終わりよければ全てよしという諺があります。では内容は良かったものの終わりは微妙だった場合はどうなのか?これを考えさせられたのが2021年15回目、自身初となる北岳登山でした。振り返る前にまずはこのときの登場人物を紹介したい。
チーム紹介
前回のブログでは先生と合流したところまで書きました。さっそくそこから振り返ってみたいと思う───
7月21日(水)登山前日
合流後、まず向かったのはすき家・甲州街道柴崎店。ここには2月の蓼科山、4月の雲取山のときも訪れており毎度おなじみになってきました。例のごとくこの時間帯(22時少し前)は店内で食事することができません。車内で食事を済ませて向かったのはイオンタウン稲城長沼店です。苗場山でのハンバーグだけのシンプルなホットサンドからワンランクレベルアップさせようということでこのとき買ったのは
- 全粒粉のパン(麦のめぐみ)
- 日本ハムのプルドビーフ(5月13日発売開始したばかりらしい!)
- クリームチーズ仕立てのベビーチーズ
これらを挟んで焼いたものを山での夕食にすることにしました。ほか、赤ワインやら水やらを購入し22時41分にレジを済ませて店をあとにする。この店舗は22時45分閉店なのに普通に多くの客で賑わっていました。近くのセブンで翌日の朝食用おにぎりとお茶を買い山へ向けて出発です。向かったのは芦安の駐車場。今年は7月19日からオリンピックによる値上げが首都高において期間限定で行われており、府中スマートICから乗ることでこれを回避することに成功。値上げ期間中は首都高は空いていたかもしれませんが値上げ区間を回避しようと下道が基本的に渋滞。迷惑な話だ本当に・・・。
首都高値上げ区間。分かりづらいが中央道は調布ICから通常料金。
コロナ禍のせいで休日割引もないし困ったものです。さて、芦安の駐車場に到着したのは0時あたりだったとぼんやり記憶しています。思ったよりも時間がかからず「北岳近いな」という印象でした。駐車場が相当広いのにもかかわらずほとんど埋まっており、第3駐車場でかろうじて一箇所空いているのを見つけました。車中泊の準備をしている最中にもどんどん車が入ってくる。翌日は混むだろうなと予感していました。4時台に起きるべく就寝。そして当日へ───
7月22日(木)登山初日
4時台起床。食事もせずに支度を開始します。周りは既に慌しく支度を開始しており焦る必要もないのに焦ります。5時過ぎに到着したバスのチケット売り場はこんなことになっていました。
行列。
GWの唐松岳を思い出します。いやあれよりはマシか・・・。
列は思ったよりもさくさくと進み、バスも凄まじい台数(たしか帰りの乗合タクシーの運転手の話では10台くらい?)用意されていたのですぐに出発することができました。結果的に6時半くらいには登山口のある広河原に到着。行列ができる前に(すでにできかけていましたが)トイレを済ませ、朝食。世の中的にはまだ朝早い時間帯だと思いますがとんでもない人混みでした。
さて、肩ノ小屋のテント場は予約不要とはいえスペースに限りがあるのでいい場所を確保するためにも早めに出発します。
40Lザックを山に初使用、先生です。さて今回は登山開始してすぐの白根御池小屋分岐を大樺沢(おおかんばさわ、と読むらしい)に沿って進み、大樺沢二俣を右俣コースで急登を進みます。ということでまずはゆるやかに標高を上げつつ沢沿いを歩きます。
日陰なので比較的涼しいのとあまり坂がきつくないのでこの時点ではかなり余裕がありました。この時点では・・・。樹林帯を越えて日向に出ると強烈な日差しが襲い掛かってきます。良くも悪くもこの日は超快晴!!
8時20分ごろ、ようやく大樺沢二俣に到着。大勢の人が休憩しておりスペースがあまりなかったと記憶しています。
こんな感じでゆるく登っていくのならなんとかなるな、と思っていた我々は完全に見通しが甘かったと思い知ることになります。この先我々が進む右俣コースは花が綺麗だ何だと山小屋のサイトの説明に書いてありましたが花を愛でる余裕が全くないくらい
キツい。
急激に標高を上げて徐々に北岳が近づいてきます。久々にテント泊装備をフルでかついでの本格登山。急坂は堪えます。
上の写真は急登のちょうどまんなかあたりで撮りました。ここから先は数分に一回のペースで休憩しながら進んでいくことになります。ゆるやかな坂から一気に登っていくというのは常念岳のときと似ていますがこちらのほうがはるかにキツい。上の写真から少し登ったところに開けたところが現れたので長めの休憩を取ります。同じく休憩している人がチラホラいたと記憶しています。眺めは最高だったのでこんなパノラマ写真を撮ってみたり。
ここにいたカップルが印象に残っています。可愛い感じの彼女とデレデレの彼氏で、彼女の写真を撮ったあとに「サービスショットいただきました!」とか騒いでいました。もちろん再出発後颯爽と追い抜く我々ですがサービスショット自体は気になりました。さて、再出発するとさらに標高が上がり周りの山々も見えてきました。さすが北岳、南アルプスの名峰に囲まれています。
鳳凰三山。あれもキツかった・・・。
仙丈ヶ岳。南アルプスの女王と呼ばれるこれまた素晴らしい山。
この時間帯から徐々に雲が出てきました。右俣と草スベリコースが合流するところで改めて長めの休憩を取り、そこから急登を少し登ったところでようやく小太郎尾根分岐に到着しました。時刻は10時55分。大樺沢二俣からコースタイム2時間半のところを2時間程度で到着しているのであれだけ休憩してもコースタイムよりは幾分か速かったようです。あとはゆるやかな登りを小屋に向かうだけか・・・と思いきやこの登山道は最後まで甘くありませんでした。
まだ結構長いうえに遠くのほうで結構登っているのが見えます。10分くらい歩いたところで案の定急登が現れました。
同じペースで歩いていた女性登山者の人と「いや~ここにきてこれは心折られますね」なんて会話をしたと記憶しています。本当に心折られる!
