山口放浪記其の二: 岩国市散策

益田の漫画喫茶を出て、道の駅・ピュアラインにしきで一泊し一夜明けた11月27日。この日は朝から雨で、山を登ることなど到底出来そうにない天候でした。次に登る予定だった山口県の最高峰・寂地山があるのは岩国市。この日は登山を諦めて岩国市を散策することにしました。検索してみると、有名なのは錦帯橋。この日は雨だったので、他に行く場所として国宝の刀が展示されている「吉川史料館」と鎧や兜などが数多く展示されているという「岩国美術館」を考えていました。

市街地に着いたらまずは吉川史料館へ。ここには国の重要文化財が2,500点も保管されているそうです。11月29日まで展示しているという国宝の太刀「狐ヶ崎」も見ることが出来ました。鎌倉時代初期の刀であるにもかかわらず保存状態が非常によく、この刀が帯刀され実際に使用されたと思うとなんともゾッとしたような感覚になりました。この史料館と錦帯橋、岩国美術館はお互いにかなり近く、史料館の方にお願いして駐車場に車を停めっぱなしにさせて頂きました。

錦帯橋に移動しようとしていたら、地元の方より「観光ですか?」と話しかけられる。その方曰く、本当はその日(毎月第二・第四日曜日)は火縄銃の空包射撃イベントを予定していたが雨のせいで中止にせざるをえないということで、是非見てみてほしかったとのこと。せっかくなので火縄銃を見てみますか?と訊かれたので迷わず見たい!と応える。持っていた袋を開けて入っている火縄銃を見せて頂きました。


見せて頂いた火縄銃。

予備自衛官をやっている自分はおそらく一般の方よりも小銃について詳しく、「火縄銃は寝撃ちが基本姿勢になるんですか?」など銃自体よりも前に射撃姿勢に関して聞いたりしていました。何者だと思われたかもしれませんが・・・。なんでも、狙う相手が人か馬か、など狙う高さによって姿勢を変えることが多く、ただ膝撃ちだと狙われやすいので主に寝撃ちが多いのだとか。


所謂「火蓋を切れ!」というのはこの画像の真ん中らへんにある蓋を開けることを指しているそうです。


火蓋を切った状態。

火蓋を切ると現れる「火皿」に火薬を載せ、火薬に火縄からの火が点火することで弾丸が発射される仕組みだそうです。火皿はなににも覆われていないので、雨が降っていると火薬が濡れてしまい空包射撃が出来ないのだとか。その場に集まっていた方々は岩国藩鉄砲隊保存会というグループに所属している方々らしく、銃はそれぞれ保管・管理しているそうです。火縄銃は全て古美術品らしく、このとき初めて知りましたが古美術品を所持するにはそれ用のライセンスが要るんですね・・・勉強になります。

岩国藩鉄砲隊保存会
http://www001.upp.so-net.ne.jp/iwakuni_teppo/

火縄銃を見せて頂いたあとは錦帯橋へ。渡るには片道150円かかるそうで、今回は渡らず見学だけさせて頂きました(せこくて申し訳ない・・・)。修復に5億円かかかったらしく、その辺の理由で渡るのにお金がかかるようです。そんな錦帯橋に向かう途中、佐々木小次郎の像が。なんでも”柳の枝が燕を打つのを見て、燕返しの剣法「巌流」を会得した”のが、ここ錦帯橋なのだとか。熊本といい山口の巌流島といい、西日本には宮本武蔵にまつわる場所が多い気がします。吉川英二の宮本武蔵を読んだのは高校時代、昔過ぎて内容をあまり覚えていない・・・もう一回読んでみようか。


巌流・佐々木小次郎。


錦帯橋、画面左のかがり火?は夜になったら火がつくのだろうか。

錦帯橋の次は岩国美術館に向かいましたが、道中「旧目加田家住宅」という重要文化財指定の旧宅があったので立ち寄りました。現在は使用されていない両袖瓦という瓦が特徴ということでした。庭にはおいしそうな果実が。


現在は全ての瓦を同じ形状で作れる桟瓦(袖が片方のみ)が主流なのでこの形状は製作されていない。


おいしそうな柑橘はハッサクらしい。

岩国美術館はすぐ隣。広い駐車場があったので吉川史料館から車を移動させました。中は残念ながら写真撮影禁止でしたが、鎧や兜、各種武器類など、ボーイズなら間違いなくテンションが上がる品々が怒涛のように展示されていました。ウサギやハマグリ、トンボなど、なんであえて選んだ?というモチーフの兜の数々が印象に残っています。

錦帯橋周辺の締めくくりは重要文化財指定の吉香神社。全国でも珍しい祖霊を祭る神社、とのこと。


俺も名を残せば神社に祀られたりするのだろうか。

参拝した後は岩国市内の漫画喫茶に行き、初めて富士山に登った時のブログやブログサイドバーの都道府県別最高峰登山記録を編集(時系列から地図どおりの順に)したりして過ごし、夜は前夜過ごしたのと同じ道の駅・ピュアラインにしきへ。翌日は残り2座のうちの1座・寂地山に登ることになります。

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