76座目の百名山: 浅間山

道の駅に到着したところから、浅間山登山編です。浅間山は新しく登った百名山としては2019年最後の山。前回のブログにも書きましたがこの日浅間山に登れたのは山仲間I氏のおかげ。これで百名山も76座、残すところ1/4というところまで迫っています。

朝6時、起床。寝たのが23時半だったので睡眠時間としては十分です。寝袋は十分暖かいのですが車内はとてつもなく寒い。凍えながらトイレに行き車に戻ってよくよく観察してみると、車はカチカチに凍っていました。

凍る車

暖房を入れて窓の霜が取れたあたりで出発。朝食を食べようにも車内が寒すぎるので、多少は車内が暖まるであろう登山口に到着したあたりで朝食を摂る予定でいました。道の駅を出るときに見た入り口の温度計にはマイナス3度という表示が…。

チェリーパークラインに入ると、「この先通行止め」という看板が何箇所かで立てられていました。少し心配になりましたが、看板はあるものの車が通れるようゲートは開いていたのでそのまま突入。前日電話した役所の人の言葉を信じます。もし何らかの理由で工事が終わっておらず通行止めだったとしても、別の登山口を使用するという選択肢もあるので最終的には何とかなるだろうという読みもありました。

そしてあと数百メートル程度で登山口という位置で「ここより先通行止め」というような看板がついに現れる。が、どうやら通れないのは山側の道のみで崖側の道を片側交互通行できるようなレイアウトになっている。崖側の道は封鎖されているわけでもなかったので、おそらく信号機などをこれから設置する予定で工事自体は終わっているのだろうと予測しそのまま直進。思ったとおり通行可能でそのまま登山口にたどり着けました。前日に役所に聞いておいてよかったです。

朝食をサクッと摂り、登山の用意。この日は冬山想定でかなり久々にハードシェルも持参していました。車外はとにかく鬼のように寒く、寒いのが苦手な自分にはひどく堪えます。寒いと分かっていて来たわけではありますが…。

駐車場より
駐車場からの景色。遠方に富士山、右の山塊は八ヶ岳。

登山日和の晴天ですが、とにかく寒いのに加えて上空の雲の流れが異様に速い。山頂方面はかなり風がすごそうだと、果たして山頂にたどり着けるのか不安になりました。ちょうどこの時間帯はホテルの宿泊客の集団が駐車場に出てきており、ガイドさんみたいな方が駐車場から見える山の名前など説明していました。

上の写真を撮った時点で7時。前日心配だったヘルメットは無事登山口にある高峰高原ホテルで借りることができました。「風が強そうですね」とホテルの方に話しかけてみたところ、「冬の浅間は風が強いことで有名ですから」とのこと…本当に大丈夫かとさらに不安になります。ヘルメットをザックに入れて一度登山口に行ったものの、登山届を書いていないことに気づき登山届が用意してあるホテルに引き返す。ホテルさまさまです。

ホテルで登山届を書き登山口に戻ったらいよいよ出発です。浅間山の山頂は噴火警戒レベル問わず立入禁止なので、今回は一般的に浅間山に登頂したこととされる「前掛山」まで登ります。車坂峠から前掛山へは主に二つルートがありますが、今回は登りは黒斑山(くろふやま)経由、下山は草すべり経由のルートをとりました。下に載せる写真が分かりやすいかと思います。今回は地図は購入せず、ネットで拾ったこのマップを基に各種計画を立てました。

浅間山総図

登山口で出発直前に下の写真を撮った時刻は7時20分くらい。この時点でも鬼寒かったことを記憶しています。

登山口

入山して少しすると前方に女性の方が見えてきました。山に入っているのは自分ひとりだと思っていたので少し安心です。「どこまで行かれる予定ですか?」と聞いてみると、その方は「鋸岳まで」とのこと。同じ質問を返されたので「行けるところまで行ってみる予定です」と返す。山頂付近の風がどの程度強いのか読めなかったので、この時点では気候的に登頂できるかまだ判断がつきませんでした。

