大分放浪記: 温泉郷は追憶の旅。


懐かしの黒川温泉にて撮影。

釈迦岳から下山したところからの続きです。翌日の九重連山登山を計画するために地図を広げてみると、九重連山からすぐ近くに黒川温泉があるではありませんか!

本当に近い。秋田の乳頭温泉郷といい、山と高原地図には実に詳しく温泉の情報も載っています。黒川温泉といえば、2012年の夏に友人らと訪れており、今回行くのは4年振り2回目。前回の旅行のことはブログにつけていませんでしたが、由布院や黒川温泉を巡ったあの時の旅は最高で良い思い出です。当時は山をやっていなかったので、九重連山がこんなにも近いとは待ったく気付かず、何度かブログにも書きましたが「未来の自分がハマるもの」は想像できない。

そんなことを考えつつ、とりあえず黒川温泉に向けて出発。山道を下っていくと、小さな村の中にいきなり「国の重要文化財」という看板が。え、こんなところに!?と思い車を停めて山道を少し歩いていくと、古そうなお堂がありました。


鳥居をくぐり、左奥に行くと・・・


中尊寺のように覆堂によって守られて、奥に重要文化財の「大野老松天満社旧本殿」がありました。

案内板によると「九州では最も古い中世神社建築の遺構である」とのことで、ちょうどここの管理をされている方がいたので話を伺ってみると「五年に一度、稚児から老人まで参加する神楽のような催し物」があり、前回は昨年行われたそうです。地域ごとに実に様々な風習や習慣が残されているものです。重要文化財を見たらすぐに移動開始。車を走らせること約30分、景観が綺麗な場所があったので立ち寄ってみると、そこは「水辺の郷・おおやま」という道の駅。名前のとおりまさしく水辺の郷、といった趣の場所でした。


四国の道の駅に引き続き、九州の道の駅も川辺でのんびり出来るところが多くあるようです。

さらに車を走らせること約40分、黒川温泉の手前に田の原(たのはる)温泉が見えてきました。事前情報として知ってはいましたが、ここは寅さんの映画のロケ地として使われたことがある場所。

21作目ということですが、1978年の映画(俺が生れてすらいない)です。通り過ぎようと思っていたのですが、どうも惹かれるものがあったのでもう少し奥まで行ってみることにしました。TV番組の撮影をしていたっぽい人達がちょうど立ち去ったところに、車を滑り込ませて辺りを散策してみることに。

散策していたらだんだんこの温泉に入りたくなってきたので、黒川温泉の前にこの温泉に入っていくことにしました。上の写真の旅館が映画でロケ地として使用された旅館ということでしたが、旅館の方曰く「建てかえられており当時の面影は一切ない」とのこと。旅館の中には撮影当時の写真が何枚か飾られていました。

さくらが若い!そしてこの写真を元に外に出て場所を特定しようとしましたが、旅館の方の言うとおりあまりにも変わりすぎていてまったく分かりませんでした。ここには旅館内の温泉と、橋を渡った先に別の温泉がいくつか用意されているということでしたが、今回は旅館内の温泉を利用させて頂くことに。必ず貸切にしてくれるそうで、このときも一人で贅沢に使わせて頂きました。


廊下を歩いていくと・・・


渋い温泉が現れます!

人があまりいない秘境のような温泉が好きな自分としては最高の環境で、でかい湯船を一人で占有できて実に満喫できました。旅館内の温泉は500円ですが、橋を渡った離れの温泉は1,000円で、樽風呂、明神風呂、檜風呂、観音風呂、釜風呂、石風呂、の6種類があるそうです。特に人気なのは滝を見ながら入れる明神風呂なのだとか。今回の旅の道中寄った温泉の中でも個人的にはかなり気に入った温泉で、また絶対に来たい。

田の原温泉を堪能したあとは、20分もかからないうちに到着する黒川温泉。車で近づいても最初はまったく思い出せませんでしたが、車を降りて温泉郷を散策しているうちに徐々に記憶が蘇ってきて、当時は被写体として友人らがいた場所や、自分も含めてグループ写真を撮ったところに今は誰もいないというのが実に寂しく、一人旅が好きな自分ではありますがこのときばかりは独りでいることが辛いと感じました。


左が当時の写真、右が今回(ブログを見ている環境によっては上下)。
友人らがいないこと以外にも、橋の色が違ったり建物の外壁が微妙に違ったりしている。4年の歳月を感じます。


左が当時の写真、右が今回(ブログを見ている環境によっては上下)。
前回は夏、今回は晩秋。当時の服装と、囲炉裏に火がついていることで季節が分かります。

どうも寂しくなってきたので、温泉には入らず散策したのみで黒川温泉を去ることに。次回は誰かと来たいところです。もともとの予定ではここから手前の道の駅・小国に戻る予定でしたが、予定を変更して登山口まで行ってしまうことにしました。まだ完治していない手のことも考慮し、今回は九重連山の中核に最短で辿り着ける牧ノ戸峠を出発点にすることにしていました。

17時過ぎに牧ノ戸峠に着いて車内で夕食を食べていると、ドアをノックする音が。誰かと思って「開いてますよ」と伝えると、警察官!「もしかしてここ車中泊禁止・・・?」なんてことが頭を過ぎりましたが、話を伺ってみると「女性二人が遅い時間に軽装で山に入っていった」という通報があったので何か知らないか、とのこと。俺が到着した時点でいた車は3台、そのうち1台からはおじさんが外に出て写真を撮っていましたが残り2台は無人でした。「それ(遅い時間に入山した)がどうした、っちゅう話なんですけどね・・・こちらとしても放っておくわけにもいかんので」とのこと。警察も色々大変なんですね・・・。

そんなことがありながら、車内で食事を済ませたあとは翌日の計画。大雑把には決めていましたが、九重連山は名前のついた山が数多くありせっかくなので色々登ってみたい。この時点ではまだ山の中でテント泊するかどうかも確定させておらず、ルートを考えることにしました。旅を振り返ってみると、こうしてルートを考えている時間は山に登っている最中や山頂に達したときと同じくらい楽しかったと思います。


壮行会で頂いたランタンシェード、めっちゃ使ってます。
モンベルのベスト商品といってもいいかもしれません。コストパフォーマンス最強です。

プランを練ったあとはすぐに寝たのですが、この時期の標高1,333mにある峠での車中泊は

寒い!!!

翌朝はなかなか寝袋から出られないことになります。

九重連山登山編に続く→

2件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください