Prefectural Peak Hunting 34: 三嶺(みうね)

前回のブログの、次郎笈からの続きです。思えば、同日に2県の最高峰を登るというのは三重県の日出ヶ岳和歌山県の龍神岳に登った時以来ですが、稜線で繋げつつ同日2座登ったのは今回が初めてで、さらに他の県では厳しいと思います。さて、しばし景色を楽しんだあと、出発。快晴だったとはいえさすがに標高1,900m付近は寒く、動いているときはいいのですがじっとしていると体の芯から冷えていきます。45分くらい歩き、丸石という山の頂上に辿り着いた時点で振り返ってみるとそこにも絶景が。


右に聳えているのが次郎笈、その左奥に見えるのが剣山。遠近法の妙で剣山の方が低く見えます。

木々のない開けた稜線から、樹林帯の中に入りますが非常に歩きやすい道が続いていました。


平地の公園にいるような錯覚が何度も起きました。

この先も同じような道が続きますが、場所によっては笹が膝下くらいまで生い茂っていて登山道が見えにくい箇所があり、朝露が溜まっているところではくるぶし周辺がびしょ濡れになっていました。スパッツを着けてきて正解です。このままどんどん進み、白髭避難小屋に12時着。以前計画した際はここに初日泊まろうと考えていましたが、今回の計画ではこの小屋に13時過ぎに到着し三嶺山頂に15:15に到着する計画に上方修正していました。結果的に1時間も短縮して到着できました。


白髭避難小屋。7名くらいのパーティが既に宴会?を始めていました。オレンジ色のテントがひと張既に張ってありました。

ここまでは思っていたよりもアップダウンがなく比較的楽に辿り着けたのですが、ここから先の三嶺までがかなりキツかった!かなり標高を下げてから、一気に山頂まで登り詰めます。


白髭避難小屋からもうひと山登ったカヤハゲというピークからの写真。
ここから一気に標高を下げて、正面の三嶺ピークまで登り詰めます。12:50撮影。


三嶺に取り付いて少しすると、こんな鎖場がどんどん現れます。文字通り「一気に標高を上げている」感じでした。


最終アプローチ、13:28撮影。ここからは飛ばして10分以内に山頂に到着しました。

ようやく山頂に着いたのは13:36。計画よりも1時間半以上早く到着しました。


三嶺山頂より、画面中央の一番高く見えるピークが次郎笈、その左側のピークが剣山。


歩いてきた稜線。歩いてきた道が全部見えるのは実に気持ちがいいです。北アルプスの時を思い出します。


三角点と標識。


別の方角を見ると、天狗塚(左奥に見える三角に尖ったピーク)への稜線が。これもまた美しいライン。


小屋への道。遠くにポツンと見える人工物が三嶺小屋です。

到着した時点では人が誰もおらず、景色を撮った上で自撮りして宿泊予定の三嶺小屋へ向かったのですが、小屋へ向かい始めるとタイミングがずれて人がどんどん小屋のほうから三嶺に向かってくる。この中には上で書いたオレンジ色のテントの持ち主も含まれており、ここまで来た上で白髭小屋まで戻るそうです。翌日見ノ越まで戻る?予定だったのだろうか・・・。あまりにも多くの人が向かっていったので、登頂写真を撮って頂くべく早足で小屋に行きザックをデポし、空身で山頂まで引き返しました。


撮ってもらった登頂写真、左耳の下に剣山が・・・。上着脱いでも暑いくらい日差しが強かったです。


遠くオレンジ色に輝いているのは海?に見えました。方角的には太平洋だろうか。

山頂で広島から訪れた2人組と30分くらい談笑していたら天狗塚の方から3人組が登ってきました。その彼らが小屋方向に向かったのを合図に、俺も戻ることにし後ろから広島からの2人組が続きました。


小屋に到着する直前の写真、前に見えるのが天狗塚方向から来た3人組。

小屋の手前で追いついたので少し話していると意気投合し、今後の予定を訊かれたので「一泊して明日の10:33のバスで名頃から見ノ越に向かう」と説明したところ、「今から名頃に降りて車で見ノ越方面に向かうので、よかったら乗っていかないか」というありがたすぎるオファーが!!うまくいけばこれで1日短縮し、翌日も快晴なので石鎚山に登れる可能性が出てきました。

ザックをピックアップし名頃方面へ下山開始。ダラダラと長い下り坂を進み、駐車場まであと少しというところで・・・事件が。水か電気を送っているような黒い色をした細いホースのようなものが地面を何本も這っていたのですが、それのひとつを踏んだのか今までで味わったことのないくらいツルッ!!と滑って転ぶ。もちろん今までの登山でも何度か転んでおりその度に事なきを得ていたのですが、今回は右手を突いた位置が角度のある固い木の根っこで、突きどころが悪かったらしく手を突いた瞬間目の中を火花が飛び散り、数秒間立ち上がれないくらいの激痛が走りました。おそらくこの状態↓