話が変わってこの日自分が着込んだ服は

  • ベースレイヤー
  • 速乾Tシャツ
  • ミドルレイヤー
  • ウインドブレーカー
  • ダウン
  • ハードシェル

の六層。さすがにだんだん暑くなってきたので何枚か脱いで調節します。すでにダウンが少し汗で湿っていたと記憶しています。上着を脱いだのに合わせて、念のためと手に持っていたストックもしまいました。どうも登りでストックを使うのは苦手です。この日は寒いのでニット帽もかぶっていましたがニット帽は額がチクチクするのでこちらもどうも苦手。いったんニット帽を脱ぎいつもの手ぬぐいスタイルにしたところ、寒くて耳が千切れそうになる。だったら!と試しに手ぬぐいの上にニット帽をかぶってみたところ、手ぬぐいが汗を吸い取ってくれるのに加えて手ぬぐいのおかげで額がチクチクしない。今後同じような気候の山をやるときの服装の参考になりました。実践で学ぶことはやはり多い。そのまま前進すると、眼前に黒ゴマプリンのような浅間山が出現しました。

浅間山登場!
ようやくお目見え。

ここから先は基本的に浅間山を視界に入れながらの山行となります。そして8時35分くらいに第一のチェックポイント(?)たるトーミの頭に到着。コースタイムに対してx0.75くらいのペースで到着しました。トーミの頭は浅間山の展望が抜群です。

浅間山は遥か遠く
浅間山はまだ遠い!

登山道
これから向かう道。

歩いてきた道
振り返れば歩いてきた道。

※2020.01.17追加

電波が入ったので友人らに写真を送ったりしてから、登山続行。ここからは浅間外輪山(黒斑山~鋸岳)をぐるっと回ります。トーミの頭から黒斑山の途中には緊急放送用スピーカーもありました。これが使用されることにはなるなよ…と祈りながら通過します。

緊急放送用スピーカー

樹林帯を進む。
樹林帯を進む。

登山道には若干雪がありましたが気になるほどではありませんでした。日陰になっている箇所は少しだけ積もっていた印象です。黒斑山あたりまでは樹林帯の中を歩きますが、その先にある蛇骨岳あたりから視界が晴れて稜線歩きに突入します。

稜線!
気持ちのいい道!

ウサギ、か...?
ウサギの足跡?でも一つだけってどういう…ミステリーです。

その後、仙人岳を過ぎたあたりから険しい道になります。とはいえ足場はしっかりしているので危ないことはありません。

THE快晴
超快晴。白い点のようなものは月です。

険しい?道
鋸岳への道。

そのまま歩き続けると、「Jバンド」という看板が現れました。

Jバンドへ

ただ、まだ外輪山にある鋸岳を踏んでいない。よーく地図を見てみると鋸岳のみルートから外れた場所にあるようだったので、Jバンドへの分岐は無視して少し先に進みました。予想通り鋸岳に到着。

鋸岳にて

9時55分撮影。コースタイムに対してx0.82くらいなのでそこまで速くありません。歩いてきた道は八ヶ岳の横岳みたいな印象です。

白銀の山々
鋸岳から撮影、後立山連邦。白銀の山々が美しい!

街を見下ろす
快晴ですが雲をかぶっている山もあります。

鋸岳からの景色を堪能したら、Jバンドへの分岐へと戻り浅間山の取り付きまで下ります。これがかなり分かりづらい!

道なのかなんなのか

こんな道をいったんトラバース気味に歩きますが、どこで下ればいいのかがいまいち分からない。ここで下るのかな?と思った箇所がありましたが、まっすぐ進める感じもしたので念のためGPSと照らし合わせながら少し先まで進んでみると、やはり少し登山道から逸れたので戻って下り始める。こういったときGPSは非常に役に立ちます。iPhoneでも十分な精度です。

where did I come down from
少し下ったところから撮影。どこをどう下ったのやら。

where is 登山道
さらに下ったところから撮影。岩が転がっているのが道(?)だったと思います。

Jバンドを下りきったら、平坦な道を浅間山の取り付きまで向かいます。遠方には下山時に登り返すことになる草すべりも見えていました。あんな壁みたいなところを登るのかと、先のことなのにゲンナリします。

