50座目の百名山: 空木岳

前回のブログに引き続き、中央アルプス縦走DAY 2です。この日の目標は空木岳に登頂し無事下山すること。前日、計画よりもかなり早く避難小屋に到着したので、この日は3時台に起きて4時台に出発しよう!と意気込んでいたのですが、強風でバタバタ揺れるテントの中、心が騒いでなかなか寝付けず、ようやく寝付けたのは0時をまわってからでした。目覚ましをかけなくても起きれるだろう、とたかをくくっていたのですが、目が覚めたらテントが少し明るい。今何時だ!?と時計を見てみると5時過ぎ・・・完全に寝過ごしました。テントが明るいという事は雲が晴れたのだろうか、と、外に出てみると・・・

夜明け前

眼下には雲海、目の前には燃えるような南アルプスの稜線、頭上には夜とも朝ともいえないような色合いの空。前の晩に感じていた不安は完全に取り越し苦労でした。しばし景色を眺めたあと、朝食にまた棒ラーメンを作り(三食連続)、夜明けを待つことに。そして5時40分、南アルプスの稜線から、具体的には甲斐駒ヶ岳あたりから、日が昇ってきました!

燃える南アルプス

日の出を正面に、左うしろを見ると前日歩いた道、右を向くとこの日の目的地・空木岳が見えており、1枚の写真には納まらなかったので分けて撮影しつつ動画も撮影しました。今までブログには動画をアップしたことはありませんでしたが、今回試しにYouTube経由で動画をアップしてみます。

宝剣岳方面
一番尖っているのが宝剣岳。あの辺から前日歩きました。

避難小屋と空木岳
避難小屋と空木岳。この日の目的地です。

朝焼けを思いっきり堪能したら、パッキングして出発です。この日は長丁場になると分かっており、ゆえに3時台に起きるぞ!と息巻いていたのですが、結果的には5時過ぎに起き出発は6時過ぎ。計画では5時出発予定だったので、早く出発するどころか1時間遅れの出発。朝焼けを堪能できたのは良いのですが焦ります。が、そんな焦る気持ちもこんな稜線が目の前にずばーーーーーん!!と現れたら一瞬で吹っ飛びました。

空木岳への道。

右端に見えているのが熊沢岳、左端が目標の空木岳です。この時点でまだ出発して10分くらい。避難小屋から檜尾岳山頂に戻ってきたあたりで撮った写真です。ここから30分くらい歩いたあたりで、前方に奇異な岩稜地帯が現れました。

熊沢岳へのアプローチ。

え、あんなところ歩くの・・・?なんてことを思いながら写真の中の尖った岩が乱立している箇所に到達すると、そこは「本当に一般登山道か」と疑いたくなるような道。一瞬、道を間違えたのではないかと思いましたが、岩の上に矢印が描かれており、先へ進むように促される。落ちたら間違いなく怪我をするような垂直な岩を登ったり、滑ったら谷に落ちる斜めの岩の上をトラバースしたり。おそらく時間にしてみたら10分かそこらの区間ですが、個人的には危険度だけでいえばあの大キレットよりも上で、不帰嶮の一部を持ってきたような、そんなところでした。

上の写真の位置から歩くこと30分。危険箇所も怪我なく通過し、無事熊沢岳に到着しました。この日は本当に快晴で、澄んだ空は青く最高の一言。

熊沢岳山頂、遠方には空木岳。
山頂写真、左奥には空木岳が聳えています。

雲海、御嶽山。
右を向けば雲海、そして御嶽山。

南アルプス、稜線。
左を向けば南アルプス、遠方には富士山も。はるか眼下には街が見えます。

遠方には八ヶ岳も
左後ろを振り返れば、遠方には蓼科山~八ヶ岳。調べてみると蓼科山の左のほうには霧ヶ峰も見えていたよう。画面中央の山の稜線に点のようにポツンと建っているのは朝までいた避難小屋です。

熊沢岳から1時間くらい歩くと、東川岳山頂。ここの区間は特に危険な箇所もなく、すんなりと到着しました。問題はここから!東川岳から木曽殿山荘がある木曽殿越まで170mくらい一気に標高を下げたと思ったら、そこから空木岳山頂まで360mくらい一気に登り詰めるのですが、

この登りが本気でキツイ

自分の短い登山史の中で、もしかしたら一番きつかったかもしれない。13泊分のフル装備で登った重太郎新道もキツかったですが、1時間半という短い時間で一番キツかった登りを挙げるとしたら、木曽殿越から空木岳への登りだと答えると思います。下から見て「あの辺だろう」と予測を立てた頂上の位置がことごとく違う。辿り着いたと思ったらさらにその上があり、そこに辿り着くとさらにその先がある。そんな繰り返しで、実際の傾斜のキツさに加えて精神的なキツさもあった気がします。

頂上・・・?いや・・・。
下から見ていたときは、この写真を撮った位置が頂上と思っていたのですが、まだ先がありました。

そしてさらに先・・・。
上の写真の中で、頂上に見える位置に辿り着いて撮った写真。まだ先がありました・・・。

いや、頂上どこ!?

