厳冬期登山編: 四回目の蓼科山

1月2日(土)。世の中的にはおそらくのんびりするであろうこの日、俺は諏訪湖のほとりで5時45分に行動を開始します。これでも予定よりも少し遅いスタート。5時の目覚ましは華麗にスルーし、5時半の目覚ましの何度目かのスヌーズにてようやく目が覚めたのでした。睡眠を欲する身体に鞭打って朝一で登山口に向けて運転開始です。諏訪湖のほとりの空は快晴でしたが、山に向かう道に出たところで山のほうには雲がかかっているのが見えました。どの天気予報でも雲マークもない快晴だったのですが・・・

6時40分過ぎに登山口に到着。前日買っておいたおにぎりを朝食として食べます。あとから思えば朝食はもう少し食べておいてもよかったかもしれません。すでにそこそこ車が停まっており、登山の準備をしている人たちも見かけました。山のほうの様子はこちら。

女乃神茶屋の駐車場にて

うーん、曇っています。この日登る山は『蓼科山』。2016年2017年2020年に引き続き4回目となります。登るルートとしては2016年と2017年と同じ女乃神茶屋にある登山口から。季節的には2017年のときと同じ厳冬期登山となります。

蓼科山、地図
前日念のため撮っておいた地図。

これまでも真冬に山を登っていましたが低山ばかり。ここまで本気の冬山に登るのは2017年の蓼科山以来となります。緊張していましたがワクワク感のほうが勝っていました。おにぎりを食べたら準備に入ります。当たり前のように12本爪を付けようとしたところ、近くのグループは服装こそがっつり冬山スタイルでしたがアイゼンは6本(軽アイゼン)を付けている。確かに以前同じ時期に登った際も前爪の必然性は感じなかったので、軽量化と歩きやすさを重視し自分も軽アイゼンで行くことにしました。そして7時20分。準備が整ったのでいざ出発です。

割と車がいる。
厳冬期でも登りやすいので結構車がいます。

駐車場の真上は快晴でしたが山のほうは相変わらず雲がかかっていました。基本的に山の天気は期待してもろくなことにならないので天気については2021年も前年度と変わらず「期待しない」がモットーです。

登山口にて
三度目のこの登山口。

2021年初登山、スタートです!最初のうちはストックを使っていましたがむしろ歩きにくかったのでザックにしまいました。序盤はなかなか身体が温まらず、指先が冷たくて凍えていました。

雪にまみれた木々

服装はアンダーレイヤーに吸水速乾のTシャツ、その上にダウンジャケット+ハードシェルを着込んでおり、風の強さや身体の温まり具合でダウンを脱いだり着たりして調節。飛騨高山でも着ていた赤いハードシェルが本来の役割を存分に果たしてくれました。ハードシェルは暖かいわけではないのですが風を完全に遮ってくれるので体温が奪われず、また汗を吸って吹き飛ばしてくれるので汗によって冷えることも防いでくれます。ハードシェルは高い買い物ではありましたが持っていることで真冬の行動範囲が広がります。

登山開始1時間経過
登山開始後1時間くらい経過した時点で撮影。

まだ先は長い
こんな道を登っていきます。

気温自体は冷凍庫よりも寒かったと思いますが、身体を動かし続けているので凍えるようなことはありませんでした。ただしそれは森林限界までの話です。厳冬期に登るのも2度目なのでどのポイントから状況が一変するか覚えていました。

そして極寒へ・・・

ここが突風吹きすさぶ山頂エリアへの入り口。ここを超えると立っていることもままならない突風にさらされることになります。入り口が見えてきたあたりから徐々に歩みが遅くなる俺。頭の中で俺Aと俺Bがこんな会話をしていました。

俺A「早く決めろよ。」
俺B「なにを?」
俺A「覚悟を。」

覚悟を決められたかどうかは分かりませんが、重い足を上げて山頂エリアに入ります。頭の中ではあいみょんのマリーゴールドの冒頭だけ何度も再生されていました。

風の強さがちょっと
心を揺さぶりすぎて・・・

山頂エリアは予想通りの突風!体感温度が急激に下がります。体感ではマイナス20度を下回っていたのではないだろうか。山頂までショートカットしてやろうと思い斜めに突っ切ろうとしたところ岩と岩の間の雪がずぼずぼ抜けて非常に歩きづらい。無理するのはやめて登山道に戻りました。

突入!
赤いポールに沿って歩いていきます。

山頂までの道のりは全部曇っていたのに、山頂エリアはガスったり晴れたりを繰り返している。それくらいの突風が常に吹き荒れていました。そして9時40分ごろ。










蓼科山、山頂!!

着いたーーー!!!

岩が真っ白に凍った異世界感のある山頂です。ものすごい風で立っているのもやっとの状況でした。

風の強さがちょっと
ガスったり晴れたり。

こちらはこんな様子
違う角度はこんな状況。

手袋を取ると一瞬で指が凍りつくので、右手の親指だけ出してiPhoneで動画も撮影。必死です。

風の音がすさまじい。

俺が到着した時点で一人だけ登山者がいましたがすぐに去って行ったので少しの間一人で辺りの景色を堪能します。極寒の突風の中で。

凍りついた山小屋
下のほうに見えているのは凍った山小屋。

八ヶ岳ブルー!
山頂で一番晴れた瞬間。

真っ白な祠と鳥居
真っ白な祠と鳥居。

ここは異界なのか
ここは異世界か?