草すべり方面
左端のほうを登ることになったと思います。

少し歩いたら「賽の河原分岐」。ここから浅間山の山頂(正確には前掛山)まで登り詰めることになります。少し休憩してから出発したと記憶しています。

賽の河原分岐にて

最初こそ樹林帯を進みますが、途中から視界が開けます。遠方には少し前に下ったJバンドのあたりが見えていました。

Jバンドはどのへんか

Jバンドは...?
どのあたりがJなのか…。

賽の河原分岐までは自分以外の登山者は登山開始直後に追い越した女性の方のみでしたが、このあたりから賑やかになります。どうやら車坂峠への道は通行止めになっていると考えた人が多かったようで、この日は浅間山荘から入った人がほとんどだったようです。

賽の河原分岐から山頂近くのシェルターのあるあたりまでは見た目は緩やかですが結構キツイ坂。45分くらいかけて登りました。

シェルター
噴火時に逃げ込むシェルター。下山時はこの中で休憩しました。

このあたりは標高が高いことに加えて風が強いので

寒い。

思ったほどの強風ではありませんでしたがそれでも十分すぎるくらい寒いです。ここで実感したのがハードシェルの耐風性能。身体にもろに風をくらっていましたが汗が冷えていくような感覚もないくらい風を防いでいました。一番寒かったのは顔。顔に当たる風が突き刺すように冷たく鼻の奥がツーンと痛い。今後この時期の山をやる場合顔を防ぐ術を考えねばと、そんなことを考えながら歩いていました。

そしてシェルターからは最後のビクトリーロードを前掛山の山頂へと進みます。『山と食欲と私』で日々野鮎美も歩いていたな、と思い下山後に漫画を読み返してみたところまさしく漫画のコマとドンピシャな角度で撮った写真がありました。作者もここを歩いたんだろうな~、と思いを馳せる。

ビクトリーロード、実写

ビクトリーロード、漫画

そんなビクトリーロードを少し進めば山頂はすぐそこです。そして11時35分頃、山頂到着。到着した時点ですでに何名かおり、さらに後ろからも続々と人が来ていました。

前掛山登頂!

自分としては珍しいハードシェル着用での登頂写真。奥に見えているのが実際の浅間山の山頂(立入禁止)です。まわりは名だたる名峰だらけの大パノラマでした。

歩いてきた道と北ア

歩いてきた道の彼方には北アルプス!

THE富士山

富士山

八ヶ岳と南ア

八ヶ岳と、中央奥に見えているのは左が甲斐駒ヶ岳、右が仙丈ヶ岳

霧ヶ峰と中央ア

一番左が蓼科山、中央手前が霧ヶ峰、奥が中央アルプス

御嶽山と美ヶ原

奥の独立峰が御嶽山、手前には美ヶ原が見えていたようです。写真の原本を拡大したら王ヶ頭付近の電波塔が見えました。

乗鞍岳

乗鞍岳

槍穂高

穂高連峰と槍ヶ岳から鷲羽岳まで。

立山&後立山

お気に入りの奇跡の一枚。立山と後立山連峰が重なっており左から立山、剣岳鹿島槍ヶ岳、五竜岳!今年は後立山連峰を何回拝んだことか。

※※※

景色が良いので長居したい気持ちはありましたが、この登山で一番寒かったのはこの山頂。とにかく風がすごくて手袋を外した瞬間に指が凍りつく。15分くらい滞在し、まずはシェルターに向けて移動を開始しました。到着したシェルターには夫婦(?)一組とソロの男性が一人すでに休憩しており、夫婦の奥様(?)に「もしかして、Jバンドをすごいスピードで下っていた赤い服の方ですか?」と訊ねられる。すごいスピードかは分かりませんがおそらくそれは俺。ご夫婦は車坂峠へは通行禁止だと思ったので別の登山口から入山した、とのことでした。ソロの男性はみなかみ村在住で主に冬山を登られる方なのだとか。こうやって他の登山者と談笑するのもまた登山の醍醐味の一つだと思います。

