮影能力に驚愕。
スーパー女子大生「ちゃんM」。もともとスキーをやっていたおかげか、秋~初冬にかけての山装備はほぼ追加なしで問題ないちゃんMです。

さっそく燕岳登山を振り返ってみたいと思います。

登山前日:11月8日(金)

荷物が多くなりそうだったので、登山の準備段階としてまずは車の中を整理しました。必要最低限のものまで減らし、自分の登山装備もある程度まとめて準備万端です。この日の合流はやや変則的。まずはちゃんMと埼玉の某イオンモールで合流しお酒やつまみなど山に担ぎ上げる食材を買い込み、その後I氏宅でI氏をピックアップ。そのまま高速に乗り長野方面へ向かいます。

イオンモールへの道は少し混んでおり待ち合わせの19時に少し遅れそうでしたが、なんとか間に合いました。到着後まずはすぐにトイレに駆け込み、その後店内でちゃんMと合流。酒のつまみに買ったチータラがそのまま行動食になるのでは、とか店内で騒ぎながらI氏の分も含め食材を入手しました。ついでにモール内で夕食を済ませ、I氏宅へと出発です。予定通りI氏と21時に合流。すぐに高速に乗り長野方面へ前進します。

途中、談合坂あたりで休憩したと記憶しており、その際登山用の靴を履いているちゃんMを見て「どこか山に登りに行くんですか?」とご婦人が話しかけてくる。燕岳です、と答えると「三大急登ですね!」とすぐに返すご婦人。今回登った燕岳にある「合戦尾根」は”北アルプス三大急登”のひとつとして知られています。が、個人的には全然きつい坂ではなく、同じ北アルプスならもっときつい登りがたくさんあるような気がするのですが…。

到着予定時刻から逆算して安曇野ICを降りる時刻を計算すると、日をまたがないうちに高速を降りてしまう。この日は金曜日。高速を降りる時刻が0時をまわっていれば土曜日に入るので、高速料金に休日割引の3割引きが適用されます。3割はでかい!この時点で高速を降りる予想時刻は23時40分ごろだったと記憶しており、30、40分程度時間をつぶしてから出発することにしました。

休憩後、出発。ちょうど0時過ぎに安曇野ICを降りることに成功しました。この日向かったのは、「かじかの里公園キャンプ場」というキャンプ場。燕岳の登山口のある中房温泉へのアクセスがよく、なおかつ安曇野ICから降りてさほど遠くないという好立地。利用者の声も好評だったので試しに利用してみることにしていたのでした。

キャンプ場に向かう道中、窓が白くなり始める。ドアに触れてみるとひんやりと冷たい。嫌な予感です。キャンプ場には高速を降りてから15分程度で到着。車外に出てみると

鬼寒い。

めちゃくちゃ寒い。一グループだけキャンプしている人たちがいた気がしますが、よくあんな鬼寒い中でキャンプなんてできます。テントを張る手がかじかんでいる。唯一の救いは、満天の星空だったことでした。テントを張り終え寝袋にもぐったころ、隣のテントではI氏が翌日のため星空撮影の練習をしている。燕岳で星空撮影が成功したのはここでの練習が功を奏したのかもしれません。

登山初日:11月9日(土)

正確な時間は覚えていませんが、朝は6時台に起床したように思います。寝袋のおかげで寒くありませんが、外は相変わらずめちゃくちゃ寒い。しかも霧?雲?ガス?が辺り一帯を覆っている。朝からテンションがた落ちです。かじかむ手でテントを撤収し、出発の準備。7時前後に出発したように思います。

向かうのは燕岳の登山口がある中房温泉、の手前の駐車場です。距離は20km弱、40分程度で到着です。心配していた霧は道中徐々に晴れていき、いつの間にか大快晴。道路沿いの紅葉もきれいで、さらに木の隙間から大天井か常念あたりの冠雪した大きな山もちらちら見えている。期待できます。