と、心の中で叫びながら歩き続けると、ようやく本物の山頂(って言い方もおかしいですが)が見えてきました。木曽殿越から1時間10分、とにかくひたすら登り続けていた印象です。山頂は思っていたよりも広く、360度のパノラマでした。空木岳へは何方向からか登ることが可能で、この日も日帰りで登ってきている人が多く、山頂で何人かの登山者と30分くらいワイワイ雑談しながら景色を楽しみました。

遠くには宝剣岳や木曽駒ヶ岳。
遠くには宝剣岳や木曽駒ヶ岳。二日かけて歩いた道、感慨深いです。

目の前には南アルプス。
この旅の最中、見る機会が多かった南アルプス。いずれ行ってみたい。

縦走路はさらに続く。
縦走路は南駒ヶ岳、越百(こすも)山へとさらに続いています。調べてみたところ、右奥遠方に見えているのは恵那山みたいです。

下山はこちらです。
最強にしんどかった下り。その開始地点はここです。

目標の空木岳に到着しました。最後の行程は、下山です。実は今回の山行で一番キツかったのは、熊沢岳への危険箇所でもなく空木岳への登りでもなく

この下山。

標高2,864mの空木岳山頂から860mの菅の台バスセンターまで2,000mの標高差を下っていきます。コースタイム6時間10分。地獄です。とにかくひたすら下り続けるわけですが、そもそもそんなに下りが得意ではない自分にとって標高差2,000mは辛い!!思い出すだけでも足が震えてきます。

特にキツかったのが、林道終点というポイントから、菅の台バスセンターへの最後の下り。林道終点には駐車場があり、空木岳へ直接登る人はここに車を停めて登るわけですが、このときの行程だとこの駐車場に車を停めるという選択肢はなく、自分の車を停めた菅の台バスセンターへ徒歩で下る必要があるのでした。下り途中に抜かした中高年の夫婦?は、林道終点からタクシーを呼んで菅の台バスセンターへ戻るということでした。

林道終点からがマジキツイ。

地図にはタクシーで2,500円と書かれており、本気でタクシーを呼ぼうかと頭を過ぎりましたが、頑張って歩くことにしました。今までの下りで、おそらくこのときが一番ハード。10分に一回は休憩を挟んで、かなりゆっくりと下りました。地図には2時間と書かれており、林道終点に着いたのが14時だったので16時くらいにバスセンターに着くくらいを目安に進んでいきました。

休み休み歩いていたので相当ゆっくりだったと思うのですが、何故か1時間経った15時過ぎにバスセンターに到着。あれ!?って感じでしたが、もう1時間あの調子で歩いていたかと思うと、思ったよりも近くて本当に助かりました。地図の2時間というのは個人的な感想としてはどう考えても多く書かれすぎで、長くても1時間半くらいな気がします。バスセンターに着いたとき、ちょうど下り途中に抜かした中高年夫婦?がタクシーで到着したところでした。歩いた自分を褒めてあげたい。

車に戻り荷解きし、身体に癒しを与えるためすぐに温泉と食事へ!!近くの観光センターで話を聞いてみると、こまくさの湯という日帰り温泉が近くにあるとのこと。割引券ももらえたので、早速行ってみることにしました。登山のあとの温泉は何故かくも気持ち良いのか-。特にこのときは温泉のおかげで足が随分と回復したような気がします。

バスセンターのある駒ヶ根市は、ソースカツ丼が名物。こまくさの湯には食事処もあり、ソースカツ丼もあったのでここでいただいていくことにしました。棒ラーメンばかり食べていた身体に染み渡る旨味成分!!温泉とソースカツ丼でもうノックアウト状態です。

ソースカツ丼@こまくさの湯

食事後は、千葉に向けて出発です。久々の単独テント泊縦走の旅は、天気にも恵まれてとにかく最高のひと時でした。まだまだ、日本にも世界にも行きたい山がたくさんあります。今後もライフワークとして登山を続け、足跡を残していきたいと思う。

ログ

このときのログ。累計標高(-)3,373m。グラフで見ても空木岳山頂から一気に下っているのが分かります。

5件のコメント

  1. 相変わらずのタフな登山をやってますね。
    ここでしか見れない山巓の景色は見ごたえがありますね。
    お元気で。

    1. > 森さん
      こんなにタフな内容だと思っていなかったのですが、結果的にすごくタフな山でした。
      でも頑張った甲斐があって、本当に素晴らしい景色でしたよ。
      また森さんと山談義したいです!
      次帰省したときは連絡しますね。

  2. こんばんは。
    やはりお知り合いの方の慰霊でしたか。
    このコースを歩いたと聞いて、そんな気がしていました。
    季節は違えど、同じ山々を見ていたんですね。

    本当にハードな縦走路ですよね。
    私のレベルでは、テント装備ではギリギリでした。
    本当にキツかった。

    ブログ楽しみにしています。
    空いた時間に更新してください。

    1. > 天宮さん
      コメントありがとうございます!
      そうなんです、慰霊で歩いた今回の山でした。
      彼はどういうルートを辿る予定だったのか、そんなことを考えながら歩いていました。

      天宮さんが仰っていたように、よく言われる核心部よりも、他の箇所のほうが厳しい!
      本当にヒヤヒヤする場所が何箇所もありました。
      個人的には特に下山がキツく、あんなに一気に標高を下げたのはもしかしたら初めてだったかもしれません。

      今後も継続してアップしていきますね!
      いつも読んでいただいてありがとうございます。

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