先にご夫婦が下山を開始され、それに続くように自分も12時40分に下山開始。下山開始直前に撮った写真がこちらです。

四阿、妙高、高妻

下山後に知りましたが、この写真中央奥の高い山は四阿山、その奥に妙高山、左奥に高妻山が見えていたようです。

一気に賽の河原分岐まで下り、そこからは来た道に戻るのではなく左に逸れて草すべりの方向へ向かいます。そして13時15分くらいに草すべりの取り付きに到着しました。

爪あと
こんなところにも台風19号の影響が。

ゲンナリ
これを登るのか……。

草すべりは、見た目どおりの「ど」急登。この日のログで説明すると、グラフの一番右でとんでもない角度で標高を上げている箇所が草すべりです。他、グラフの左が外輪山からJバンド、真ん中が浅間山の上り下りです。

ログ

すさまじい急登なので汗だくになり、最終的にはもはや夏山と同じ服装に。気候の変動が激しい一日です。そんな草すべりを登っていると、登山道のすぐ近くになにやら怪しげな後姿が目に入りました。

あれは...!?

まさか猪ではないよな…!?と思い恐る恐る登山道をそのまま進んでいくと、頭がこちらに向いたのでその正体が分かりました。

振り向けば...

ニホンカモシカ!

にほんかもしか が あらわれた!

ニホンカモシカです。人を襲うことはないようですが好奇心旺盛らしく、少し音を立てるとじーっとこちらを見つめてきました。つぶらな瞳です。

そんなつぶらな瞳をわき目にそのまま登り続けると、朝通過した分岐点にたどり着きました。すぐ近くにトーミの頭があります。そこにはえらく軽装な若い男性登山者?が一人おり、「浅間山はあれですか?」と遠くの浅間山を指差しながら声をかけてくる。おそらく観光がてら少し山歩きをしただけだったようですが、トーミの頭を浅間山の山頂だと思っていたようで…。そんな彼についでに浅間山をバックに写真を撮ってもらいました。

夏と同じ
もはや夏山と同じ服装。

トーミの頭に少し滞在し、下山開始。ここから車坂峠までは展望のある「表コース(登りの際に使用)」と山の中を歩く「中コース」があり、せっかくなので歩いたことのない中コースを歩くことにしました。情報どおりというか想定どおりというか、まったく展望のない山中を歩くだけのこの道。道が柔らかい土で覆われていたり、その上に霜が張っていたりと妙に歩きにくいなと思いながら下山しました。

そして15時過ぎにようやく車坂峠に到着。7時20分に開始したので、休憩含めた行動時間は7時間40分。距離は15km弱と、思っていたよりも骨のある山行となりました。登りはじめた時は気づきませんでしたがここ車坂峠はちょうど長野と群馬の県境らしく、車坂峠と書かれた標柱の片側には長野県、片側には群馬県の市町村名が書かれていました。

県境標柱

下山したらまずは温泉です。登山口にある高峰高原ホテルの温泉の評判が良かったので、ヘルメットを返却しつつそのまま入らせてもらうことにしました。

高峰高原ホテル

ここの温泉は露天でこそないものの富士山が見えることが売り。この日は空気も澄んでおり展望が期待できそうだと思いながら温泉に入ってみると…

THE温泉

富士山から八ヶ岳までばっちり見えていました!大満足です。お風呂から上がったらロビーで休憩。ここのロビーもまた雰囲気が良く景色も抜群だったので、おやきをいただき沈む太陽を眺めながらのんびりと過ごしました。


ロビー。

おやきと双眼鏡
おやき。双眼鏡も用意されており、遠方の風景を間近で見られます。

沈む太陽と八ヶ岳
八ヶ岳と夕陽。

温泉含め高峰高原ホテルに1時間強滞在し、帰路に就く。5時間程度の運転で家まで戻ってきました。

この日は登って大正解だったと、声をかけた人はみんな一様に同じことを言っていました。それくらい空気が澄んでいてかなり遠くまで見渡せる超登山日和でした。浅間山の規制が解除されたと教えてくれたI氏には感謝感謝です。

2019年に新規で登った百名山はこの浅間山で最後となりました。天候により山に行けない月もありましたが、結果的にかなり山に打ち込んだ年になったように思います。

来年もまた、未踏の百名山の頂を踏みに行きたいと思う。

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