島根放浪記: 遊覧船、城、そして美術館へ。

11月8日後編。一日でずいぶんと巡ったものです。前回のブログでは下のマップの「F」、佐太神社まで辿り着きました。

そこから移動し、松江城付近(マップ「G」)に到着したのが15時過ぎ。市営の駐車場に車を停めて、友人(植田正治写真美術館を紹介してくれたのと同じ友人、様々な情報をありがとうございます!)の勧めにしたがって遊覧船に乗り「ぐるっと松枝堀川めぐり」を体験することに。船頭さんが気のいいおばちゃんでユーモア溢れる案内は実に楽しかったです。雨も降っており寒かったのですが、逆にさらに寒くなってこたつに入りながら雪景色を楽しむ冬の堀川めぐりも楽しそうです。あいにくの天気でこれだ!という写真を撮るのは難しかったのですが、その中で気に入ったのがこの一枚。

地面が横一文字に写真中央を走り、松の木が川面に綺麗に反射していました。遊覧船はこんな雰囲気で実にのんびりと外堀・内堀をぐるっとまわります。乗った遊覧船には「翌日船頭の試験を受ける」という男性も乗っており、なんでも船頭になるには船舶免許と船頭の資格という二つの資格が必要で、この方はすでに船舶免許を持っているのであとは船頭の資格のみということでした。緊張した面持ちでしたが、はたして試験には合格されたのでしょうか?

遊覧船を楽しんだ後は、これまた友人の勧めで小泉八雲の旧邸へ。正直松枝に来るまで小泉八雲という人物を知らず(無知ですみません・・・)、数時間前に知った人の旧邸を訪れるのは実にシュールな気分でしたが、その人生は実に興味深く、「外国人目線で見た日本」という視点には非常に興味を覚えました。旅が終わったら小泉八雲の著書に触れてみたい。

小泉八雲旧邸を訪れた後は松江城へ。今回の旅で訪れる城としては弘前城若松城(鶴ヶ城)に次ぐ3ヶ所目となります。何箇所か城を訪れて「城は中から外の景色を見るよりも外観を眺める方が良い」と感じていたので、今回も中には入らず外観を見て楽しみました(いずれにせよ入れる時間ではなかったのですが・・・)。16時50分くらいに城の前に着き、ライトアップされそうな雰囲気があったので少し待ってみると55分くらいに予想通りライトが点灯されました。このタイミングで撮った写真が冒頭の写真ですが、実に美しい色に染まっていました。

どうやら城周りのゲートが17時に閉じられるようで、ぎりぎりで外に出してもらいそのまま車の元へ。時間的に神魂神社に行くことは厳しく、さらに近くの道の駅を検索してみると翌日行く予定の足立美術館(ここもまた同じ友人の勧め)のすぐ隣で、そこは神魂神社を通過してかなり行ったところ。今回は縁がなかった、ということで神魂神社に行くのは諦め、この日は美術館横の道の駅・広瀬富田城に行き一夜を過ごすことにしました。新しいプランをGoogle Mapに落とし込むと下の図のようになります。「A」が松江城、「B」が道の駅、「C」が足立美術館、そしてオレンジの丸が神魂神社です。国宝の神魂神社の本殿も見てみたかった!

※※※

翌11月9日。美術館の開館時刻の9時に合わせて移動し、到着した時点で既に何台か車が来ておりました。近くの女性が俺の車のナンバープレートを見て「柏って千葉のですか?」と話しかけてきたので、そうです、と答えると「お互い遠くから来ましたね」と言う。そんなその人の車は八王子ナンバーでした。なんでも、その人は夫婦で旅をしており、今回は山口まで行ってから東に移動し島根に至ったという。色んな旅をする人がいるもので、美術館の入口に至るまで旅談義に花を咲かせました。


足立美術館外観、こちらは新館。

そしてこの日のメインイベント・足立美術館。入館料が2,100円というのに少し怯んだものの、友人の「良かった」という言葉を信じて中に入ることに。ここは日本庭園が有名ということでしたが、その日本庭園が本当に素晴らしい!!今回の旅では日本庭園にも何箇所か訪れており:

和歌山県:高野山・金剛峰寺
岩手県:平泉・毛越寺
福島県:浄楽園
山梨県:恵林寺

に次ぐ5ヶ所目。どれも甲乙付けがたい良さがありましたが、足立美術館の日本庭園もまた実に心が落ち着く素晴らしい景観でした。入って良かったです!!

そして閲覧できる絵画がまた渋く、横山大観の作品をメインに日本の作家の作品が集められており、今回はちょうど「あなたが選ぶ”この一点”頂上決戦」という催し物をやっていました。展示されている作品の中から気に入った作品に投稿する、というこのイベント、大山下山後に寄った「植田正治写真美術館」でイベントのチラシを見て記憶に残っていましたが、本当に行くことになるとはその時点では思っていませんでした。作品を全部見た中で個人的に気に入ったのは山元春拳という作家の「瑞祥」という、蓬莱山を描いた大きな屏風。奥行きがあり本当に蓬莱山に行って写生したかのような見事な画には、そのまま吸い込まれるようでした。写真で紹介できないのが残念!また見に行きたいと思わせるような作品でした。こういった作品の数々を見るにつけ、今回の旅で何度も思いましたが「創作的なこと」をしたいと感じます。

足立美術館を堪能し、次は氷ノ山近くの道の駅までの移動。4時間近くかかるので一気に行くのではなく途中でスターバックスに寄り、今現在このブログを書いています。これからもう1時間くらい移動し、道の駅で一泊した後、明日は曇り予報の氷ノ山に登る予定です。大山から下山してすぐに氷ノ山に移動しなくて本当に良かったと思います。山陰には社寺や海鮮、美術館、などなど、見所や楽しむところが盛りだくさんで、今回の滞在でも全然行ききれていません。今回の旅が終わったら、また時間を作ってゆっくり訪れたいと思います。

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