定住することの意味を考える:其の一

神戸から名古屋に辿り着き、4ヶ月強に渡る全国の山を巡る旅が終わったのが12月5日。ブログの更新が滞って3週間以上が経ってしまいました。この3週間、もちろん何もしていなかったわけではなく、会社勤めから全国を巡る旅を経てさて次はどのような生き方にしようか。そんなことを考えながら、次の一手を考えていました。旅を始めた頃から「定住することの意味」 を模索することが旅のテーマの一つでもありました。が、旅を続けていくうち、むしろ「旅を続けて各地で色んな人に出逢い様々なものから刺激を受け続けること」こそが自分らしい生き方なのではないか、と思うようになりました。

・・・とはいえ、全都道府県の最高峰を登る、という旅の目標を達成してしまった今、ただ単に放浪しても面白くない。旅をしながら痛感したことですが、都道府県ごとの山に登る、という目標こそが前に進む原動力になっていて、その目標が無く単に日本各地を巡るだけだったら達成感も満足感・充足感も数分の一になっていたと思います。海外旅行にせよ国内旅行にせよ、景勝地であるとかリゾート地、という程度では行く気があまり起きず、やはりそこには登りたい山がほしい。そう考えると、今はまだ具体的な目標は無く、漠然と考えているのは今回の旅のような夏山縦走スタイルをより難しい方向に発展させていきたい、ということです。異なるスタイル(トレラン、アルパイン等)で、より難しい登り方(バリエーションルート、沢等)で、厳しい季節(残雪期、厳冬期)に登る。おそらくこれを突き詰めていった先に次の目標が見えてくるような気がしています。そしてこれをやるにはまだ自分は経験不足で、やはり一旦はどこかに腰を据えて自分のスキルアップを図らないといけない、と思うようになりました。

旅を終えても、定住することの意味は見つけることが出来ず、ここだ!という場所にも巡りあいませんでした。もし一箇所に腰を据えるとしたら、定住する場所というよりも「やりたいことが最もやりやすい場所」がいい。定住地というよりもベースキャンプとしての住む場所、と考えたとき、今回の旅で最も面白くやりがいがあり、さらにまだまだ行きたい山がある北アルプスに近い長野県が思い浮かびました。仮に場所を長野にするとして、そこで何をするか。これが最も頭を悩ませたことで、旅が終わった頃にやりたいことが見つかっている・・・というのは旅を始める前の甘い考えで、旅が終わった時点では具体的にやりたいことが定まっていませんでした。漠然と、日本に来る外国人相手の仕事がしたい、というのはあったのですが、とはいえホテルやツアーガイドのような仕事はピンと来ず、どちらかというとバックパッカーのような旅人を手助けできるような仕事がいいな、と考えていました。バックパッカーが集まる場所、それは今回自分も旅の間利用させてもらったゲストハウス。働いたことが無い以上この仕事が自分に合っているかどうかを判断することが出来ませんが、自分のやりたいことに近いと感じてはいました。

この一連の考えは旅の後半で既に頭の中にあり、旅の合間に長野県を中心にゲストハウスの求人を探したりしていました。最後の山、恐羅漢山に登る前日に初めて問い合わせたゲストハウスがあり、旅が終わり名古屋に戻ってから再度問い合わせました。そして前回のブログを更新した翌日(12月7日)、初となる長野市に赴きオーナーの方に面接して頂いてきました。旅が終わって2日後には長野市にいた、というのは自分でも行動的だな、と思います。


長野に行く途中、松本辺りから電車の窓の外に見えた風景。常念岳あたりです。


善光寺。善光寺といえば、山梨で訪れた甲斐善光寺と全く同じ形をしています。

12月7日は日帰りで名古屋に戻り、一日考えた末、翌8日に面接を受けたゲストハウスでお世話になることに決めました。色々と悩みましたが、新しい土地で新しいことに挑戦するほうが、自分の性に合っていると思ったのが決め手です。年末に既にいくつか予定が入っていたので、勤務開始は少し無理を言って2017年1月4日からにして頂きました。これで職場が決まったとはいえ、まだ住む所が決まっていない。12月8日~9日にかけてネットで部屋を探せるだけ探して、不動産屋さんに連絡を取り12月10日に再度長野市を訪れ物件を8箇所訪問。結局5箇所目に見たところにその場で決め、名古屋への最終電車(19時40分)に滑り込みました。長野への移動日は12月17日です。

名古屋に戻ってからは、翌11日から16日まで引っ越しの準備を進めました。その間、北アルプスで知り合い旅の合間に一度再会しているMさんと再会(15日)。ご自宅に招いて頂いたのですが、お寿司やすき焼きなど、本当に本当にご馳走様でした!!ビールに日本酒に、山口のSさんもそうですが山をやっている人で酒を呑まない人っているんでしょうか。山の話で盛り上がりに盛り上がってあっという間に5時間以上経っており、いつの間にか終電間際。実に楽しい時間でした。またの再会を楽しみにしています!余談ですが、この日Mさん宅に向かう道中買った「山と食欲と私」があまりにも面白すぎて、既に何周か読んでいます。山好きな人にはかなりオススメな漫画です。


ベッドがあるのに休日に部屋で寝袋に包まっている主人公・鮎美。

そして12月17日。朝一で家を出て、下道で6時間程度かけて長野に移動しました。思えばまだ10日くらい前の話なのですが、もうずいぶん前の話のように思います。車中泊仕様にした愛車・タントは「ワンダラー号」と心の中で名付けていましたが、ワンダラー号最後の仕事がこの引っ越しでした。ベッドや冷蔵庫など家具・家電がまだないので、軽自動車だけで移動できるあたり身軽で良い。到着して中身を全て部屋の中に移す前に、今後いつでもワンダラー号を復活させられるよう細かく写真を撮っておきました。さらばワンダラー号!また会う日まで。


次にこの形態にするのはいつになるのか・・・。

17日はある程度片付けただけで終わり、家具が殆どないので食事や寝る風景としては旅をしている最中と大差ありません。


ガスコンロも冷蔵庫も無いのでこの日の夕食はコンビニのおでん。見た目はおままごとです。

翌18日から20日までの3日間で家具・家電を一気に揃え(同時に財布がどんどん軽くなる泣)、なんとか人が生活しうる最低限の装備を揃えた状態がこちら。

20日までに一気に揃えた理由。それは、21日から23日にかけての3日間、友人らに会いに東京に行く予定があったからでした。翌21日からは東京編になります。

続く→

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