2021年度の仕事が開始してしまった1月5日(火)。この日早速、次回の冬山登山について検討を開始します。今年二回目の登山は単独行ではなく初冬山登山の先生と共に行くこととなりました。冬山登山の基本として「行ったことのある」山を選択しつつ、さらに先生の持っている装備でいける範囲の山に絞り込んでいったところ候補に挙がったのは丹沢と甲武信ヶ岳、そして那須岳。この時点では候補だけ挙げておき、天気次第で直前に行く山を決めることにしました。
水曜日は深夜まで起きて今年一発目の登山である蓼科山のブログを執筆。そして木曜日。全国の感染者数が7000人を突破したことで先生が週末の登山を躊躇するものの、厳冬期の冬山登山にどれほどの感染リスクがあるのか?という議論を経て登山実行に決定。自粛要請が出ていることは十分に承知していますが、それは1か0かでありとあらゆることを自粛せよということではなく「感染リスクの高い活動を自粛せよ」という要請であると理解しています。さて、山はお互い登ったことがあるものの冬山で登るのは俺も初めての那須岳に決定。そして金曜日、登山前日。先生の職場の最寄りの駅に車でピックアップしに行くところから2021年度登山第二弾がスタートします。ここで改めて今回の旅のメンバーを紹介したいと思う。
チーム紹介
それでは振り返ってみたいと思います。
1月8日(金)登山前日
21時過ぎに先生の職場の最寄りの駅に到着。近所のキッチンオリジンで夕食の弁当を入手したらすぐに出発です。蓮田SAにて車中で夕食を済まし、トイレで着替えたら改めて那須岳方面へ前進。前回I氏と先生の3人で登った際は登山口で車中泊しましたが、今回は寒さを考慮して2016年に車中泊した登山口に一番近い道の駅・那須高原友愛の森まで行くことにしていました。0時過ぎに高速を降りて道の駅手前のコンビニに立ち寄り翌日の朝食や行動食を購入。道の駅に着いたのは0時半前後だったと記憶しています。車は数台停まっていました。空は満天の星空で翌日に期待が持てます。道の駅まではほとんど雪がなく「これは那須岳も雪がないか?」なんて会話をしましたが実際は全くもってそんなことはありません。翌日に備えてすぐに就寝、5時半に一発目の目覚ましを鳴らして5時45分くらいに起きる予定でした。
1月9日(土)登山当日
一発目の目覚ましでは全然起きられず、結局5時50分起床。辺りは少し赤らんできていました。トイレやらコンタクトを入れるのやら(先生)を済ませたらすぐに登山口に向けて出発します。高度を上げるにつれ車道はどんどん雪道に変わり、前夜の「山に雪がないのでは?」という予測が完全に外れていたことを思い知らされました。飛騨高山に引き続きこんな道を行きます。
6時半過ぎに登山口から少し下に位置する大丸園地駐車場に到達。そこから先、夏に訪れた際に停めた峠の茶屋駐車場へ至る道は通行禁止になっているようだったのでここをこの日の登山の起点とすることにしました。外は信じられないくらい寒い!にもかかわらずすでに数組の登山者が車から出て準備を始めていました。出発できそうなのになかなか出発しない人たちがいてなんだろうと思いましたが、おそらくその答えはこちら。
今にも明けそうな空。意図したわけではありませんがちょうど日の出のタイミングだったようです。ちょうど見晴台のようになっている場所もあったので写真を撮ったりしていましたがとにかく
これから雪山に登ろうとしているのに駐車場で寒いだなんだと言っていられませんがとにかく寒い。お湯を作ろうと思い火をつけてもガスが気化しないくらい寒い。あまりにも寒すぎて指が痛くなり靴紐を結ぶのも精一杯でした。そして6時50分・・・
意図せず御来光に遭遇!幸先がいいです。那須岳側を振り仰ぐと見事なモルゲンロートでした。
初めて軽アイゼンを装着する先生につけ方を簡単にレクチャーしたりしながら準備をしていたら、いつの間にか7時半を回っている。先生にとって初の冬山に出発するときがやってきました。
