59座目の百名山: 苗場山

小赤沢コース三合目の登山口に到着した前回のブログから引き続き、苗場山登山編です。例の如く5時半に起床し車の外に出てみると、雲ひとつない快晴。これは期待できます。

快晴

ただ、追加の車は2台のみで1台は駐車場の管理者?の方っぽくもう1台も登山客なのかどうか不明でした。前日の荒島岳同様一番乗りです。それにしても

寒い。

水溜りが普通に凍っていました。

凍って・・・いる?
ということは0度以下…?

あまりにも寒いのでおにぎりを持つ手が震え、2個買ったうちの1個だけ食べてパパっと支度を済ませたらすぐに出発です。この寒さは登山道が凍っているかもしれないと思い軽アイゼンを携行しましたが、これが後ほど大正解だったと分かります。

モルゲンロート@鳥甲山
鳥甲山のモルゲンロート?です。

三合目の登山口を入ってすぐに三合目の標識があります。お、標高が書いてあるぞと近づいて見てみると…

三合目登山口
1,300m。

どうりで寒いわけです。標高1,300mでの車中泊といえば大分の九重連山を思い出しますが、同じ時期でもここ長野のほうが断然寒いです。

三合目から四合目までは雪もなければ道が凍っていることもなく普通に歩けたのですが、四合目を過ぎた辺りから少しずつ雪が現れ始め、五合目を過ぎると…

雪!!!

こんな状況でした。さらに鎖場まで現れます。

鎖場其の一

鎖が冷たい!!そして六合目に至るともはやこんな状況になります。

標高1,750m
標高1,750m。

アイスバーン?
アイスバーン?

これはいよいよまともには歩けない感じになってきたぞ、というところで秘密兵器の登場です。

秘密兵器登場!

頭の中ではドラえもんの声で「けいあいぜん~」と唱えていましたがもちろん誰にも聞こえていません、というより誰もいません。軽アイゼンを使用するのはおそらく2016年に大雪山に行ったとき以来2年ぶりです。このあとは道がどんどん雪にまみれていき、

さらなる雪

こんな状態からさらに、

鎖場其の二

鎖場まで現れる始末です。西側の斜面を登っていたからか全く陽がさしていませんでしたが、歩き始めて2時間くらいでようやく陽があたる場所に差しかかりました。

太陽光・・・?
お、陽が照っているぞ。

そして5分くらいで










突然の湿原

なんだここは!!

突然視界が開けて、全く想定外の景色が現れました。木道がありそれを伝って歩くのですが、あまりにも想定外の景色過ぎて半ば呆然としながら歩いていました。

木道
こんな景色が続きます。

上の写真の中央の尖った山はブログ冒頭でモルゲンロートしていた鳥甲山。その奥に白い山脈が見えておりどこの山々だろうかと思い調べてみたところどうやら北アルプス、後立山連峰だったようです。鳥甲山の左には高妻山、右には妙高山と火打山が見えていたようです。

後立山連峰
右から白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳…あの稜線を左から右へ日本海まで歩いたのはもう2年前。

この平原?湿原?には池が凍ったような場所が多数ありました。あとから知りましたが湿原にできる池を池塘と呼ぶそうで、そんな池塘は苗場山の見所なのだとか。軒並み全部凍っていましたが、これはこれで壮観でした。

凍った池塘其の一

凍った池塘其の二

木道を進んでいくと、白い森が現れました。

木道の先には
ん?あれは…

白い森
…樹が白い!!

そしてそのまま一旦樹林帯に入ります。

エントランス
森の入口。

そして樹林帯を抜けると、再び視界が開けます。

さらなる木道
一体…

異世界感
…どんな場所なんだここは!

