遡ること4ヶ月───
6月末。ようやく自粛ムードが少し弱まり外出してもいい雰囲気になり始めたころ。ようやく今年一発目の登山に赴くこととなりました。決行したのは6月21日(日)。その週の水曜あたりからI氏・ちゃんMと3人で行く登山計画を始動させ、武尊山→浅間山→苗場山…とめまぐるしく変わる天気に合わせてどんどん計画を変更させてきました。このときだけでなく、今年の夏は天気予報が目まぐるしく変わる日ばかりで毎回内容を確定させるのに苦労しました。それでも結果的に良い思い出ばかりのシーズンになったあたり、苦労が報われたと言ってもいいのかもしれません。さて、今年初登山の話に戻ります。変更に次ぐ変更で最終的にその年初の登山としてはかなりハードな「高妻山」に決定しました。まずはこのときのメンバーを紹介したいと思う。
チーム紹介
2019年は何度も共に山に入ったこの3人の、2020初登山。早速振り返ってみたいと思います。
6月20日(土)登山前日
この日は月一の出勤日。定時であがってまずはちゃんMをピックアップしに北上します。18時50分くらいに合流、そのまま次はI氏宅へ。20時15分くらいにI氏をピックアップしようやく3人集合。この時点でも行き先はフワッとしており、合流した時点での予報を見て高妻山に決定。正直この時間から戸隠まで行くのは遠すぎるので避けたいと思っていましたが予報を信じるなら戸隠に向かうしかない。前回一人で行ったときは戸隠牧場まで突っ込みましたが、今回は出発時間が遅かったことから手前の道の駅・しなのを宿泊地(?)と定めて出発しました。出発後、すぐに近くのコンビニに寄り翌日の朝食や行動食、この日の夜のお酒を購入。まだ夕食を摂っていなかった俺は牛丼を買って車の中で晩飯を済ます。そして道の駅に到着したのは23時台。コンビニで買った焼酎で乾杯して寝る準備を終えて就寝したのは0時前後でした。空は満天の星空。翌日の天気に期待が持てました。
6月21日(日)登山当日
5時起床。天気は晴れでしたが雲が多く少し不安でした。
出発の準備が整ったらまずは登山口のある戸隠牧場に向かいます。一度来ていると土地勘があるので移動にてこずらなくて済みます。牧場に到着し、準備を終えて出発したのは6:10でした。少し遅めのスタートです。
登山口に到着したのが6時半。ルートは前回と同じ周遊ルートです。
2020初登山開始です。クライミングも再開したばかりでこの時期はとにかく運動不足なうえに外出を全然していない。山の緑が目に沁みました。
前回は秋の山だったので同じ山でも雰囲気が異なります。一年を一日に例えるなら、前回は寝る間際の山、今回は起きて早々の山といったところでしょうか。
さて、この日は序盤は快晴。男二人はどんどん進んでいきますがちゃんMが少し遅れます。社会人早々リモートワークという憂き目にあい2019年に比べて相当体力が削がれているようです。
休憩スペースのある六弥勒に着き、ちゃんMの到着を待つ間I氏とふたり少し休憩です。この時期はまだ「コロナ禍における登山」というものを手探りで模索しており、登山中のマスクの有無からすれ違い時の挨拶まで気を配りながらの登山となりました。久々かつコロナ禍初のこの登山で知ったのは、挨拶は普通にするしマスクも9割以上の人がしていないということ。マスクなんてしていたら息苦しすぎてそのせいで倒れそうだし、すれ違いざまの挨拶で感染するなら世の中全員感染しています。ということで、登山中のマスクはしない、挨拶も普通にするという方針に(少なくとも自分は)決めました。今年は山に行き過ぎていて記憶がやや曖昧ですが、六弥勒は人がそれなりにいて時期的に我々も少なからずコロナを警戒しており、ちゃんM合流後はあまり時間をおかずに出発したと記憶しています。
六弥勒を過ぎると目の前に高妻山が現れます。二度目のご対面ですが何度見ても迫力があります。
ここからは北アルプスや新潟の山々も姿を現しますが雲で一部隠れていました。そういえばこの日の他の山の天気は曇りだったので雲の中にいることのほうが予報的には正解なのかもしれませんが・・・残念。
さて、前回も書きましたが
急登です。先を行くI氏に激写されていたのがこちら。
とぼとぼ歩いているのがバレてます。その年の一発目としては高妻山は相当ハードです。もはやちゃんMは視界に入っていません。そのまま登り続け、ようやく水平移動する地点まで到着したところ、周りはガスの中。天気は読めません。ちゃんMを待ち、少し歩いたらようやく山頂に到着。
ガスってはいますがある程度景色は見えます。目の前にかろうじて見えているのは戸隠連峰。山頂にもそれなりに人はいる印象でした。スペースを確保し、まずは昼食。晴れたら絶景の山頂なので二人にも景色を共有したいと昼寝しながら1時間程度粘りましたがガスが完全に晴れることはなく、撤収準備をして来た道を戻ります。
さて、高妻山を周遊する場合下山時は六弥勒で分岐して沢沿いを歩きます。ちゃんMにひたすら「トラバースがあったり鎖場があったりして恐ろしい道」とびびらせながら進み、そんな中まず現れるのがトラバース。
そして鎖場の連続。
さらに沢沿い歩き。
なかなかにスリリングな道です。沢を下りきったら平坦な道に切り替わり、ようやく出発地点に戻った時点で登山開始から9時間半程度経過。ほぼコースタイムどおりでした。足は棒のようになっておりクタクタです。この週の前後と比較しても歩数がおかしいことになっていました。
28000歩は多いですが、今年はこのあと鳳凰三山、丹沢山日帰り往復でいずれも40000歩を超えることになります。
無事下山したところで、昨年入ったのと同じ「戸隠神告げ温泉湯行(ゆにーく)館」に行き今回はここで食事も摂りました。
今でも記憶に鮮明に残っているのはお店の方がおっしゃっていた「命がけで営業しています」という言葉。ひとつにはコロナの感染に対しての命がけという意味がもちろんありますが、営業しないと生活できないという意味でも命がけです。今年山に行く際はなるべく現地で食事を摂り少しでも協力できるように努めました。そしてこれからも協力できることは協力していこうと考えています。
ここには新鮮な野菜が多く売っており、ちゃんMが「キャベツ買って帰る」と言い出す。そして二人を送り届けた後、そのキャベツはまだ俺の車の中に鎮座していたのでした。渡しにいくこともできず、結局そのバカでかいキャベツは一週間くらい費やして一人で食べることになったのでした・・・。
二人を送り届け、22時過ぎに帰宅。こうして無事2020初登山が終了しました。この週末以降、7月末まで週末がことごとく雨予報で7月は一度も山に登れず、次の登山は8月1日の武尊山まで待つこととなります。
いつ感染するか分からない、様変わりしてしまった世の中で生活していくのは心身ともに疲れます。そんななか、山を登って感じるのは「変わらない姿でそこにあり続けてくれること」に対する絶対的な安心感です。振り返れば今年は高妻山のように自分にとって新しい山ではないリピート登山が多く特に感じることが多かったのですが、登山口、登山道、分岐点、山頂・・・世の中がどんなに変わっても山は以前と変わらない姿で自分を迎え入れてくれている。そんな安心感がありました。
夏山のシーズンはまだ始まったばかり。このあと待ち受ける密度の濃い夏の日々を、この時点でどの程度予想できていただろうか。
続く→
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