法の限界、さらば長野。

前回のブログ更新から約一ヶ月が経ちました。長野に引越して本日で4ヵ月半くらい経ちますが、そんな今日、俺は長野を出ることになりました。昨年の旅のときのように、今現在は某スタバにてブログを書いています。長野から去ることになったきっかけは勤めていたゲストハウスを辞めた事で、今回は辞めるに至った経緯を書いておきたいと思います。店名を出すと名誉毀損で訴えられそうなので店名は伏せておきますが、今回の一件で俺は法の限界を目の当たりにし、また、法制度を支えているのは結局のところ人と人との信頼であり、それを逆手に取ることでたやすく法の網を潜り抜けることが出来てしまうということを知りました。

事の発端は、実は勤務開始初日まで遡ります。本当はこの時点で先まで見越して早々に進退を決めておくべきだったのですが、そこは自分の甘かった部分かと思います。この日目撃したのは、ゲストハウスのお客さんが使用できるウォーターサーバーの空タンクを、交換せずに中に水道水を入れているという行為。唖然としましたが「この業界はこんなものなのだろうか」と、そのときは自分を納得させてしまいました。が、あとあと保健所に相談に行った際、これは景品表示法に抵触している上に、衛生上も問題があるという指摘がありました。

細かいことは他にもありましたが、決定打となったのは賞味期限切れの食品を商品として提供していたことです。勤め始めてすぐに調味料等の賞味期限が切れており、確信犯的に使用し続けていることには気付いていました。個人的には正直これだけでも心を痛めておりましたが、消費期限ではなく賞味期限が切れているのみであり、また調味料だったということもあり自分を説得し納得させていました。が、3月に入ってから提供し始めた肉料理の肉の賞味期限が長いもので半年も切れており、また、そもそも入荷した時点で賞味期限が数ヶ月単位で切れていたことを知り(売る方も売る方ですが)、辞めることを決心するに至りました。このままお客さんを裏切り続けるわけにはいかず、また、今更何か言って変わるようなオーナーではないので、保健所と消費者センターに通報することを決意。営業を止めてほしいからするわけではなく、是正して正しいやり方で継続してほしかったというのが本心です。

また、こんなこともありました。提供している梅酒の中身が半分以下になったので発注しようとしたところ、オーナーが別の廉価品(梅酒)をボトルの中に注いでそのまま提供しようとしたこと。百歩譲ってラベル無しの空ボトルに廉価品を入れるのならまだしも、1/3くらい残った某銘柄のラベル付きボトルに別の商品を混ぜるという行為。たしかにメニューには「梅酒」としか書いてありませんが、「梅酒ならなんでもいいのか」と看過できなかったので別のスタッフにも相談しオーナーのいない間に改めて本来の梅酒を発注してボトルを新品のモノと交換しておきました。

タイミングを見計らい、辞めて少し経ってから保健所と消費者センターへ。自分の役目としては通報した時点で終わってはおりますが、法の限界を垣間見たような気がしました。上記3点に関して、保健所と消費者センターの見解としては:

■ウォーターサーバーに関しては、景品表示法に抵触している可能性が高いが、物証がないので摘発することができない。品質に関して、例えば朝昼夜と水を交換し管理しているようであれば問題ないと言えるが、空になるまで放置し空になった時点で交換、ということになると品質上の問題がある。が、いずれにせよタンクを交換していないという物証がなく摘発できない。

■賞味期限が切れた食品に関して、保健所の方で電話告知無しに訪問する。

■梅酒に関して、これも景品表示法に抵触している可能性があるが、ウォーターサーバーと同じく物証がないので、提供された側に実害が出て訴えがない限り摘発できない。

とのことでした。賞味期限切れの食品に関しては、先日現在も働いているスタッフより「保健所から電話があった」という連絡があり、電話告知無しでの訪問にはならなかったようです。提供されたお客さんに実害が出ておらずあくまで「賞味期限切れの食品を提供している」のみなので、電話での指導に終わってしまったのでは、というのが俺の推測です。

また、別問題ですが、あの店は最低賃金法にも抵触していました。あとから気付いたのですが、月給を働いていた時間で割ると長野県の最低賃金を割っていました。この件は先日失業保険の手続きをしに行った際ハローワークに伝えましたが、あの店は給与明細がなく現金手渡しで、ハローワークに示せる物証がありません。この辺も知った上で給与明細なし+現金手渡しにしているのかもしれませんが、いずれにせよ物証がないのでハローワークが出来ることといったら「こういう通報があったので今後改善するように」という指導をすることくらいなようです。そんな指導をして改善されるわけもないので「何もしなくて結構です」と伝えてハローワークを去りました。

一連の出来事でうんざりしてしまった俺は、これ以上長野に住む必要もなく、そんなことがあった土地から離れたいという気分もあり長野を出ることに決めたのでした。ゲストハウスやホステル業界全体が同じとは思いませんが、業界全体に対して疑心暗鬼に駆られたので、もうこの業界に戻ってくることはないと思います。ウォーターサーバーにしても賞味期限にしても梅酒にしても、いずれも最終的には扱う人の意思に委ねられており、消費者は提供者が「そういうことをしていない」という前提のもと信頼するしかない。大げさかもしれませんが、外食含めなんらかのサービスを受ける際はこういった「覚悟」が必要なのかもしれません。

ゲストハウスを辞めたのは4月3日、1ヶ月弱前です。この1ヶ月は次に何をするかを考え準備する期間に当てていましたが、正直なところまだ具体的に次に何をするか決まってはいません。車を車中泊仕様に変え、昨年の旅同様当面は各地を転々としようかと考えています。自分に起きる全ての出来事には何らかの意味があり、自分をある一方向に向かわせているのだといつも思っていますが、今回の一件もまたそんな出来事の一つであったのだと思います。

長野にはもう住むことはないと思いますが、長野にはまだまだ行きたい山があり、山に入るため必ず戻ってくることになると思います。明日は久々に山に登り、明後日から数日間は友人らと外岩へ。ある友人曰く、「君の旅はまだ続いている」とのこと。昨年終わったと思っていた放浪の旅は、まだ続いていきそうです。

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