三日目に引き続き、新潟長野・山の旅最終日の記録です。
旅最終日:8月14日(水)
午前2時40分起床。もはや起床時間としてはどう考えてもおかしいですが、二人とも無事に起きられました。チケット購入がどういうシステムか分からず、とりあえずバス停に行ってみると簡易なカウンターが用意されていてそこでチケットを売っていました。まずは二人分の席を確保。その後準備を整え、改めてバス停へ。思ったとおりというか思った以上というか、こんな場所でこんな時間なのにすごい人の量でした。さすが人気の山です。3時20分ごろにはバスが来ており、定刻どおりに出発したと記憶しています。
バスのガイドさんが「この時点では山頂はガスっているが到着予定時刻の1時間後には晴れることを期待しましょう」だとか言っていたと記憶しています。ワインディングロードを進むバスはいつの間にかすっぽりとガスの中。到着した畳平も完全にガスの中でこの時点ではご来光を拝むのは絶望的でした。真夏だというのにものすごく寒く、持ってきた防寒着をすべて着込みます。湿度が尋常じゃないほど高くじっとしているだけで服が湿ってきました。5時6分予定だった日の出をコーヒーを飲みながら待ちましたが、その時刻になっても晴れないので我々含めその場全体に諦めモードが漂っていました。
そこから5分くらい待ってもガスが晴れる様子がなかったので「山頂方面に向かうか…」と諦めかけたそのとき
あたりが急に黄金の霧に包まれる。頭の中ではパズーとシータがラピュタに到着したときの音楽が流れていました。そしてそのまま待つこと数分…
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日の出と同時にガスが晴れ始め、頭上には青空が広がり始めていました。
すぐ近くにある富士見岳も見え始めました。数分前まではまったく見えなかったのに、本当に驚くばかりです。
すごい光量で、あたりが燃えているように見える瞬間もありました。
本当に朝から大感動、大興奮。この旅でもっとも感動した瞬間は個人的にはこのご来光の瞬間でした。諦めずに待ち続けると良いことがあるということを学んだ乗鞍岳です。
さて、ひとしきりご来光を堪能したら次は乗鞍岳の最高地点『剣ヶ峰』に向けて出発です。上で写真を載せた富士見岳には登らずとも剣ヶ峰に行けるので(登らなくてもいいかな…)と思っていたのですが「登りましょう」というI氏の一言でまずは富士見岳への登山開始です。登山開始後も景色の変化が続いていました。
どうもパワーが出ずバテバテで山頂に着いた俺に、容赦なく「写真撮ってもらえますか」と声をかけてくる学生の集団。「テメェらいい度胸だな!」なんてことはもちろん言わずに笑顔で「いいですよ!」と返す大人な俺です。なんだかんだ富士見岳からの景色も最高でした。
ほとんどバスで登ってきたようなものなのにこんな絶景が楽しめるなんて。さて、登ったばかりの富士見岳から一旦降りて、肩ノ小屋へ向かいます。その小屋のすぐ近くに剣ヶ峰への入り口があるのですが、
再びガスってきました。とはいえ登るしか選択肢はないのでそのまま進みます。ゴツゴツした岩まみれの登山道やガスの感じなど、富士山とよく似ているなと感じました。天気は気まぐれで、剣ヶ峰直下にさしかかったあたりで急にガスが晴れてきました。
ガスが晴れた、というより、強烈な風だったので流されていったというほうが正確かもしれません。
目を開けているのもきついくらいの強風です。そして6時20分くらい、剣ヶ峰に到着です。
山頂の様子は本当に気まぐれで、ガスったり晴れたりを1分以内の周期で繰り返していた印象です。遠方に見えているのは御嶽山。そんな御嶽山に2ヶ月後、新しいメンバーも加えて3人で登ることになることをまだ2人は知りません。別の角度で撮った写真には、遥か彼方に白山も見えていました。
山頂には乗鞍本宮神社の奥宮もあり、ちょうど神社の方(?)も登ってきたところでした。参拝を済ませます。
山頂で写真を撮ったり楽しんでいたら愛知から来たという『豊川山岳会』の女性二人が現れ、写真を撮ってほしいと頼まれたので撮影しました。調べてみるとこの日のことを山岳会のブログにあげられたようで、まさしく撮影した写真もアップされていました。
豊川山岳会、ブログ
https://toyokawa-ac.jp/peekhunt/20286
山岳会の方たちと雑談しているとブロッケン現象まで発生!ブロッケン現象は以前八ヶ岳で見たことがあるのみ、人生二回目です。
アップ。
ひとしきり山頂を楽しんだので、下山です。実はこのときトイレピンチを迎えており、山頂直下の小屋に立ち寄るもののトイレがない。大惨事になる前に早く下山してしまおうとダッシュで下山です。相変わらずものすごい風で、ガスったり晴れたりを続けていました。
肩ノ小屋のトイレに滑り込んでなんとか間に合う。ある意味この旅で一番あせった瞬間かもしれません。下山時は富士見岳を経由せずにバスターミナルへ。バスターミナルにも乗鞍本宮神社があり、こちらで御朱印をいただけます。すでに山頂で参拝を済ませたことを伝え、さっそく御朱印をいただく。あとから知りましたが、山頂で参拝を済ませている場合御朱印に『頂上本社』の押印もいただけるそうです。久々の御朱印帳更新です。
