大天荘に到着し満天の星空を満喫した前編に引き続き、眺望絶佳の表銀座後編です。
8月29日(日)登山二日目
4時台起床。風が凄まじすぎて熟睡からは程遠く、二日連続の睡眠不足でこの時間に起きるのはかなり堪えます。それでも起きるのは御来光への期待を込めてであり、幸いなことに山頂までわずか10分の好立地にあるテント場なのでした。
出発前のテント場。地平線がオレンジ色に染まり始めていました。
4時45分くらいに山頂に到着。さっむい中、太陽が昇ってくるのを待ちます。先生と俺は北岳以来の御来光待ちです。
5時ごろ撮影。徐々に明るくなってきました。富士山の左右にある山塊は左が八ヶ岳、右が南アルプスだったようです。そして5時13分ごろ・・・
御来光きました!太陽が昇るまでは風が強かったのに御来光モーメントはなぜか凪いでいる。不思議です。前日のあの悪天候が嘘のような快晴でした。
ちょうど御来光のタイミングを見計らってみんな登ってきたのか、山頂はすごい人ごみでした。あまりにも絶景なので長く滞在したくなりますが、この日はまだ長い行程が待ち受けているので5時半少し前に山頂を去ってテント場に戻り始めます。テント場の向こうには富士山がありこれはこれで絶景でした。
テント場に戻り、ちゃんとした朝食は常念岳の山頂で摂ろうということで行動食だけ食べてすぐにテントの撤収を開始します。風が強く、ものが吹き飛ばされないように注意しながら片付ける必要がありました。
6時15分くらい、おそらくテント場から撮影。行ったばかりの火打山が見えていました。
そして6時20分過ぎ。水の補給など含めザックの用意ができたので早速常念岳に向けて出発です。
この日の行程はまさしく5年前に悪天候であきらめて進めなかった道。新しい道を歩くワクワク感はいつでも最高です。5年前の旅の続きが今、始まる。
上の写真の丘?を越えるとそこには想像をはるかに超えたすごい景色が待っていました。
どどん!!
目の前に広がる景色と稜線があまりにも素晴らしすぎて写真を撮るのに夢中になり全然先に進まないこの人たちです。凄まじい勢いで風が吹いていましたが、そのおかげか雲ひとつない完璧な快晴でした。5年前に歩けなかったこの道にはこんなに素晴らしい景色が広がっていたとは。日本にはまだ見ぬ素晴らしい景色がある。これだから山はやめられません。
楽しみまくりながら進み、一度縦走路を逸れて東天井岳という隣の山に登ります。
分岐点からあっという間に到着した山頂。先生から「東なんちゃかかんちゃか」と呼ばれていた東天井岳でした。
少し滞在したらさらに先を目指します。降りたあたりで「この上は何かあるんですか?」と中高年?の男女ペア登山グループに聞かれる。景色がいい場所があるんです、とお伝えし我々は先を急ぎます。
さて、歩けど歩けどなかなか常念小屋が見えてきませんでしたが8時15分ごろようやく小屋を眼下に見下ろす場所に到着しました。
急坂を一気に下り、8時半過ぎに小屋に到着。これで未踏の区間は終了し昨年歩いたことのある道に合流しました。思った以上に最高だった大天井岳~常念岳の縦走路。またいつか、この道を歩いてみたいけどそれ以上にまだ歩いたことのない道を歩きたい。これからも山旅はまだまだ続く。
───旅が終わったような文章になりましたが小屋の前の広いエリアで10分くらい休憩したら必要最小限の荷物をアタックザックに詰めて山頂に向けて出発します。少し急いでいたのは快晴のうちに山頂についておきたいという気持ちがあったから。悔しい思いをしないためにも早いところ山頂に到着してのんびりしたかったわけです。この旅最後の登りとなる常念岳山頂への急登がかなり辛い!特に「これを越えたら山頂か」と思ったところにさらに先の道が見えると心折られます。先生はかなり心を折られたようで勢いがなくなっていきました。それでも必死で登り9時40分ごろ・・・
到着!!!