出発して少ししたところで、先生より「うまく歩けない」という相談が入る。後ろから見ている印象では軽アイゼンが足の裏の中央に位置していないことが原因のように思えたので、登山口の近くまで来た時点で位置を微調整して再出発。どうやら当たりだったようでそこから先は問題なく歩けたようです。OJT。そこから少し歩いたところに登山口があり、いよいよ山に入ります。
時刻は8時20分過ぎ。10分も歩いたら森林限界を超えてあたり一面真っ白な雪と氷の世界に突入します。
ここから先は駐車場の寒さがかわいく思えるくらい
気温もさることながら風!風なんです寒い原因は。露出している肌から容赦なく体温を奪っていきます。
だんだん顔の筋肉が硬直していくのが分かるくらいめちゃくちゃ寒い。それでも歩を進めていくと、遠方に小さく見えていた避難小屋が徐々に近づいてきました。
そして9時。ようやく避難小屋まで辿り着きました。避難小屋から振り仰いだ茶臼岳や朝日岳に至る道は絶望的に寒そうでした。
避難小屋付近は風を遮れるのでここで少し休憩です。ただ、動いていないとどんどん体温が下がっていくので数分もしないうちに再出発しました。やはりというか想定どおりというか、山頂に向かう道もめちゃくちゃ寒い。
固い雪をアイゼンで踏みながら歩くとキュッキュッと小気味好い音がします。冬山に行きたいと思う理由のひとつがこれといっても過言ではありません。静かな雪山でこの音を聞くと某漫画の「この音が・・・・・・オレを蘇らせる。何度でもよ」という台詞を毎回思い出すというのはここだけの話です。
さて、山頂に向かう足跡を辿っていきましたが途中でなぜか足跡が途切れている区間があり、新雪でずるずるずり落ちて全然足が持ち上がらない!数年ぶりに「足を蹴りこんで登っていく」という山岳会時代の教えを思い出しました。トラバース区間は踏み抜き地獄。地獄、とは書きましたが夏山ばかりの我々としては非常に珍しい状況なので大いに楽しみました。
山頂に向かう道中、先生のiPhoneがバッテリー残量50%ある状態でいきなり電源が落ちるという怪現象が発生。夏に来たときも同じくバッテリーが突然落ちていたが・・・寒さが原因なのだろうか。そんなハプニングがありながらも、9時50分にふたりとも無事登頂!ちょうど一人登山者がいたので写真を撮っていただきました。あんな鬼寒い中ありがとうございました!
山頂は強風が吹き荒ぶ極寒で雪なのか何なのかガスっている。せっかくなので青空の景色も見たいよな、ということで少し待ってみましたが一向に晴れる様子がないので後ろ髪を引かれつつも下山を開始することとしました。
登りはきつい雪山ですが下りはめちゃくちゃ楽。一気に距離を稼げます。
足がずぼっと埋もれたりしながらもワイワイ楽しみながら下っていたら避難小屋が視界に入ってきました。
夏と比較すると粉砂糖をまぶしたような景色です。下りながら何度か振り返ってみましたが、標高が下がるにつれ青空が少し顔を覗かせてはいたものの山頂付近は常にガス?吹雪?に覆われていました。
そして避難小屋に到着。そこにはこんな激カワなもふもふわんこがいました。
種類はおそらくアラスカンマラミュートでは?と思われます。さて、夏に来た際はここから分岐を朝日岳方向に向かい朝日岳~三本槍岳と縦走しましたが、天候が徐々に悪化していたのと今回は先生初冬山ということもあり装備不足感も否めなかったので、少し休憩したらそのまま下山することにしました。というより、とてつもなく寒いので休憩は数分ですぐに出発しました。時刻は10時半。極寒ですが冬山として人気の山なのかこの時間になって多くの人が登ってきていました。
下山を開始して振り返ってみると、そこには空と地面の境目も分からない真っ白な世界が広がっていました。
少し歩いたら森林に入り、駆け足気味に先を急ぎます。
行きにも通った埋もれた鳥居をしゃがんで潜ると、左側に夏訪れた際に使用した峠の茶屋駐車場が見えていました。手すりを見て分かるように雪がかなり積もっています。
ここからはあとは車道を横切りながら駐車場に戻るのみですが、このあたりから徐々に降雪量が多くなっていきました。予報ではこの日は一日中雲マークもない快晴だったはずですがいったい・・・?