バスが来るまで時間があったので、お土産を物色。その後バスが来て無事車まで辿り着く。この時点では翌日以降、クライミング仲間のOさんらと合流して瑞牆山や小川山でクライミングする予定でいたのですが、天気予報が定まらないので最後まで予定が決まらないでいました。この日に至っても翌日の天気は回復の見込みがなかったので、残念ながら外岩は中止。外岩へ転戦ではなく東京方面に帰ることになったのでした。
この時点でまだ午前9時。東京方面に戻るにしてももう一箇所くらい立ち寄ってから帰れる時間だったので、急遽美ヶ原に向かうことになりました。美ヶ原に行きたかったからというより、I氏未登頂の百名山だったからというのが主な理由です。温泉は美ヶ原のあとに行くこととし、まずは美ヶ原に向かいます。道中、だんだん天気が崩れてきて美ヶ原の頂上直下の駐車場に着いたときには細かい霧雨のような状況でした。せっかくここまで来たし頂上はすぐそこだったので、もちろん突っ込みます。11時50分、俺にとっては二度目、I氏初の美ヶ原登頂です。
天気も崩れてきており、また高速の渋滞も心配なので即下山。…下山というほどのものでもなく、駐車場まで移動って感じですが。車に戻ったらすぐに銭湯を調べ、割と近い鹿教湯温泉に行くことになりました。
鹿教湯温泉といえば、つい10日ほど前に日本各地で猛威を振るった台風19号で大雨に見舞われているとテレビのテロップで流れているのを見て驚いたところでした。その後どうなったのか調べてみたところ、一時的に孤立状態に陥ったものの10月16日の時点で国道254号線の道路補修が完了し松本~上田間の交通規制が全面解除され、現在はバスも運行している模様です。国道254号線といえばこのブログの内容で美ヶ原から鹿教湯温泉に移動する際にまさしく使った道路です。松本市、上田市両サイドからの鹿教湯温泉へのアクセスが回復して何よりです。
話を旅に戻します。鹿教湯温泉ではこの日盆踊り大会が行われるということで駐車場が使用禁止だったのですが、温泉の方に聞くと雨で中止になりそうなので使ってもかまわないとのこと。雨だったからか人はあまりいませんでしたが、実に渋い温泉街です。この日は文殊の湯という鹿教湯温泉発祥の温泉に入りました。
露天風呂に入っていたら雨が滝のように降り出す。雨でひんやりとした空気のなか温泉に入っていると気持ちよくてなかなか出られません。とはいえ延々と浸かっているわけにもいかないので風呂から上がるも、外はまだ土砂降りの雨。温泉で傘を借りて雨をしのぎました(傘は駐車場がある交流センターの傘立てに返しておきました)。
あとは東京方面に戻るのみ。給油してセブンで軽く食事を摂ったら東部湯の丸ICで高速に乗り、渋滞に巻き込まれながらも関越自動車道を経由して千葉まで戻ってきました。I氏はうちに泊まる予定です。
近所のスーパーに車を停め、旅初日に入ったのと同じトンカツ屋で夕食。時刻は19時50分です。そのあとうちで一杯飲むためスーパーで酒類を買ったあたりで、Oさんらから「(クライミング仲間と共に)都内にあと40分で着くのでどこかで飲まないか」というまさかのお誘いが飛んでくる。紆余曲折あり錦糸町で飲むことになり、家に車を停めたら買った酒類を飲みながら電車で錦糸町に向かい21時半にOさんらと合流です。合流したのはビアリッチ イーストというビアバーでした。
ビアリッチ イースト(食べログ)
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13060772/
まだ旅が続いているような感覚の中、合流したメンバーに旅の思い出話を語りました。クライミングにこそ行けませんでしたが、共通の趣味を持ち飲みに行ける仲間がいるというのは実にいいものです。結局0時近くまで飲んでいたと記憶しています。
この旅では新潟の山を攻めるという今年の目標を進めることができ、さらに久々の北アルプスの山にも登れて大満足の内容となりました。2019年の夏は雨が多く山に行きづらい夏となりましたが、それでも天気の良い日を狙ってこのあとも山に通うことになります。
ブログを書いている今現在はシーズンが終わりを迎えようとしていますが、ブログの内容のこの時期はまだシーズンが始まったばかり。2019年夏山ブログはまだまだ続きます。
南アルプス編に続く→
おまけ:旅終了翌日 8月15日(木)
泊まったI氏を自宅まで送り届け、その後近くのイオンモールで旅の写真をまとめる。そしてちょうどそのイオンモールのすぐ近くに住んでいる盟友Zもイオンモールに来る予定ということだったので合流して遅い昼食を共にしました。いろんな登場人物がめまぐるしく登場するお盆となりました。
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