初めて見る景色だったので写真を撮ったりしながらゆっくり歩いていましたが、いつの間にか山頂付近に来ていました。

あの屋根は
山小屋の屋根が少しだけ見えています。

それにしてもまぶしい!軽アイゼンを持ってくるところまでは思いつきましたが、あくまでもアイスバーン状態になっている登山道対策で、まさか雪が積もって白い世界になっているとは思いもよらず偏光サングラスは持参していません。ひとつ勉強になりました。

さて、山小屋に近づくとそこには何故か役行者と書かれた石碑が。役行者といえば大峯奥駈道にてさながら修験者のごとくアップダウンの激しい道を5泊6日で歩いたことを思い出します。

役行者石碑

と、そんなことに浸っていたらすぐに山小屋が見えてきました。

冬の山荘
苗場山頂ヒュッテ

山小屋から山頂までは道が分かっていれば1分もかからない距離なのですが、何故か複雑に分岐しており少し迷いながら山頂に辿り着きました。

展望なき山頂

山頂に至るまでは凄い景色なのに山頂はまったく展望がない!!山頂に展望がない山としては西吾妻大菩薩嶺を思い出します。

山頂に到着した時点で9時過ぎ。まだ誰ともすれ違っておりません。おにぎり一つでここまで来たのでかなりお腹が空いており、遅い朝食なのか早すぎる昼食なのか分からない食事を山小屋の外で摂ることにしました。今回持参したのは最近山に毎回持っていっているカップ飯シリーズの中でも食べたことのない『トマトカレー飯』。そこにさらに朝駐車場で食べ損ねた梅おにぎりをぶっこむ!梅の酸っぱさが絶妙に合って実に美味でした。

食事を摂っていたら違う登山口から登ってきた登山者2名が現れる。この日初めて山の中で人と挨拶を交わしました。食事が済んだのでゆっくりと来た道を戻っていると、どんどん人が来ます。そして誰もサングラスをかけていなければ軽アイゼンも装着していない。どうやら予測し切れなかったのは自分だけではなかったらしく、ある人は「紅葉を楽しみに来たけれど全然ない!」と嘆いてもいました。

人が現れ始める
ようやく人がポツポツ現れ始めました。

樹林帯を抜け、木道を歩ききったら本格的な下山開始です。

振り向けばそこには
さようなら苗場山。絶景をありがとう。

登っているときは気付きませんでしたが、別の方角にもなにやら雪を纏った山があります。上の写真の左のほうには…

あそこにも雪山が
あの雪山はどこだろう。

あとあと調べてみると、この山はおそらく『越後駒ヶ岳』。天気がまだもつようなら苗場山の次に登りに行こうかと思っていた山のひとつでしたが、あまり天気が良さそうではなく、既に雪がすごいという情報もあったので行くのを断念した山でした。写真で見る限り完全に雪山なので突っ込まなくて正解でした。

ここからは来た道をひたすら戻ります。軽アイゼンがあると特に下りが非常に楽で、この時間になると登ってくる人も多くいましたが軒並みアイゼンやチェーンスパイクをつけておらず雪道に四苦八苦していました。持って来て本当に正解です。

六合目を過ぎた辺りで雪が殆どなくなったので軽アイゼンを外し、展望もないのでどんどん下っていきます。四合目で少し会話した新潟から来たという老夫婦(60、70代?)が印象的で、「白山に行ったのに荒島岳を登り損ねた」など各地域の百名山話に花が咲きました。新潟の百名山情報についても色々と教えてもらい、なんでも巻機山は7月の花が見所なのだとか。来年は巻機山や越後駒ヶ岳、そして平ヶ岳は登りたい。年内は新しい山としては天城山と両神山は登る予定でいます。

そのまま下り続け駐車場に戻ると、20台くらいは車が停まっていた気がします。この季節に1,300m地点で車中泊するような人はいないのかもしれません。

Back to 登山口
戻ってきました。

ログ
このときのログ。結構登った気がしていましたがあまり標高差はなかったようです。

このあとの予定を組もうにも駐車場は圏外なので、荷解きし靴を川で洗い終わったら電波のある場所まで移動です。

旅はまだ続く→

おまけ:夏はこんな様子らしいです(秋山郷の温泉駐車場にあった写真を撮影)。

夏の様子

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