Prefectural Peak Hunting 38: 祖母山

道の駅・原尻の滝で迎えた11月17日の朝。どうも寒いと寝袋からすぐに出ることが出来ず、のんびりしてしまいます。車を出して林道の中を少し迷いつつ登山口のある駐車場に着いたのは8時20分くらい。すぐに支度して、出発したのはその5分後です。祖母山にはいくつか登山コースがありますが、前日の九重連山登山で膝に結構ダメージがきていたので今回選んだのはコースタイムが一番短い神原(こうばる)コース。案内板によると百名山の著者・深田久弥氏はこのコースで登頂されたらしく、また「日本アルプスの父」ウェストン氏は五ヶ所コースで登ったようです(明治23年!!)。コースタイムどおり進むと山頂まで3時間40分。登山開始直後は渓谷トレッキングが楽しめます。

少し歩くと五合目小屋。さすが百名山だからか、立派な山小屋でした。

ここでトイレを貸してもらい、すぐに出発。案内板によるとここから急坂が続くということでしたが、本当にここからは平坦な箇所殆ど無しの坂が山頂まで続きます。


少し雲はありましたが天気は概ね良く、こんな感じの道が続きます。

9合目から山頂までのアプローチ中に、前日久住山の頂上で会った有休消化中のおじさんと再会!!お互い「あれ!?」なんてことになり、少し立ち話しました。そのおじさんは祖母山のあと開聞岳に行き、さらに海を渡り屋久島に行くのだとか。屋久島に到着した後は淀川登山口から入り宮之浦岳をピストンする予定、ということで、最近宮之浦岳に登ったばかりの俺はありありと頭の中にルートを描くことが出来ました。一泊だとそれしかないが、もう一泊できるなら新高塚小屋まで足を伸ばしてはどうか・・・であるとか、永田岳最高でしたよ・・・等々。個人的には宮之浦岳のインパクトが強すぎたのか縄文杉の印象が限りなく薄く、「まあ縄文杉は行かなくても・・・」なんて話をすると「俺も写真とかで見る限り縄文杉はいいかな、と思っていた」と同意して下さいました。観光客と山に登るために屋久島に行く人たちにはこの辺の感性の違いがあるのかもしれません。

立ち話のあと、30分程度登って登頂。冒頭に書いた通りコースタイムで行くと3時間40分ですが、得意な「緩やかな登り」がずーっと続く道だったからかスピードが出ていたようで、山頂まで2時間15分で到着。山頂は広場のようになっており、5~7名くらいの人がいたと思います。神原コースの駐車場には俺以外に1台しか車がなかったので、皆それぞれ別コースから来た模様。多くの方が前日九重連山に登っていたようで、やはり九重連山→祖母山というのは一般的な流れのようです。例の如くこちらのサイトにて山頂から見える山々を確認させて頂きました。


正面に見えるのが前日登った九重連山。


こちらは阿蘇山。


一番左の山が傾(かたむき)山、右奥の山の中で一番高い(真ん中らへん)山が大崩(おおくえ)山。
この辺の山々は地図を見る限り祖母山から稜線で繋がっているようです。


遠くの稜線の一部は熊本県最高峰・国見岳みたいですが・・・どれ?と聞かれても説明できません・・・。


上に書いたとおり山頂は広場のようになっており、こんな祠も。


登頂の証。

山頂に少し滞在し、すぐ下山。登り続きだったということは当たり前ですが下山は下り続きになります。落ち葉があるところはよいのですが落ち葉のない土面が表に出ているところはつるつると滑って三嶺からの下山時の悲劇を思い出しました。途中、上でも紹介した山小屋にて少し休憩していると、貼ってあった貼り紙が目に入りました。

九州で熊!?!?

貼り紙に気付いたのが下山中でよかった?かもしれません。日本中どこでも気が抜けないということですね。ここからも滑らないよう慎重に下山し、車には13時前に到着。

このときのログ。今回の祖母山で、山と高原地図に載っている都道府県別最高峰はラスト。次からの山は山と高原地図としては発売されていない山々になります。この時点での残りは:

熊本県:国見岳
長崎県:雲仙岳
佐賀県:経ヶ岳
山口県:寂地山
広島県/島根県:恐羅漢山

あと5座!!終わりが見えてきました。すぐに熊本県の山に登りたいところでしたが、翌日・翌々日の予報は曇り/雨。急ぐ旅でもなくなってきたので、2日間は停滞することにしました。この日の宿泊先を調べていると、21時まで開いている温泉付きの不知火という道の駅を発見!ここを目指すことにしました。向かう途中、グリーンロード南阿蘇・通称「ケニーロード」を通過した際、阿蘇山がバーン!と見える東屋?があったので車を停めてしばし休憩。

道の駅に向かう途中、益城町を通過する辺りで道路の状況が徐々に悪くなっていきました。そうか、益城町は被災したんだ・・・地元の方々には本当に申し訳ないのですが、ここ最近の俺は現在の山巡りと旅が終わった後のことで頭がいっぱいになっており、ここに来るまで震災のことがすっかり頭から抜け落ちていたのでした。「風化」という言葉を身を持って実感したのはこのときが初めてかもしれません。4月にふるさと納税を通じて寄付をし、熊本地震ボランティアミーティングに参加したというだけで、時間の経過と共に同じ日本国内のことなのに思考から漏れてしまう。車を走らせながら見る風景にはまだ震災の爪あとがありありと残っており、それは陥没した道路や、倒れ掛かったガードレール、崩れた瓦屋根・・・といった形で目の前に飛び込んできます。忘れてはいけないことを忘れかけていた、と、運転しながら大いに反省。熊本で自分が出来ることは少ないだろうけれど、せめて一日は観光して出来る範囲でお金を落としていきたいと思う。下のビールは、道の駅に行く直前に立ち寄ったイオンモールで見つけた地元限定ビール。迷わず購入しました。

※2016/11/18追記※ 到着したらまずは温泉。道の駅の中にある温泉としては碇ヶ関を上回る規模で、中には特産品を売るコーナーなども充実。しかもこの日は毎週木曜日の感謝デーということで通常500円のところを300円!!助かります。温泉への出入り口の扉には「あとぜきをお願いします」という謎の貼り紙が。昔「ケンミンSHOW」で見た記憶がかすかに残っており、たしか「ドアを閉めて下さい」という意味だったかと。今調べてみたところ、予想は的中していました。広い温泉で、シャンプー/ボディソープも完備されていました。素晴らしい設備です。

温泉のあとは、車内で飲みながらのんびりと過ごす。そして一夜明けた11月18日現在、再び上のイオンモールに戻ってきて例の如くスタバでブログを書いています。明日も雨模様。一日を熊本観光に当てたいと思う。

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