幻想的な蓼科山
幻想的過ぎる。

幻想的な蓼科山、其の二
幻想的過ぎる其の二。

山頂で右足のふくらはぎを思いっきりつるというハプニングに見舞われしばらく悶絶しますがなんとか動かせるようになりました。カリウム不足だろうか・・・。この日は行動中も結構お腹が空いており、朝食が足りなかったのかもしれません。ひとしきり真っ白な景色を堪能したところで、少し風を除けられる場所に移動して休憩します。

カッチコチです。
カッチコチの山小屋。

フローズン看板
看板も凍っています。

山小屋の脇には男女二人組みの登山者が温かいものを飲んでいました。俺もお湯を作って水筒に入れて持ってくるんだった!といまさら後悔。こんな鬼寒いところで一からお湯を作るなんて至難の業なので、空腹を満たすため行動食として持ってきたパンを食べるのみです。パンを食べていたらもう一人男性登山者が現れました。こんな極寒の場所によくみんな来ます。物好きばかりです。日が出ると眩しいのでザックをおろしたついでにサングラスを取り出して装着。男女ペアが出発したのに合わせて俺も出発しました。出発早々とんでもない風が吹き荒れます。視界がかなり悪くなったりもしました。

ホワイトアウト!

登山道の谷側へと傾斜がついているのでバランスをとりづらく非常に歩きづらい。何度も転びそうになりながらようやく山頂エリアへの入り口まで戻ってきました。

さらば、蓼科山
山頂方面を見上げて。

登山口へ
いざ下山。

ここからは展望もなく、登ってきたのと同じ道なので一気に駆け下ります。それなりの人数が登ってきており、何度か「山頂は風強いですか?」と訊かれる。そこはもう正直に「めちゃくちゃ強いです!突風です!」と笑顔で応える。「でも風が強いおかげでガスったり晴れたりを繰り返していて景色いいですよ」という情報も添えて。

雪だるさん

登りで見かけた雪だるさんに男性登山者が腕を追加しているところをちょうど通過。うん、気持ちは分かります。蓼科山の登山道は電波が通じたので仲間たちに2021年初登山の報告をしたりしながらのんびりと下山し、11時20分に駐車場に到着。ちょうど往復4時間でした。荷解きし終えて一息つこうとザックからボトルを取り出し水を飲もうとしてびっくり。

オートフリーズ

勝手に凍っていた。

いったいどれだけ寒かったらザックに入れていたボトルの中身が凍るのだろうか・・・冬山恐るべし。準備が整ったらまず向かったのは温泉。年末から年始にかけて俺は本当に何回温泉に入っているのだろうか。このとき向かったのは佐久市にある「あさしな温泉 穂の香乃湯」。

あさしな温泉 穂の香乃湯(公式ページ)
http://www.shinkou-saku.or.jp/honoka/

真っ白に凍結した道路を慎重に走らせます。出発した時刻は12時でした。車を走らせること10分強。唐突に現れたのがこちらの施設です。

懐かしの、場所

そういえばここ、20歳のときにカナダに旅立つ前に小学校の同級生らと来たな・・・と沈んでいた記憶が猛スピードで浮上してきます。10年以上の時が経った今、彼らは元気にしているのだろうか───

───20歳の自分を追憶しながらスキー場をひとしきり眺めたら、改めて出発。そして10分くらいで再び寄り道します。次は10数年前ではなくわずか数ヶ月前に訪れた場所です。

もうもう、看板

昨年お盆の旅の際にも寄り道した牛乳専科もうもうです。同じ場所から眺める風景も季節が違うと印象がだいぶ異なります。

夏には牛がいた場所
2021年1月2日撮影。

夏はこんな景色
2020年8月9日撮影。

草原が一面雪に埋もれておりなかなかの壮観でした。

奥に見えるのは浅間山
左奥に見えている雲を被っている山は浅間山

蓼科山、山頂は雲の中
遠方に見える雲を被っている山が蓼科山。

仲間たちに再びもうもうに訪れたことを報告したら改めて温泉へ向けて出発し、そして13時過ぎにようやく温泉に到着しました。お正月から結構賑わっていたこの温泉。露天風呂が広くて気持ちが良く最高でした。気持ち良すぎて少しのぼせてしまい、温泉から出たら休憩スペースで水分補給しながらしばし休憩。14時10分くらいに温泉を出発し、そして高速代をケチって下道でひたすら千葉まで前進し18時40分ごろ最寄のスーパーに到着しました。2020年の年末から始まった年越し食い倒れ旅行は厳冬期登山編へと移行し、これにて無事終了いたしました。

1月3日(日)、4日(月)はそれぞれガンダムブログ食い倒れ旅行 PART Iを書くのに費やしあっという間に過ぎ去り、そして仕事が再開し今に至ります。昨年10月から書いても書いても今に追いつけなかったブログでしたがようやくここにきて追いつくことができました。でもきっと、今年も色々なところに出かけまくり色々なことを体験してネタが溜まりに溜まり、また記録をつけることに忙殺される日々を送ることになる予感がしている。むしろ、そうであってほしいと思う。

2021年は、まだ始まったばかり。

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