9/28。この日は前回のブログで書いた通り尾瀬の燧ケ岳に登りました。ここは福島県の最高峰です。コースタイムがとんでもなく長いロングハイクなので、この日はここ最近の中では早い5:20行動開始。行動開始時点ではまだ青空も覗いていましたが、尾瀬沼に着いたあたりですでに曇天。この日は予報では16時からの雨だったので、かなり急ぎ目に歩きました。
今回選んだルートは長英新道。尾瀬沼を通過した後は地図に書いてある通り「樹林の中のゆるい坂道が延々と」続きました。何よりも、樹林帯入り口の「ツキノワグマに注意」という注意書きに心底震え上がり、人とすれ違うまでは生きた心地がしませんでした。他の人がブログに書いていた通り4合目から急に傾斜がきつくなり、そこから一気に山頂へ。
この時点ではまだ俎嵓を燧ケ岳の山頂と勘違いしており、近づくにつれ近くにもう一つ高いピークがあることに気づきます。そっちこそ、燧ケ岳で一番高い山・柴安嵓だったのでした。
俎嵓から柴安嵓はすぐ近くで、あっという間に登頂。登りのコースタイムが7:45と恐ろしく長いんですが、わずか4時間強で到着しました。この時点でガスが上がってきており、登る道中も小雨が降ったり止んだり。これはヤバイな、と、5分ちょい滞在してすぐに撤収。
ここからはどんどん下るわけですが、途中から徐々に雨脚が強くなり、土砂降りとまではいきませんが「かなり降っている」と思わせるくらいの雨量に。それでも尾瀬沼に至るまでは木々が傘になってくれてあまり濡れなかったのですが、尾瀬沼に至った時点で遮るものが何もなくなり一気にずぶ濡れ。
尾瀬沼より12:01撮影、朝と似たような場所から撮っていますが山頂がガスに覆われています。
ここから駐車場までのロングウォークはただの苦行。曇天ということもありますが正直尾瀬沼にもさほど感動せず、樹林帯をひたすら歩いた今回の山行はあまり楽しめなかった上に最後の最後にずぶ濡れと、惨憺たる内容。ここまで毎日毎日雨ばかりというのは気象学的に絶対何かある、と思い下山後調べてみると、秋雨前線が例年になく長い間日本の上空に停滞しているということで、9/6に秋雨前線が観測されて以降の日照時間はなんと例年の半分以下という!こういう年に限って・・・。と、悪態付いても仕方ないのですが、とにかくこの日の下山は悲壮感漂うものとなりました。
結果的に、本来のトータルコースタイム14時間に対して、この日の行動時間は8:15。ここまで長いコースタイムだと通常なら日帰りは検討しないのですが、ネット上に日帰りで行った人が多数いたので「行ける」と判断しての今回のコース選択です。ぶっ飛ばして正解だったと心底思います。
下山後はとりあえず近くの温泉へ。近くといっても車で1時間くらい移動しましたが、「南郷温泉しゃくなげ」という温泉施設に。ここは赤城山の麓にあり、翌日晴れなら赤城山や皇海山など近辺の山に間違いなく登りに行っていたのですが、予報は雨。本当に、秋雨前線のせいか(というよりせいで)今年の9月は曇りか雨予報ばかりです。
この時点での関東の予報は翌日雨→翌々日晴れ→その次の日曇りもしくは雨。翌日を停滞日兼移動日とし、翌々日雲取山に行く事は決めましたが、雲取山をピストンにするか瑞牆山まで繋ぐ奥秩父主脈縦走にするかものすごい悩みました。ここまでの1ヶ月あまりの天気は本当に微妙で、連泊の縦走を検討するのは得策ではなさそうでした。さらに、雲取山に登る予定日は金曜日。その翌日から週末で、関東の友人たちと会えるかもしれない。そう思い友人たちに連絡を取ってみると、週末飲めるという。これはもう、「そういう事なんだろうな」と思うに至り、雲取山は往復のみとし週末は友人らと久々に再会することにしました。
9/29は停滞+移動のみですが、あえて千葉を経由し以前お世話になっていた美容師さんのところへ行くことにしました。髪は今回の旅が始まる前にバッサリ切ってもらっていましたが、以降美容室に行っておらず、この機会に訪問してまたバッサリ切ってもらうことに。南郷温泉から柏は結構遠く、9/28のうちに南郷温泉から柏までの半分を移動することにしました。向かった先は道の駅・みかもという場所ですが、ここのすぐ近くにイオンモール+映画館があり、上映スケジュールを見てみるとレイトショーで「君の名は。」がやっている。前々から観ようと思っており、これは!ということで、この夜は映画を観てから道の駅に向かうことにしました。
賛否両論ありそうな内容で、突っ込みどころもいくつかありますがストーリー構成は面白く映像がとにかく綺麗。突っ込みどころに関して詳しくは書きませんが、カレンダー見たら気づくだろ!ということと、スマホのロックどうやって解除したんだ!というのがまず思った事です。他にも突っ込みどころはあるかと思いますが、それはさておき不思議な余韻を残す作品でした。切ないようなハッピーエンドだったような終わり方の作品で、作品後のキャラクター達はand they lived happily ever afterとなったのか、それとも・・・?ということをあれこれと考えてしまいます。
こういった作品を観るにつけて、やはりクリエイティブな事もやりたいな、と思う。小説でも書いてみようか。もしくは絵でも描いてみようか。山に登ると色々な感情が喚起しますが、心の琴線に触れるというか、喜怒哀楽という一言では言い表せない微妙な感情を抱くのには、映画を観たり小説を読んだり音楽を聴いたり、文化的なことにも積極的に触れていかなければ、と思う。
そんなことを思いながら、道の駅で就寝。
このときのログ。尾瀬沼の東側を掠めてそのまま燧ケ岳に向かっています。沼を通過した辺りから「ツキノワグマに注意」エリアになります。上のグラフは片道ですが、片道で12.7km・・・。往復25km強のロングルートです。
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