続・9/16。鳥海山から下山し大物忌神社に立ち寄った後は登山の汗を流しに温泉へ。月山の登山口へ行く途中の酒田市にある八森温泉・ゆりんこに寄りました。ここは烏龍茶のような色の温泉が特色で、Googleのレビューにも書かれていましたがジェットバスの威力が凄まじく強力で気持ちよかったです。温泉に入ったあとは登山口へ移動するわけですが、あとから思えばこの時点でどの登山口から登るか吟味しておくべきでした。
今回向かったのは姥沢という登山口で、使おうと思えば山頂付近までのロープウェイまで用意されている短めのルート。到着した時点で既に2台ほど車が来ており、1台は外にテントを張り山形弁?全開で賑やかに話し込んでいました。月山は松尾芭蕉が登った山ということで、ここまでくると自分は奥の細道を巡っているのか?なんてことすら思い始めておりましたが、とにかく翌日が楽しみでした。
月山は山頂に神社があるということで参拝を予定していたのですが、ふと山頂の神社に参拝できる期間を調べてみるとなんと9月15日まで!登山口に到着したこの日は16日で、登るのは翌17日。2日遅かったのでした。色々と調べてみると、8合目にも別のお堂があってそちらでも参拝可能という情報もあり、翌日の行程を考えながら就寝。この時点ではまだ俺は登山口の選択ミスに気付いていないのでした。
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翌9/17早朝。5時過ぎに起きてその日のコースタイムなど見るために地図をじっくり眺めたところ、お堂があるのは別の登山口から登った場合の8合目!!姥沢コースは月山頂上を挟んでお堂があるコースの反対側に位置しており、両コースは頂上でしか交わらない。登頂してから反対側に降りて登り返すのもおかしな話。しまった~!と思っても既に後の祭り。ここ最近の登山で山と社寺の関連性に興味を持っていた俺は、可能であれば山と関連するお堂へは立ち寄りたいなと考えていたので、月山で開いているお堂に立ち寄れないというのは非常に残念でした。
月山・湯殿山・羽黒山の三山からなる「出羽三山」の位置関係を把握したのもこの朝地図を見てからで、もともと月山だけ登る予定だったところを他の二山にも行ってみようかな、と思い立ったのもこの朝。あまりにも行き当たりばったり過ぎました。詳しく調べていなかった自分がいけないのですが、さらに突っ込んで地図を見てみると、鳥海山方面から来て効率よく出羽三山を巡るのならお堂のある8合目の登山口から登り、下山後に羽黒山、そのあと湯殿山に行くのが最も効率がよく、姥沢から月山に登ると非常に効率が悪いことに気付きました。地図を見ると湯殿山までなら月山から登山道が続いており、頑張ればピストンできるかもな、なんてことを思いつつ、自己嫌悪が拭えないまま登山を開始しました。
登山開始直後に見た月山、この時点ではまだ青空も覗いていました。
そんなこともありつつ、とにかく月山に登らないと始まらない!ということで、気を取り直して登山開始。始めのうちこそ青空も覗いていましたが、どんどんガスが上がってきて1時間くらい経過した時点で振り返ってみるとこんなことに。
この調子だと月山の頂上に至った時点で展望は全く期待できないな、と感じ、案の定山頂の神社でも視界はかなり悪い状況でした。
山頂が神社というのは立山の雄山以来。すでに閉山しており扉が閉じられていました。いずれまた登りに来たいと思います。さて、月山に登頂した後のプランを風が吹きすさぶ山頂付近でかなり悩み、一瞬お堂のある月山8合目に降りようともしましたが、これでは登ったルートがあまりにも不自然で全く美しくない。今回の山行で月山にあるお堂に立ち寄るのは断念しました。ガスが少しでも晴れれば登山道が繋がっている湯殿山に縦走しようかとも考えたのですが、あまりにもガスが濃く全く楽しめそうになかったのでそれも断念。断念続きで残念な気持ちになりながら下山しましたが、結果的に月山から湯殿山への縦走はしなくて正解でした。
天気もイマイチで参拝も出来なかった月山下山後は、気を取り直して湯殿山へ。有料道路を通り大駐車場に到着。ここには巨大な鳥居があり、この鳥居がもともとは来るか迷っていた湯殿山に「これは来て正解だった感じがするぞ・・・!」と思わせる圧倒的な存在感でした。
車から降りてこの巨大な鳥居を通過し、バスでも行ける参拝道をせっかくなので徒歩で上がり、湯殿山神社への起点になる石段のあるところへ。この場所にある案内板で、初めて松尾芭蕉が湯殿山にも来ていたことを知りました。この案内板には”湯殿山本宮は、古来「言うなかれ」「聞くなかれ」と戒められた清浄神秘の霊場”と記されており、松尾芭蕉も;
