0合目から登る富士山、前夜祭から初日までを綴った前編に引き続き、2日目の後編です。念のためもう一度チームのメンバーを紹介したい。
チーム紹介
3人の珍道中は無事に終わったのや否や。
旅の終わり、登山二日目:8月6日(月)
東洋館~吉田ルート山頂、御来光 標高:3,710m
0時半に目覚め、両隣で寝ている2人を起こしたらパッキング開始。暗い山小屋の中でヘッドランプの明かりを頼りに用意されていた朝食をいただき、1時5分前に出発しました。
東洋館から山頂へ至る道は、人混みが最大の難所です。ツアーやら団体登山やら・・・過去5回の富士登山で、最も人が多かったです。牛歩の歩みで待っていられないのでひたすら追い抜いていきましたが、軽く数百人は追い抜いたのではないだろうか。さすがに3,000mを超えるところでダッシュを繰り返すと息がすぐに上がります。休憩を挟みつつ、特に9合目移行はスローペースで周りの動きと同調してゆっくりと山頂に向かいました。
相変わらずのハイペースで登り続けること2時間半・・・もう山頂は目の前です。
吉田口の山頂に到着したのは3時半前。想定よりもかなり早い到着です。初日といいこの2日目といい、2人ともハイペースな山歩きについてきてくれてありがとう!さすが体育会系の2人、インドアでオタクな青春時代を送った俺とはベースが違います。
山頂に着くのが早過ぎるので、まずは防寒対策をして温かい飲み物を購入。全身YONEXのAは上半身が明らかに薄手で「寒い寒い」と連呼しており、軍手が1枚しかないIは手元が寒く、ネックウォーマーを忘れた俺は首元が寒い。皆一様にどこかしらが寒かったのでした。
喋りながら時間を潰し、4時過ぎくらいに見晴らしのいい場所へ移動を開始し、良い場所を確保。過去4回の富士登山のうち、御来光を狙ったのは3回で、そのうち2回は御来光を拝むことができました。今回も雲が少なく、なんといっても全日本晴れ男代表Aを連れてきているので、晴れるのはそもそも確定していたようにも思います。
「あれ来たんじゃないですか、あれですか」「太陽が現れたら一発でそれと分かるからもう少し待つべし」なんて会話をしながら、毎度のことですがなかなか太陽は顔を現してくれません。じらします。
待つこと数十分、写真の記録では4時59分にようやく太陽が顔を出しました。
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3回目の御来光ですが、本当に何回見ても感動します。富士山頂からの御来光初対面の2人は長いこと眺めていました。
シルエットでいい写真が撮れるのではないか、といって試したり、T子とT原に動画を撮るぞ!といって逆光で顔が見えない動画を撮影したり、そんなことをしてダラダラと過ごしました。
吉田ルート山頂~剣ヶ峰、お鉢めぐり 標高:3,776m
登頂し、御来光を見たとはいえまだこの時点では『日本最高地点(剣ヶ峰)』には立っていません。毎回長蛇の列ができているのを目の当たりにしていたので、早いところ剣ヶ峰に移動するべく行動を開始しました。
地図右上の『東洋館』を0時半に発ち、山口屋や扇屋がある近くから御来光を拝みました。剣ヶ峰はそこから山頂を半周したくらいの場所にあります。定番の『お鉢めぐり』を開始し火口を覗いたりしながら進んでいたのですが、Aは「作戦が『いのちをだいじに』だから火口には近づけません」とか急に及び腰になっていたことをここに報告しておきたい。
このままお鉢めぐりを続け、最後の急坂を登るとそこは富士観測所。日本最高地点はもう目前です。既に比較的長い列でしたがそこまで待つことはなく、そして5:50。俺は5度目、2人は初の日本最高地点に立ちました!
