前回のブログから引き続き、屋久島の冒険DAY3です。さすが南の島、屋久島はまだまだ暑く、持ってきたアウターは殆ど使う機会がなく山行中は半袖で十分なくらいでした。今思えば寝袋ももっと薄手でよかったと思います。それはさておき、この日は支度をして5時に出発。この日も前日と同じく6時過ぎまで真暗だろうな、と思っていましたがやはり真暗で、その時間から宮之浦岳方面に向かう人は誰もおらずかなり心細かったのですが、屋久島は熊が出ないので普段より気楽に進めました。第一展望台、第二展望台、というスポットがあるはずですが第一展望台はいつの間にか通り過ぎており、気付いたら第二展望台に辿り着いていました。時間は6時前後、ちょうど夜と朝の狭間だったようで、上空には月、地平線(雲がありましたが下は水平線?)の彼方はうっすらと明るくなっている幻想的な光景が広がっていました。
ここから少し歩き、平石岩屋というスポットに到着したところで夜が明けました。そこにいたのは自分ひとり。息を呑むくらいの絶景を、ひとりで心行くまで満喫しました。そのときも感動に心が震えましたが、写真を見返すとその絶景っぷりを改めて認識できます。
左が宮之浦岳、モルゲンロートに輝く右の山が永田岳。このブログの冒頭の写真もこのとき撮った写真です。
幻想的な光景に心を奪われながら、少し進むと永田岳への分岐点に辿り着きました。そこにはザックがデポされており、そこで初めてこの朝自分より早く動いていた人がいたことを知りました。その人に倣い俺もザックをデポし、永田岳へ。この時点でコースタイムよりもかなり速いペースで動けていたため、このペースなら14:50に紀元杉のバス停から安房へ向かうバスに間に合うのでは?というのが頭に過ぎっており、永田岳へも少し速めに歩いていきました。今思えば、というより永田岳に向かいながら何度も思いましたが、ザックをデポしたときに雨合羽のズボンを履いておくべきでした。というのも、永田岳へ向かう道が思った以上に凄まじく笹に覆われており、朝露か前日の雨の影響か分かりませんがどの笹も水滴まみれ。おかげでインナーまでびしょ濡れになりました。そんな永田岳への道ですが、途中でザックをデポした人に追いつき、誰かと思ったら前日新高塚小屋にいた人でした。向こうも気づいたようで、「あ、ずっと小説読んでいた人ですね」なんて言われる。そうか、そういう印象になるんだなー、なんて思いつつ、その人と共に山頂へ。永田岳から見る景色は、種子島まで見渡せる絶景でした。
今回の旅で「山頂から海が見える山を巡っている」人にも出会い、そんな山旅も面白いなー、なんて思いました。利尻岳、鳥海山、白馬岳、富士山、永田岳・・・などなど。他にもまだまだありそうです。さて、永田岳を満喫したあとは笹でびしょ濡れになりながらデポしたザックまで戻り、少し休憩し宮之浦岳に向けて出発。到着した宮之浦岳からの展望は永田岳ほどではなく、それよりもそこに百名山をこの日の宮之浦岳で達成した人がおりその人のほうが印象に残っています。4年前に99座目まで登っており、宮之浦岳に来るのに4年かかってしまった、なんて話していましたが、俺の百名山制覇はいつになるのか、そしてどの山が最後なのか・・・そんなことにふと思いを馳せました。さらにこの山頂には現在岐阜に住んでいるけれど「毎週北アルプスに行くのに往復6時間かかるので」来年松本に引っ越すという人もおり、俺と同じことを考えている人がいるんだな~、なんてことも思いました。
宮之浦岳から先は基本的に下りで、途中東北から来た方と長話などして余裕こいていましたが、後から追いついてきた永田岳に一緒に登った方に「あれ、黒味岳まで行ってそこから紀元杉ですよね?」と言われ、余裕こきすぎた、と気付き少し急ぎ目に黒味岳へ。黒味岳山頂は少しガスっていましたが、山頂にいた女性曰く「ついさっきまでガスっていたけど今は見通しが良くなっています。きっと貴方は晴れ男な上に運が良いんですよ」なんて謎に嬉しいことを言われる。確かに、雨ばかりと言われる屋久島で連日快晴というのは運がいいとは思っていましたが、多分これは9月に巡った東北が悪天候だらけだったのに対するミエナイチカラの采配なのでは?と勝手に思ってもいました。
黒味岳から一気に下り、分岐点でデポしたザックをピックアップしそのまま急ぎ足で向かった淀川小屋に到着したのは13時前。もともとの計画ではこの小屋にもう一泊して尾乃間歩道を下る予定でしたが、この小屋も日によっては満員になるという話を聞いており、さらに翌日尾之間歩道を下山のためだけに8時間も歩きたくないな~、と思っていたので、予定を変更し下山することに。紀元杉のバス停にはあっという間に到着し、そこには永田岳に一緒に登った方やそのあと何度かすれ違った方がおり「速いですね~」なんて言われる。確かに、本来のコースタイムだと17時くらいに着くところに14時に着いていたのは自分でも驚いたし、しかもこれでも途中余裕をかましていたくらいでした。とはいえ、5時スタートの14時着、さらに少し飛ばして歩いたので足に結構な疲労が溜まっており、早く宿に落ち着きたい気分でいっぱいでした。時刻どおりにバスが来て、安房に到着。翌々日借りる予定だったレンタカーを翌日からに変更し、宿にも電話を入れバスを乗り換えて再出発。泊まった宿は個室、ドミトリー、テント、と選べますが、この日は夜から雨予報だったのでドミトリーにすることに。近所のスーパーでお酒を買って、一日を振り返りつつ宿にあった小説を読みながら晩酌。最高の縦走となったこの日はこうして幕を閉じました。
このときのログ。白谷雲水峡から入り宮之浦岳を経由し、紀元杉のバス停に向かうローマ字のCのような形をしたルートです。逆に淀川登山口から入り白谷雲水峡に抜けるルートを取る人も多いようです。
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