1泊2日の縦走の目的地であった常念岳にようやく辿り着きました。特に先生は「腹ペコでぶっ倒れそう」な状態だったので間髪入れずに飯の用意を始めます。景色は言わずもがな、最高最強でした。
この日の朝食は山頂で米を炊いてからの味噌雑炊。溜まった疲れや満たされた空腹やここに辿り着いた達成感で感極まって雑炊を食べながら涙を浮かべる先生。
さて、I氏が持参した一眼レフで写真を撮りまくっていたので今回の常念岳山頂写真はI氏に任せっきりでしたが、一眼レフの清掃が甘く空に黒点が写っている!まったくI氏よ。メンテナンスをしっかりするのだ。黒点がある点はご容赦ください。
北穂高岳。山頂の山小屋もばっちり。よく建てたなあんなところに・・・。
時刻は11時。1時間20分も滞在していたこの4人でした。下山してすぐに車があるとはいえさすがにそろそろ下山を開始します。
11時40分くらいに常念小屋に到着。ザックに荷物をまとめたりトイレに行ったりして12時過ぎに改めて一ノ沢登山口に向けて出発します。
ここから先は前回常念岳に来たときと同じルート。相変わらずぶっ飛ばしていたようで、コースタイム1時間の胸突八丁まで35分で到着していました。そこから約1時間10分で大滝ベンチに到着。もうみんなくたくたでした。
そこからさらに40分くらい歩きそろそろゴールが見えてきます。
そして14時50分。ついに一ノ沢登山口に到着!I氏をもって「よくここ日帰りで往復しましたね」と言わしめるロングルートでした。
このときのログ。やはりグラフ的にも常念岳への登りが一番きつい。そして二日間の合計歩数は
56,827歩。
みんな本当にお疲れ様でした。さて、下山後の話です。まずは俺の車に戻り全員の荷物を詰め込んで自分たちも乗り込み、I氏の車を停めてあるしゃくなげの湯に向かいます。車の調子が悪くて音がすさまじい。これはメンテナンスが必要と、15時過ぎにしゃくなげの湯に到着した時点ですぐにいつも車を見てもらっている整備工場に電話連絡。「このあと来られますか?」と聞かれましたが長野にいるのでどう考えても間に合わない。翌日の会社の帰りに整備工場に寄ることになりました。しゃくなげの湯は悪くはありませんが
人が多い!!
芋洗い状態とはこのことか。駐車場の目の前ということで都合はよかったが、次回は別のところにするかもしれない。温泉後。I氏が「カツが食べたい」と騒ぎ出したので全員が乗ることになる安曇野ICのすぐ近くの「かつ時」に行くことになり到着したかつ時で全員カツをほうばる。29(肉)の日でトンテキ定食が安く提供されていたので俺とOGTが注文しようとしたところ売り切れていたと記憶しています。
18時前にかつ時を出て、隣のコンビニに寄りブラックコーヒーを購入。時刻は18時過ぎ、車2台に分かれてここで解散となりました。充実した表銀座山行がここでひと段落つくことになります。
中央道を避けて上信越道経由で千葉方面に向かい、これが功を奏したのかほとんど渋滞に巻き込まれず21時あたりには家の近所のガソリンスタンドに到着していました。このタイミングでI氏も自宅に到着したようでした。弱めのお酒を近くのスーパーで購入して帰宅。くたくたでしたが洗濯し、さらに翌日整備工場に車を預けることになることも想定し車の中身をすべて家の中に持ち込む。こんなことをしていたら22時半近くになっていました。I氏の駐車場で車をマイカー(電気)に乗り換えたOGTは30分間の充電を経て23時前にようやく到着したらしい。こうしてみんなそれぞれ無事帰宅し表銀座縦走の旅が無事終了しました。普通の週末に表銀座縦走突っ込んで大丈夫か?という懸念もありましたがどうやら俺らが思っているよりもそれを普通にやってのける人はたくさんいるようでした。
5年前歩けなかった道を歩くことができ、満天の星空や御来光、稜線歩きを思う存分満喫できた表銀座。あの場所にまたいつか戻ってきたい。
5年越しの表銀座編 完