左手による再現写真、現在居るスタバにて撮影。

のさらに曲げ角度がキツイ状態になったんだと思うんですが、痛みがある程度去っても普段通り手が動かない。具体的には、指は曲がるんですが上のように反らせようとすると全く動かず、手を広げようとしても痛みが走ります。握りこむことも出来ませんでした。上の3人組は結構前に追い抜いており、先に駐車場に着いたので手をさすりながら待っていると3人が降りてきました。事情を話すと「それは大変!大事には至っていなさそうだけど、もし折れていたら変な風にくっつく前に病院に行っておいた方がいいのでは」と心配して下さりました。「誘ってしまったからこうなってしまったと思うと、申し訳ない・・・」とまで言って下さいましたが、翌日だったとしても転んでいた可能性はあり、下手したら足を捻っていたかもしれないと思うとむしろ手で良かったと言ってもいいのかもしれません。

郷土料理の祖谷(いや)蕎麦など教えてもらいながら和気藹々と見ノ越まで戻り、連絡先を伺ってお礼を言ってからこのあとの行動を検討しました。既に17時を過ぎており、さらにこの日は土曜日。救急病院など行ったこともなく全く知識がなかったのですが、幸い車を停めていたロープウェイ乗り場はネットが繋がったので調べてみると、こういう場合は当直の医師がいる病院を探すのがベストということが分かりました。一番近い病院の中から2箇所電話してみるも当直で整形外科医がいないということで断念。もっと範囲を広げて翌日登る予定の(こうなってもまだ登る意思がある辺り、褒めていいのやら)石鎚山の方の病院を調べてみると、少しルートからは外れますが高知市の病院が見つかりました。電話してみると24時間やっており当直で整形外科医がいるという。よし、行ってみよう!ということでナビに入れてみると、高速を使う条件で20時40分くらいには着けそうな模様。当直で22時以降になると医療費が跳ね上がるような情報も得ており、今回は背に腹を変えられないということで高速を使うことに(そりゃ使えよ!というツッコミが聞こえてきそうですが。しかも540円(笑))。

おそるおそる車を発進させると、運転には支障がないのでホッと一息。そのまま車を走らせて病院に着いたのが20時半くらい。受付を済ませて当直の医師に見て頂き、レントゲンを撮ってもらいました。このときのドキドキと言ったら、崖から突き落とされるかどうかくらい緊張していたと思います。レントゲンの結果が出たので再度診察室に行くと、開口一番「骨には異常がなさそうですね」。

マジっすか!!

地獄から一気に天国まで駆け上がったような気分でした。診察で分かったことですが、手の全体が痛いわけではなく局所的に痛いだけで、その位置は中指付け根の親指側。医師の説明によると、「この位置には帽状腱膜という腱があり、今回は帽状腱膜の橈側(親指側)を傷めたのではないか。帽状腱膜は指の関節を曲げるための大事な役割がある」とのことでした。「1週間くらいで日常生活を送る分には全く問題なくなり、1ヶ月もすれば強く握っても問題なくなるでしょう」ということで・・・いやはや本当にホッとしました。このブログを書いている時点で丸2日くらい経過していますが、反らせるのはまだ難しいものの握り締めることが出来るくらいには回復しました。相変わらず自分の治癒能力の高さに驚かされます。

既に心は翌日の石鎚山に向けて動いており、どこの道の駅に行くか、なんてことを考えていたのですが、支払いを行おうとしたところ「支払いは明日以降しか出来ないので、デポジットとして1万円頂きます」という・・・。どうすることもできないので、この日は近くの道の駅・南国風良里に泊まり、翌日朝一で病院に向かうことにしました。

今回は油断していたわけではなく、むしろ滑りそうな場所だったので注意しながら歩いていたのですが、結果的に怪我をしてしまいました。何が起こるかわからない、というのと、どんなことが起きてもなんとか出来る術は用意しておかなければいけないな、と身を持って知りました。今回は車だからなんとかなったものの、公共交通機関の場合だと同日に医者に診てもらうのは厳しかったかもしれません。ただ、逆にこれが右足の怪我だった場合車を運転できないのでその場合はどうすればいいんだろう?など、色々と考えさせられる契機になりました。少なくとも、こういった場合には「当直の整形外科医がいる病院を探しすぐに向かう」ことで手当てしてもらえる、ということを知れたのは自分にとってプラスになったと思います。

そして自分のタフさに自分でも驚きますが、翌日は石鎚山に登ることになり、別の(しょうもない)トラブルを引き起こすことになります。

石鎚山登山編に続く→

今回のログ。まさか下山まで同日にしてしまうとは思っていませんでした。20.6kmというのはなかなかの距離で、しかも累計高度(+)が1,718m、(-)が2,191mというのも我ながらよく歩いたな、という感じです。距離だけの話をするなら富士山の初日26.7km、燧ケ岳の往復25km強というのが記憶に残っている長かった山行で、今となってはひたすら歩いたいい思い出です。

5件のコメント

  1. >nagoyadragonwoodさん
    ご心配おかけしました。。。本当に、独りで動けなくなったら命にかかわりますもんね。気をつけます。

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