外国人も多く来ており並んでいたのですが、その中の一人に英語で「あれはなんて書いてあるんですか」と上の写真のモニュメントを指して聞かれる。なにか知らずに並んでいたのか!!と、3人で驚愕しました。
時刻的にちょうど見えるのではと思い長野方面のほうを見てみると、昨年Mちゃんと登頂した際同様今回も見事な『影富士』を拝むことができました。
遠方には南アルプスがくっきりと見えていました。未だに機会がなく足を踏み入れたことがないわけですが、この写真には北岳や間ノ岳などの山々が写り込んでおり、日本最高峰からナンバー2、3を眺めていたということになります。調べてみると中央アルプスの木曽駒や空木岳も見えていたようで、昨年秋の山旅を思い出します。
そんなことをしているうちにお鉢めぐりが終わり、あとは下山するのみです。最後に食事したのが午前1時前の朝食(?)だったのでさすがにお腹が空いており、カップラーメンでも食べようかと思ったところお値段は『800円』!!さすがに800円は厳しいということで、食事は少しお預け。下山前に猛烈な睡魔が襲ってきたので、2人に承諾を得て5分くらい仮眠を取らせてもらいました。
下山
仮眠が終わったら下山開始。開始時刻は6:40くらいだったと記憶しています。3回目の使用となる『須走ルート』での下山は俺はどんなものか知っていましたが残りの2名はもちろん知らず、有名な『砂走り』を悲鳴を上げながら下っていきました。前回のMちゃんとの下山時もかなりスピーディに降りられて驚きましたが、今回はコースタイム3時間20分のところを2時間かからずに5合目に到着するという展開。行きも帰りも2人が初登山にしてはかなりのスピード登山となりました。
この時点で時刻は8:15。調べてみると御殿場駅行きのバスが須走口5合目に8:45に出るということで、須走口5合目まではコースタイムでは残り35分の地点。急げば間に合う!ということで休憩もそこそこにすぐに出発し、トレランかの如く駆け下りて須走口には8時半に到着。自分でもビックリするくらいのスピードで下山が終了しました。
ほぼ休憩無しでそのままバスに乗り、1時間後くらいには灼熱の御殿場駅に到着。つい数時間前まで富士山頂で凍えていたとは思えません。駅に着いたらまずは食事!結果的に下山途中の山小屋でも食事を摂らず、空腹はかなり限界に来ていたのでした。立ち寄ったのは昨年も立ち寄ったのと同様のサブウェイ。食事のおかげでかなり回復しました。
食事後、かるくお土産を物色してから10:35のシャトルバスに乗ってこちらも昨年同様日帰り温泉『気楽坊』へ。登山と温泉のコンビネーションは何故ここまで抜群なのだろうか。特に今回は初日が暑すぎていつも以上に大汗をかいていたので、温泉もまたいつも以上の最高の気持ちの良さでした。風呂上がりに御殿場ビールをいただき、御殿場駅に戻るためのシャトルバスの時間まで漫画を読んだり仮眠したりしながらまったりと過ごす。
時間になったのでパッキングを済ませ、何故か大雨の外に辟易しながらバス停に向かうと、バスは約20分前・・・に・・・出発している・・・だと!?記憶していたバスの時刻は15:20、実際のバスの時刻は15:02・・・・・・
この旅最後の事件です。おそらく調べた時点では時刻表を読み上げていたので02分と言っていたのですが、言った本人、聞いた2人、全員が間違えて記憶していたのでした。疲れがどピークのときに調べたので、まあこんなこともあります。
対応策を色々と検討した結果、タクシーを呼ぶという結論に。気分としては終電で自分の駅を乗り過ごしたような気分でした。御殿場駅までタクシーで移動し、少し時間が余ったので大富豪に興じて過ごし、電車が来たらまずは松田へ。松田で小田急に乗り換え、新宿に到着したら解散です。解散場所が新宿の駅のトイレ内だったあたり、この3人の珍道中らしさが出ているように感じるのは自分だけなのだろうか。
色んなハプニングがありましたが、人や幸運や財布に支えられながら怪我なく登頂・下山することができました。富士山駅から登頂したというのはなかなかの達成感です。
今回のログ。累計高度(+)3,130m!!!2年前の海抜0mからの富士登山に次ぐ標高差でした。殆ど初登山の2人としては物凄い飛躍だったのではないでしょうか。
御来光から温泉まで、登山の醍醐味の多くを味わった今回の山行。そのうち彼らとはテント泊縦走やフリークライミングなど、別の山行形態も一緒に楽しめたら良いな、と思う。
富士山0合目チャレンジ編、完
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