すでに7時台でしたが前後に車がおらず、この日は人があまりいないのではないかと予想したのですが…65台停められる第一駐車場、45台停められる第二駐車場はともに満車。車で右往左往していると後ろからもどんどん車が来ている。予想ははずれ、この週末はかなりの人数が山に入っているようでした。少し戻ったところにある第三駐車場に空きがあったのでようやく駐車。登山の準備を整えます。朝ほど寒くはなく、歩いていると確実に暑くなりそうだったので薄手の上着を着て出発しました。まずは登山口のある中房温泉までの約1kmの距離を歩きます。駐車場を8時ちょうどあたりに出発しました。

そしてようやく登山口に到着。薄手の上着ですら暑いような陽気。朝と夜の寒暖差が激しすぎる。上着を脱いで改めて登山の用意をしつつ、登山届けを提出します。と、ここでちゃんMがヘアゴムを車に忘れてきたことに気づく。登山前半は髪がまとめられず煩わしい思いをしたようですが、この問題は登山後半に解決することになります。

4年ぶりの登山口
4年ぶりの登山口にて。

8時25分くらいにようやく登山開始。この登山道は燕岳に至るまでほとんどが登り坂。最初からわりと急です。山に入って早々、どこからか猿らしき鳴き声が聞こえてくる。と、少し離れた木の上に猿を発見。かなり高い位置にある枝にひょいひょいと飛び移っていました。そのあと少しするとヘリコプターの音がし始める。上を向くと、なにやら荷物を降ろしているヘリが視界に入ります。最初から賑やかな山です。登山開始から1時間弱で第二ベンチに到着。少し休憩します。

オフショ感
オフショ感。髪のまとめられないちゃんM。

そこから30分程度で第三ベンチに到着。大学生っぽい5人組が休憩しており、1名だけ含まれていた女子に対して我々が抱いた感想は「NGOにいそう」。そして残り4名の男子のうち3名は半袖。そう、11月上旬の北アルプスとはいえ風もなく日が差し込むこの登山道は暑かったのです。そのまま樹林帯を進み、左側にちらちらと冠雪した山が見え始めました。そして合戦小屋に到着するとようやく樹林帯を抜け視界が晴れます。ここで小休憩をとり、「北アルプス三大急登」に臨みます。…といっても、正直合戦小屋までの道の方がしんどく、ここから先は景色も良いのであまり疲れを感じさせずにがしがし登っていけます。

富士山や南アルプス

振り返れば富士山。その右に見える南アルプス、左端のとがった山は甲斐駒ヶ岳だったようです。

合戦小屋からのジグザグ道を歩いている道中、足元に赤っぽい自然の色ではない小さな輪っかを発見。車にヘアゴムを忘れて髪がうっとうしいと嘆いていたちゃんMに朗報、それはなんと輪ゴムでした。思わぬところで追加装備ゲットです。

ジグザグ道を突破すると、そこは合戦沢ノ頭。槍ヶ岳が目の前に見える展望スポットです。山小屋や山頂からの眺めのほうが抜群ですが、目の前の槍の穂先を見て俄然テンションが上がりました。

見えてきた槍

景色の良さに加えて、髪を束ねられるようになりテンションが急に上がったちゃんMは「あの場所(合戦沢ノ頭)からすごい元気が出ました」と振り返ります。

さあ出発だ
さあ出発。

オフショ2
合戦沢ノ頭を出発してから少しして撮影。オフショPART2。

近いようで遠いこの日の宿『燕山荘(えんざんそう)』。見えてはいるのになかなかたどり着きません。

あと少し?
近いようで遠い燕山荘。

初雪?
今年初の雪、とかなんとかはしゃぐ二人。

とはいえ騒がしく登っていればまったく長い道のりではなく、合戦沢ノ頭から30分強で山小屋に到着しました。

THE燕山荘
ものすごい立派な建物の燕山荘。

燕岳は燕山荘からも目の前に見えています。

THE燕岳

山頂にはすぐに向かわず、まずはチェックインを済ませます。この日は上段の4人分のスペースを3人で占有することができました。荷物を置き、燕岳への往復をする装備に削って再出発。山頂は結構寒いことが予想されたので、ある程度着込んで出発しました。

中編に続く→

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