おそらく甲斐駒ヶ岳が見えていましたがガスの中でした。
体力を振り絞って歩いている先生のこの時点での表情がこちら。
遠くに仙丈ヶ岳の絶景が見えているのにこの表情!もうくったくたです。そして11時半くらい、ようやく肩ノ小屋に到着。くったくたでしたがまずはテントを張る場所を探す必要がありました。ザックを適当にデポして広いテント場をウロウロしているとギリギリ張れそうな平らな場所があり、そこにするべく先生に場所をとってもらいつつデポしたザックを取りに行きました。そして先生の元に戻るとなにやら隣のおじさんと話してる様子。話を聞いてみると、どうやらその人はぼちぼち撤収するのでその人がいる広めのスペースを使っていいとのこと!助かります!そしてその人は前日肩ノ小屋にきてこの日は朝一で間ノ岳まで行って戻ってきたのだとか・・・。お勧めされましたが先生が苦笑いしているのでもちろんそんなプランは立てません。テントを撤収して担いで間ノ岳まで行って戻ってきたほうがトータルの時間が短くて楽になるとかなんとか言っていたこのおっさんはタフです・・・。
近くではグループできている人たちがまとめてテントを張れるスペースがなく、土の上ではなくやむをえず草木の上に張ろうとしているところを別のおじいさん?登山者に「そこは張っては駄目だろ!」と怒鳴られていたりとなかなかのカオスっぷりです。さて、隣のおじさんが撤収している最中、我々がもともと張ろうとしていたあたりでテントを張れる場所を探しているソロの男性登山者がいたので、事情を説明してもう一人分のスペースを確保できる旨を伝えたところそこに張ることになりテント仲間がひとりできます。なんでもその人は肩ノ小屋が好きでもう来るのは3回目なのだとか。ここには面白い人ばかり集まっているのだろうか。
さて、テントを張りひと段落したら北岳の山頂を踏みにいきます。北岳山頂までは登り50分の距離。とはいえ荷物がほとんどなく、アタックザックに必要最小限のものを入れているのみなので楽に登れます。一気に駆け上がり、30分程度で山頂に到着。そしてそこは・・・
ガスの中。
自分としては記念すべき80座目の百名山なんですが情緒も何もあったものではありません。確かにテント場を出発した時点からガスってはいたものの少しは期待したんだが・・・。
少しは晴れんか!と思い30分程度山頂で粘ってみるものの一向に晴れる様子がない。あきらめてテント場に戻ることにしました。
テント場に戻り、まずしたことは
ビールで乾杯!しかしもっとあっついところで冷たいビールを飲みたかったというのが本音です。時刻は14時過ぎ。この時間もまだまだ到着する人がいました。ビールを飲みながらのんびりしていると、ようやくガスが少し晴れてきました。
さて、14時40分くらいから17時20分過ぎまでの記録(と記憶)が残っていませんがおそらく昼寝でもしていたんだろうと思われます。17時20分過ぎにテントから出てまず行なったことは夕食作り。苗場山に引き続きホットサンドメーカーの登場です。
挟んでしまえばあとは焼くだけ。5分足らずで完成します。前回のハンバーグのみホットサンドと比較してこれが
うまい!
上の写真で先生はうまいの「う」をまさに言う瞬間です。さてこの時間帯。相変わらず雲が多かったものの周りの山々が少し見えるようになってきていました。食後、山小屋のほうへ行き反対側の景色も見てみることにしました。まず驚いたのは
テントの数。
とんでもないことになっていました。本来は張る場所ではない小屋の前にも大量のテントが張られている。絶対に落ち着かないと思う・・・。
テントを張った側よりも反対側のほうが山々がよく見えていました。特に印象に残っているのが富士山と鳳凰三山でした。
記憶ではこのあと水を汲みに並んだと思いますが、人数に対して蛇口が少なすぎてぜんぜん対応できていない。20分以上並んだのではなかろうか。19時ちょうどくらいにテントに戻ると、ほぼ沈みかけた夕空の中に仙丈ヶ岳がばっちり見えていました。
翌日は日の出の予測時刻が4時45分。この時刻にあわせて4時前に起床し4時前にはテントを出て山頂に向けて出発する予定です。19時にテントに入って寝ることにしましたが、19時40分ごろに雨が降ってくる。テント大丈夫か!?こんな天気で明日御来光見られるのか!?と不安になりますがすべては杞憂に終わります。寒くてあまり眠れない夜を過ごし、そして起床時間を迎えます。
二日目に続く→
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