語られぬ湯殿にぬらす袂かな(おくのほそ道)
と残されています。湯殿山では実に特異な体験が出来ましたが、「語られぬ湯殿」ということで、ここにも詳しくは書かないことにします・・・本宮にて御朱印はしっかりと頂いてきました。見開きで迫力のある御朱印です。
本宮には月山へ続く登山道があり、少し奥まで行き様子を見てみたのですが、鬱蒼と生い茂る沢沿いを登っていく形になっており、月山から来てピストンするとなると草木生い茂る沢沿いをガッツリ下り、またガッツリ登り返す事になってしまいます。今回は繋げなくて正解でした。もし次回縦走で繋げるのなら、車ではなく公共交通機関で来て、月山8合目からスタートし湯殿山の起点へ下るのがベストかな、と思いました。
さて、ここまできたら出羽三山の最後の一座・羽黒山にももちろん登ります。例の如く何も調べずに来ましたが、ここはものすごい段数の石段を登ること(今調べたら2,446段!!)、国宝「羽黒山五重塔」を見学できること、などが特色との事で、「これは楽しみ!!」と、湯殿山同様登る前から来て正解だったと思わせる印象を受けました。
月山神社・湯殿山神社は開山期間が限られているため、通年で参拝できるように三神を合同で祀った羽黒山にある神社の本殿は「三神合祭殿」というそうで、そんな羽黒山の神社は「出羽三山神社」といい、月山神社・湯殿山神社・出羽神社の総称ということです。
入り口の門をくぐり、石段を少し進むとさっそく五重塔が現れます。
実に雰囲気のある五重塔でしたが、石段はまだまだ始まったばかり。先を急ぎました。ここ最近はひたすら山ばかり登っており健脚を自負している自分ですが、それでもこの石段にはかなり辟易しました。
さて、石段をひたすら登っている最中、芭蕉塚と呼ばれる場所がありました。石段を登り始める前に知ったことですが、ここにも松尾芭蕉が来ていたということで、もう何度目か分かりませんが相変わらず自分は松尾芭蕉の足跡を追っているのだなと感じる。ここでは;
涼しさやほの三日月の羽黒山(おくのほそ道)
と詠んだということでした。いずれ松尾芭蕉の残した句の真意を詳しく勉強してみたい、と、そんなことを思いながらひたすら石段を登ると、ついに本殿に至る鳥居に到着!
鳥居の奥にある本殿は非常に立派な茅葺き屋根の建物で、近くのお土産屋さんに貼ってあった案内の用紙には「茅葺きの木造建築物としては日本最大!その厚み2.1m!」とありました。
三神を祀る本殿ということで湯殿山神社、月山神社、出羽神社、とあります。
本殿の近くには松尾芭蕉の像が。氣比神宮、中尊寺、に引き続き、また再会しました。
湯殿山に引き続き、ここの御朱印もまた両開きの迫力あるものでした。
出羽三山を巡り汗をかきまくったので、温泉!温泉!!ということで温泉を検索。この時点での翌日の予定は、次に登る可能性のある大朝日岳、屏風岳(蔵王)共に翌日の天気が午前中雨という予報だったので、登山は諦め山寺訪問としていました。ちょうど山寺付近には「天童温泉」と呼ばれるエリアがありそこにはこの夜行く予定の道の駅もあるので、その周辺の温泉施設を探しました。今回はその中でも露天風呂が広いことで有名(しかも300円と安い!!)な天童最上川温泉・ゆぴあに行くことに。その道中、この日発売の週間少年ジャンプをコンビニで入手。この号にはこち亀の最終話が載っており、これはもう買わないわけには。ちなみに天童市は将棋駒の生産量日本一らしく、温泉施設にもそれを物語るものがいくつもありました。
広い露天風呂でしっぽりしたあとは(シャワーの水圧がなぜか激弱いのが残念!)、スーパーで食材を買って道の駅へ。ここは今回の旅で訪れた道の駅の中で最も混んでいる!と感じた道の駅で、翌日曜の朝起きた時点でも既に満車に近く日曜日だから?かは分かりませんがとにかく激混みでした。結果的にこの日曜日にもう一泊することになりますが、月曜(敬老の日)の朝まで激混み。祝日だったからでしょうか。
さて、この夜は秋田へ向かうフェリーの中で飲んでいた焼酎の残りを水割りにし、ちびちび飲みながらこち亀。ある意味こち亀らしい?最終話を、じっくりと堪能しました。
出羽三山からこち亀最終話まで、実に濃かった9月17日。山形放浪記は翌日の山寺に続きます。
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