GIFを貼ってみる、PART II。
そして11時半、駐車場着。車が予想以上にかなり増えていました。スキー客のような人たちも来ていたように思いますがここはスキー場も兼ねているのだろうか。
荷解きし、次の行動を計画。この日は愛読している『山と食欲と私』の最新刊(13巻)の発売日。初版の特典としてしおりがもらえるのに加えて、特定の書店で購入すれば単行本の表紙が描かれた13枚のポストカードからランダムに一枚もらえるらしい!該当する店舗で那須岳から一番近いのはビッグワンTSUTAYAさくら店。早速向かってみることにしました。
到着した書店で13巻を探してみると、本棚に1冊背表紙が見える状態で立ててあるのみ。あまり販売に力を入れていない印象を受けました。そしてレジに持っていくとそのまま会計を済ませようとするので「ポストカードもらえるんですよね?」と聞いてみたところまったく要領を得ない様子。「しおりのことですか?」などと逆に聞いてくるので「この表によるとこちらの書店ではポストカードがもらえると書いてありますが」とページを見せて伝える。少し待たされ、出てきた別の店員より「ポストカードを探してみます、お客様の住所にお送りしますがいかがでしょうか」などと言い出す・・・びっくりするくらい把握していません。対応が酷すぎるので「結構です」と告げてここでは13巻を購入せずに店を出ました。昼食にと考えていた書店すぐ近くの「餃子の正嗣」に行ってみたところコロナの影響なのかテイクアウトしかやっていない。正嗣は以前クライミング仲間と宇都宮の宮島町本店に行ったことがあったので懐かしく思い立ち寄りたかったのですが・・・仕方ありません。
昼食は後回しにして改めて書店の検索。調べたところ栃木県内では帰宅する方角にもう一店舗ポストカードを配布している店(宇都宮駅近くのくまざわ書店)があったので向かってみることにしました。二人とも空腹で体力ゲージが尽きそうだったのでくまざわ書店に向かう道中にある「みんみん高根沢店」に立ち寄る。ここは2018年8月に会津駒ヶ岳に登った際、下山後に立ち寄った店。2年5ヶ月ぶりに訪れました。
店舗に入って餃子を頼み、空いた時間を利用して山食の出版社にTSUTAYAさくら店の対応について連絡することにしました。久々に本気で頭にきており、何かアクションを起こさないと気が収まりません。しかしこの連絡をしたことによってさらにげんなりすることに発展していくことになることを、このときの俺はまだ知らない・・・。
餃子4人前をふたりで平らげ、改めて本屋に向かいます。時刻は14時25分くらいでした。そして到着したくまざわ書店。ここでは13巻が新刊として店頭に並べられて大々的に販売されており、ポストカードも漫画に張られたビニールの中に入れてあるという仕様。こうあるべきでしょ!!ようやく新刊に辿り着けました。
鮎美ちゃんの山ガール編に加えて、ハンバーガーの回が実に良い13巻です。さて、一度モールを出てからLOFTに立ち寄ることを思いつきモールに戻り、そして改めて出発。道中、上三川IC近くのガソリンスタンドにて5Lだけ給油し一路千葉へ。宇都宮あたりからなら高速も下道も変わらないので下道で向かうことにしました。そして18時前に自宅近所のスーパーに到着。無事雪山から帰ってくることができました。この週末は盟友Zと『仮面ライダーエグゼイドの会』も行なっていますが、これはまた別のブログにて・・・。
余談
後日出版社から返信が来ました。ポストカードを送りますので住所を教えてください、とのことだったのでその後くまざわ書店で無事本を購入できたことを伝えつつ住所を共有したところ、「TSUTAYAで本を購入したもののポストカードがついてきていないという問い合わせだったと勘違いしていた」そうで、もしポストカードを無事入手できたのならもう1枚送ることはできないとのこと。住所を聞いておきながら勝手な勘違いでポストカードは送れないというのは全くもって納得できることではありませんが、あまり揉めても得られるものがないので妥協して身を引くことにしました。せっかく漫画は非常に面白いのに、書店といい出版社といい対応が実に残念です。それでも山食愛は変わりませんがね!
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